伝説の始まり
------------ーーーーーーーーーーーーーーーー
何気ない一言。まさか事実になるとは、思ってもみなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普段通りのお昼休み。弁当を食って普段通りに散歩する。
俺は鳥飼 仁和斗、ごく普通の農業学校生。ちなみに彼女いない歴=年齢のチェリーボーイで、なによりビビリのチキン野郎。
それにしても...
「最近忙しくて友達と遊ぶ暇もないんだよなぁ。」
俺はそう呟いた後に深くため息を吐き辺りを見回す。俺の目には何も考えていないかのように餌を頬張るニワトリたちの姿が入ってくる。
「いいよなぁニワトリは。起きて餌食って寝るだけ、それくらい暇ならいいんだけど。」
そんな事を言っていると。
「馬が逃げたぞ!」
近くの馬小屋から馬が逃げ出したらしい。どうせすぐに捕まるだろう、そんな事を思った次の瞬間。
「危ない!」
馬を追っていたおっちゃんの声が耳に入ってくる。
「あっ」
ここで俺のこの世界で、そして人間としての人生が幕を下ろした。
ー俺は...確か逃げた馬に蹴られて...何もない空間。俺は死んだらしい。
「意外とあっけなく終わるんだな。しかし、困ったな。」
俺は何もない空間の中で考える
「俺はこれからどうなるんだ?体は...動かない。」
というより体の感覚は無い、と言った方が良いのだろうか。
「考えてもわからないか...少し休むとするか。」
俺はそっと目を閉じた。
......
頭の中に死ぬ前の記憶が流れる。
「友達ともっと遊びたかったな。」
俺は死ぬ前に考えていた事も思い出した。
『いいよなぁニワトリは。』
......
どれくらい目を閉じていたのかはわからない。
ただ一つ言えるのは...
「なんでこんな森の中にいるんだ?」
暗闇の中に居たはずが何故か今は森にいる。
体は...動く。しかし...
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
俺は自分の体を確認して絶叫する。
「なんで、なんでニワトリなんだよ!」
俺の体はビビリに相応しいチキンそのものになっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
伝説のニワトリ
コケッコ