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ラピス

頭がぼんやりとする中、思考が定まらない状態で意識が少しずつ覚醒する。

目をゆっくりと開ける、うっすらと見える視界に風景が映し出される。

視界がだんだんと鮮明に映し出される、その視界に捉えたのは、木々に覆われる森の中だと次第に認識される

周囲を確認するが、やはり木々がみてとれる。思考が整理される中、今の状態を思い出そうとするが、何も思い出せない。なんでここにいるのか、自分は誰なのか、その全ての記憶がなかった

ただわかるのは、性別は男だということだ。理解が追いつかない中、森を歩く、その中で池を見つけ水分補給をしようと心みる。その池に映し出された姿は20代半ばという感じだった。

とりあえず水分補給をし、食料確保をしようとここを起点に果物を探し出す。しかし、それはすぐに断念せざる得なかった。

なぜならばここの池は魔物の水分補給場でもあったのだから。すぐに身を隠し、その場を去らざるをえなかった。そして今見た光景に恐怖した。

 なにあれ・・・・、アニメとか漫画じゃあるまいし、有り得ないだろ・・・

ここはやばいと青年はすぐに思い至る。その場を気づかれないように、ゆっくりと歩き離れる

何時間たっただろうか、時計がないせいで時間がわからない。しかし数時間はゆうに過ぎているだろうと思われる、時間の概念は景色によって判断できる。夕方になっていたのだ。

青年は思考する、このまま夜が来れば魔物を視界で捉えるのは無理だと判断する。

周囲を観察し、木々の上で夜を過ごすことを決断する。しかし、想像通りの魔物ならそれも決して安全とは言えない考えなのだと理解もしている。だが、いま現状それが一番安全な方法だと木々の上に上り夜を過ごした。

日が昇る、どうやらなんとか無事に襲われることなく、朝が来たようだ。ゆっくりと木から下り、慎重に歩を進め、目につく果物を取り、食料を確保する。

そんな生活を3日ほど過ぎただろうか、なんとか森を抜けることができた。森を抜けると平原が一面に広がっていた。青年は一安心をする。危険な森を抜けれたことに。

そのまま平原を進み、そして青年は後悔する。

いくら歩いても街どころか、村もなく人家が一つもないのだ。1週間も歩き、食料はとうになくなっていた。唯一幸運だと言えることは、魔物の類を視界で捉えることがなかったことだけだった

すでに青年は死を覚悟するほど絶望しきっていた。

そんな絶望していた青年に希望の光が見えた、目の前に家らしきものが視界に入ったのだ。

青年は急いで、その家に走る。

家の前までに着き、青年は観察する。どうも中世風の家らしかった。レンガでしっかり組み込まれた家はかなり大きく貴族が住むならこんなものだろうと思った。

青年は恐る恐る、家をノックをする。返事がない。何度もコンコンとノックする。返事がないようだった。

ドアに手をかけ、ゆっくりと開けながら

「失礼しま~す」

と小さな声を出しながら開ける。

視界に入ったのは、誰もいない光景だった。家の中もかなり立派な内装がみてとれた。

青年は覚悟を決めて中に入ることにする。選択肢がすでにそれしかなかったのだ。青年の空腹状態はすでに限界で、水分欲求も極限状態に近かった。

中に入り、慎重に見渡し、中に人がいないことを確認すると。お目当ての物が視界に入る。

机の上のバスケットにパンがいくつも置かれ、その傍には水の入った瓶が置かれていた。

青年はそれを目にし、思考が止まる。一目散にその目標に向かい、手を動かし口に入れる。

器官に入り、咽る。急いで水が入った瓶を取り、勢いよく口に入れる。

そしてパンをまた口に含む。その行為に夢中になっていた中、ドアが開いた音がした

音に気がつき、振り向く。そこには銀髪の年齢で言えば14歳位の端正な顔立ちをした美少女がいた。

少女は一瞬驚き、そして肩をワナワナと震わせる。青年はすぐに謝罪の言葉を発しようと、口を開けたと思ったら、目の前に少女の拳が眼前に見えた。そして、青年の体は家の壁を突き抜け、数十メートルも飛ばされる。

青年は死んだと思った。なんでこんな所来てしまったんだろうと後悔した。

しかし一行に、青年の思考は止むことがないことに、気がつき死んでないことを理解する

目を開け、ゆっくりと体を起こすとどこも痛みがないことに気が付く、さらに立ち上がり体を眺めても傷一つ付いてなかった。

青年は一安心して、先ほどの少女をみると、どうやら少女も無事なことに多少ながら動揺しているようだった。しかし、すぐに表情が怒りの顔になり、何事かをブツブツと呟いている。

青年は首を傾げてそれを見てると、少女が右手を前にだし

「バーニングフレア」

と叫んだのだ

その右手から灼熱の炎が吹き出し、青年に向かって飛んでくる。

 あ~今度こそオワタ

青年がそう思った瞬間青年の周囲が炎に包まれる

目を閉じ終わりの瞬間を待つが一行に熱さどころか痛みがこない

恐る恐る、目を開けると炎が薄い膜に防がれているが見て取れた。

次第に炎が収まり、炎が消える。青年はこの薄い膜がなんなのか触れようとノックの動作で叩く、その手は空を切り膜などなにもないような状態だった。青年は混乱する。自分の起こっている事に理解が追いつかない。そしてその視線の先には、少女が驚愕に顔を歪めている。

 あ~絶対怒っているよ

青年は状況を打破できないかと思考するが、少女はそれを許さない

少女の体が一瞬揺らいだと思った瞬間、少女の体は成長し、大人の姿に変わる

そしてまた何事かとブツブツと呟く

青年は理解した、魔法の詠唱を唱えてることに。そしてこのあとはまた何かが飛んでくることも

少女の動作が青年の思考が正解だと言わんばかりに、両手を前に突き出し

「メギド」

と叫ぶ

青年の体を中心に数十メートル先が、地獄の業火が吹き出す。

 今度こそ死んだ

青年は覚悟して身構える

しかし、また膜のようなものが青年を覆い尽くし、それを防ぐ。青年は落ち着いてその膜を観察する。何しろ2度目でもあり、痛みが感じないのだから。

 アニメとかで言う結界とか防御魔法の様なものだろうか

青年はそう結論づけた

地獄の業火は沈静化し、あたり一面戦場の跡のように草一本生えない風景が広がる

 ちょっとやりすぎ!このままじゃあの少女は攻撃やめる気ないぞ

青年は思考する。そして自分も同じ事をして牽制して、この場を収められないか確かめようと結論付ける

青年は右手を前にだし、少女だった今は大人の綺麗なお姉さんの横の家を目標に右手を前にだす

少女だった大人の女性は少し身構える素振りをみせる

 てか、どうやって魔法を使えるんだ、とりあえずビームみたいなのでろ

青年は適当に念じ、右手に力を込める

込めた瞬間、ビームの様なものが家をめがけて発射される。青年は驚き右手を上に向ける

ビームの様なものが家を貫通し、その奥にある山に右手を上にあげた為に大穴を開ける

 まじか!!まじででたぞ!!

青年は驚き、右手を眺める。しかしそれは自分のなにも変わらない右手であることを確かめるだけだった

驚いている青年にゆっくりと近づいてくる、姿が確認できた。その存在を忘れていた青年はすぐに目標を視線に捉える。大人になっていた少女の姿は、元の少女の姿に戻っていた。そしてゆっくりと歩を進める。

青年は焦り、右手を前につき出す。少女は微動だにせず青年の前まで進み、膝を地につける。

その姿に呆然とする青年に少女は口を開く

「まさかこの様なところに、妾を超える偉大なる方が来られるとは。妾はこれより偉大なる方の下僕となりましょう。」

少女はニッコリと微笑みそう言葉を告げる

青年は何言ってんだこの少女は?と思考が追いつかない

少女はさらに言葉を続ける

「さあ、偉大なるお方。命令を!」

青年は思考が追いつかない中、一つだけ理解したことがあった。

 こいつマジだ

しかし、命令を与えなければ動かないことを感じ取り、青年は口を開く

「とりあえずご飯と寝るところ案内してほしいんだけど」

少女は幼さが残る笑顔でそれに頷く

「畏まりました、偉大なるお方。残念ですが妾の家は壊れてしまいました。大変申し訳ありませんが多少移動しなければなりません」

そう少女は申し訳なさそうに言葉を発する

しかし、家を全壊したのは青年なので責めることはできない。というよりも、当てもない目的の旅をしていた青年にとってはそれは何の問題もないのだ

「わかった、名前はなんて言うんだ?」

「妾の名はラピスとお呼び下さい」

青年は頷き

「わかったラピスさん、案内お願いするよ」

少女の微笑みが消え、突然真面目な顔になる、青年はたじろぐ

「妾の事は、ラピスと呼んでください。さんなどお辞めください」

青年はその真剣な表情にただ頷くしかなかった。少し涙目になったのは内緒である

こうしてラピスという案内人を仲間に入れる事に成功した

ラピスはどうやら吸血鬼という種族なのだそうだ、それもかなり上の存在らしく、血液などとるのは下等な吸血鬼がとるのだそうだ。ゆえにラピスは食事そのものが不要なのだそうだが、趣味で人の食事等をとることもあるということを教わった。しかし疑問に思ったのはどうやって栄養を取るのかというと、外には魔力という物があふれているらしい。それを吸収して生存しているということだった。

なんだかアニメの様な世界に迷い込んだこれからの先、不安でいっぱいであるが、とりあえず職を見つけて生活環境を整えながらこれからのことを決めようと決心したのだった。


不定期更新です。別の作品をメインにたまにこちらも更新します

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