表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死な女装メイド姉様は機械メイドと結婚したっす  作者: 漢字かけぬ
ハボタン死す!!
47/62

葉牡丹余命30分前!!

 「前回のあらすじは!!!葉牡丹最後の動画を撮ることになったぞ!」

 「余命30分っす」




 ずっと探していた羽衣(はごろも) ケイルはハボタンの中にいた。

 憧れだった人の喪失から立ち直るために、俺は口調を真似た。

 性格も何もかも。


 ー ハボタンの精神世界 崩壊まで30分 ー


 「という訳で始まった鬼百合家チャンネル。私最後の出番っす。

 レン姉様今までありがとうっす」

 「すまないな。俺の慢心でこんなことになっちまって」

 「姉様のせいじゃないっす。私は旧式で状況対応が苦手っすから」

 「それでも・・・俺は・・・」

 「姉様の記憶が入り込んでる今ならわかるっす。

 例えばジャリグリラ社騒動の時、人見知りの姉様が行列に並んでまで

 私にチョコケーキを買ってくれましたね。

 自分の苦手なことを我慢するって凄いことっすよ?」

 「あの時は何をしたらいいか分からなくて、

 葉牡丹の好きそうなものを買っただけだ。

 今になって思えばその時間を会話に当てたほうがよかったかもな」

 「私は自分の不幸に囚われて姉様に会いに行く選択肢すらなかった。

 ここぞで見せる優しさこそが姉様最大の武器。同時に脆い点っす」

 「相変わらず辛口評価だな」


 「姉様はイエスマンでも主従関係でもなく友人を望んでいたっす。

 だから全力で馬鹿をしたり、共闘したっす」


 いろんな感情がごちゃ混ぜになる。

 なにもできない自分の無力さ、突然の別れ。

 カメラの画角なんてどうでもよかった。

 自分を抑えられず立ち上がり怒鳴ってしまう。


 「でも俺は!!!!友1人守れずこんなところにいる!!!

 消えゆく葉牡丹を救う手立てもない!

 ましてそんな世界で生き続けろと!!!」

 「姉様には黒雪様、リリ様、シア様。そして次の私がいます。

 決して1人じゃないっす」

 「それでも!!!!!」

 「姉様は不死のチカラを得ても世界征服なんて考えず、

 ただひたすらに足掻き続けたっす」

 「今なら世界征服考えそうだぞ?」

 「それをさせないために私たちがいるっす。

 私の最後の願いは姉様のカッコいい所が見たい。ケイル様準備を」

 「おう!待ってました!!」

 「俺に何させるんだよ」

 「決まってるっす!!ケイル様とレン姉様の決闘っす!!!」

 「おいおいおいおい!聞いてないぞ!!!!」

 「はははは!流石レン、いいリアクションだ」

 「それではバトルスタートっす!」  


 ー ハボタンの精神世界 崩壊まで25分 ー


 「レン!俺は最初から全力で行く!!!

 メイドグラス!!!羽衣ケイル!メイドモードッ!!!!」

 「ケイルがメイドに!!!クソッ、鬼百合レンジ!メイドモード!」


 幾何学模様の紋章が足元から現れ、緑とオレンジの光輪が2人を包む。


 「偶然にしては出来過ぎてるよな。

 文化祭の男女逆転喫茶、その衣装同士だからな!!」

 「あの時のケイルがかっこよかったからこそ、メイド狂いになった原因。

 俺は過去を超えなくちゃいけないのか」


 2人のメイドが並び立つ。

 1人は掃除機をもった朱色髪の俺。

 そして百合エネルギー仕様のライフル銃をもった緑髪のかつての友。


 「葉牡丹が見てるんだ!一撃で終わらせる!!

 焦熱狂演!!!アドマイア「俺をやれるのか?」

 「!!!!」


 必殺技の最中にケイルの言葉が俺を惑わす。

 相手はケイル、人間だ。例えここが精神世界であってもだ。

 火炎を纏った掃除機はケイルの喉元直前で止まる。


 「隙ありだ!レン!!!」

 「ぐはぁああ」


 ライフルの筒部部を持ち、持ち手部分で攻撃し俺をぶっ飛ばすケイル。

 銃なのに物理攻撃ってそんなのありかよ!!!


 「はははは。百合エネルギー銃はビーム攻撃に分類されるからな。

 レンの超再生能力を発動されちまう。

 だから物理で攻撃して痛みを蓄積させて心を折る。

 ・・・・一緒に戦いながら考えていた対レン用の戦術。

 まさかこんなところで役立つとはな」

 「俺を倒す戦術って!!」

 「言葉通りだ。俺だって強くなりたかったからな。

 レンより強くならないと守れないだろ?」

 「俺には敵対する気なんて!!」


 「残念だが俺はただの人間だ。

 女体化ビーム受けちまったらレンを忘れちまう。

 だから財布の暴虐者に・・・シアに頼んだ。

 ”俺の記憶を引き継いだうえで女にしてくれ!”ってな」

 「その答えが、機械化なのか?」

 「そうだ。機械なら寿命もないしレンと並び立てる!

 人間歳重ねればボケが発生しちまうがそれもない。

 永久の寿命を得るも同じだ」

 「どうして!!!そんな大事なことを!だまって!!」

 「今の反応が答えだ。そんな事を当時言ってみろ、ペア解消されちまう。

 さっき葉牡丹はレンを誰よりも優しいと称した。

 裏を返せば判断が甘く現実を見ていない。

 仮に男のままで押し通してもどこかで女体化ビームを食らってた」

 「・・・・」


 「今俺はレンの敵として立ちはだかっている。

 俺に情けを掛けるなら葉牡丹を始めとした仲間を裏切ることになる。

 俺を取るか、仲間を取るか。いわゆるトロッコ問題ってやつだ」

 「まともに戦う気はないのかよ」引き気味

 「あのなー、不死相手に正攻法なんて通じるかよ。

 戦闘力でも劣ってるんだぞ俺。

 勝つためには奇麗事ばかりじゃダメなんだ。

 きっと葉牡丹もそういった理由で俺に戦いを依頼した。

 彼女も絶対どこかで甘えを出すからな」

 「・・・・」

 「レン、戦場で沈黙は答えじゃない。

 俺達なりに今回の敵を分析した。やつの真の目的は最初からハボタンだ」

 「!!!」

 「黒雪がいない状況下で飛行能力を持つのは、シアとレンだけ。

 しかも鞘の制御で彼女は棒立ちで的にはぴったりだ。

 オマケにレンの事をカレンと呼んでいた。動画を見て研究したんだろうな。

 次は量産兵に俺たちの顔写真でも貼り付けてくるんじゃねーかwww」

 「笑いごとじゃないだろ」ドン引き

 「その通りだ。次狙われるのは誰だろうな~。

 敵本丸もレンの好きなメイド服着てくるかもなwwww」」

 「ケイル!!!言っていいことと悪いことが!!!」

 「甘えるな!レン!!!俺より頭のいいお前なら次打つべき手は分かるはず!

 俺に攻撃を当ててみやがれ!!!」

 

 出来るわけないだろ!!!!!


 「なんだ!!!ッぐ!メイドグラスが!俺を拒絶した!!!だと!」

 「あーあ。やっちまったな。

 ”覚悟無き者にメイド服を纏う資格はない”だったか」


 電流が流れメイドモードが解除される俺。

 やっぱこれ不良品じゃねーの?

 どノーマルなオレンジの私服に戻る。


 「この勝負俺の負けだ。武器ないし」白旗ー

 「なーに言ってやがる。腰に刀ぶら下げてるだろ?」

 「忘れてた!!!!」マジじゃん!!!

 「正気かよ!!カトリー戦で使ってただろ!朱色の刀!

 ほらハボタンが病院の入院拒否した時!!」

 「あの時か!!最近メイドのほうが多いから、掃除機が主力武器かと!!」

 「動画を見てるファンならともかく、本人が忘れちゃダメだろ!!」


 しょうがないだろ!メイドグラスのほうが強いんだからさ!!

 使わなくなるのも当然だ。


 「その(つるぎ)で俺を切れ。仲間を守るための武器だ。

 カッコよく断罪と決意の刀(エターナル・メイド)でなwww」

 「決意と書いてメイドって読むのかよ!!!!」



 7百合エネルギー。発動色 オレンジ・緑


 防御壁・術式


 自分の場に存在する職業;メイドを任意の数山札に戻し発動する。

 戻した数まで職業;社長;貴族;会計士を山札から選び表向きにして

 1つに重ねて自身の防御壁に加える。

 俺達の意志は皆が引き継ぐはずだ!!! ー鬼百合 ケイルー



 「レン姉様、変な脳内怪文書流さないでください。

 この手のネタはシア様の持ちネタっすよ」せんべいばりばり

 「葉牡丹に突っ込まれた!!」


 試合解説放棄してくつろいでやがる!!!


 「武器もあるなら後はレン自身の覚悟。切り札はあるんだろ?

 俺も動画を見ている視聴者も知っているヤツをな」

 「・・・・ケイルにこんな姿見せたくなかった。

 けれどっ!」バッ!!!



 俺は”切り札”を発動した。結論から言えばケイルに一太刀浴びせた。

 全ては俺の甘さ故。


 「勝負が付きましたね。勝者レン姉様っす」ドンドンパフパフ

 「レンにもドス黒い感情はあるもんだなwwww俺の負けだ」

 「なんで刀刺さって無事なんだよ!!!!

 だってここ精神世界だぜ?気合で痛みなんて消せるしwwww」

 「うわぁ。心配して損した」


 何はともあれ無事でよかった。


 「最後に一言だけ葉牡丹ではなく、ハボタンから。

 新しい私はきっとハボタンを引きずってしまいます。

 だからハボタンとは別の人間と思って接してあげて下さい。

 ケイル様も同じく過去のもの。

 難しいかもしれませんが姉様ならできると信じています。


 ご主人様は不死ですから天国にも地獄にも行けません。

 ここで永遠のお別れです。


 ・・・・・・・”愛していた”っす」


 ・・・・なんて返せばいいんだよ!!!

 愛していたって過去形にして!!!

 ハボタンの本心は分からないけどさ!

 多分俺も同じ立場ならそうした。

 嘘をついてまで忘れさせようとしてやがる。

 顔なんてひどいもんだ、涙流して無理してさ。


 突如世界が崩れだした!もうタイムリミットか!!

 葉牡丹が出口を作ってくれたけど。俺も最後に言いたいことが!!


 「出口はあちらです。ご主人様」

 「なあ、ハボタンが向こうに行っても

 大丈夫なようにキスでもハグでも何でもやるぞ?」

 「観覧車の時の会話を覚えていますか?」

 「ああ」

 「”そんな未練がましいことをしたら俺が耐えられなくなる”でしたか」

 「最低野郎だな。ソイツ」

 「さあもうお行きなさい。”あばよ!役に立たない粗大ごみ!!”」

 「・・・・お墓にチョコケーキ供えとくからな」

 「はぁ。虫がたかるのでココア缶にしてください」


 最後に罵倒して忘れてもらおうとする彼女を背にし俺は現実へ戻った。

 その言葉も俺達にとっては思い出だ。

 結局俺は告白すら”できなかった”違うな、

 彼女が”させなかった”のが正しい。

 最後まで手のひらの上ってことか。




 ー 現実世界 ー


 「あははは、すまないな。

 新型素体とレンジ君の魂入れ間違っちゃった」てへぺろ

 「じゃあ俺達!」

 「私達!」

 「「入れ替わってる!!!!!!!!!」」


 次回 入れ替わり編 仮称





 あとがき



 ー 新型素体内 精神世界 ー


 「しっかし別個体とはいえ俺が負けるなんてな。

 いや勝てる見込みはなかったんだが」

 「姉様は健やかに成長してるっす。だからさっさと成仏するっす」

 「ああ、そうさせてもらうさ。

 なぁ、俺との因縁を断ち切ったあの姿こそレンの目指した形なんじゃないか?」

 「あんなものは身の破滅を招くだけっす」

 「かもな。まっ、何はともあれ無事でよかったじゃねーか」

 「ケイル様、わざと負けたんじゃないっすよね?」

 「いや、あの俺は全力だ。今回の目的は

 1、敵のメイドを攻撃できるようにすること

 2、俺を忘れてもらうことだ」

 「多分姉様はいつまでも覚えていると思うっすよ?」

 「なんでだろうな。アイツは俺より頭いいはずだろ?

 過去の亡霊なんて気にせず生きればいいのにさ」

 「そこが姉様のいいところであり悪い所っす」

 「すまないな、未来永劫レンの世話任せちまって。

 でも俺は過去の人間で、今いるべき存在じゃない」

 「私は義務感ではなく自分の意志で姉様のそばにいるっす。

 例え作られた人格だとしても」

 「ははははは。結局俺達は似たもの同士か。

 レンという兄と姉離れができないようだ!」

 「・・・・できればケイル様とは姉様談義をもっとしたかったっす」

 「しょうがないさ。今の科学では人間の魂は両立できない。

 だから、俺が眠りにつく。もう下手こくなよ?」

 「ええ、未来への旅を楽しむっす。

 姉様は私達では支えきれませんので、ケイル様が復活したら酷使するっす」

 「・・・・やってくれ。これ以上はおまえの負荷になるからな」

 「記憶プロテクト作動。10,20,・・・・・・コンプリート。



 ふぅ。私は鬼百合ハボタン」



 目を開け胸に手を当てる。


 「いえ、そうありたい者っす」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ