葉牡丹余命1時間!!
別れってもんは必ず来る。目を背けてたのは俺の方で。
超再生能力持ちってことで命に対して無頓着だったみたいだ。
夢のようなふわふわとした感覚。
脳が現実を直視できない。感情が追い付かないって言えばいいのか。
敵は一人と思い油断をした。
ビルの屋上から突然現れた敵の団体に攻撃を敢行。
1度目は俺に直撃。そんなものは無駄弾だ。
敵本丸がニィと笑ったと同時に量産兵達が2射目を発射。
百合スカリヴァー鞘の制御に夢中になってたハボタンの頭部に直撃。
シアさんのバイクからの煙幕ミサイルにより俺達は撤退。
赤色の煙は”どのような状態であろうとも逃げる”の合図だからだ。
「逃げるな!!!カレン!!!!貴様だけは我が!!」
バイザーで目元は見えなかったが俺のことをカレンと呼んでいた。
だがそんなことはどうでもよかった。
シアさんの案内で俺の家のクローゼットに案内される。
ー 鬼百合家 夜 ー
「こんなこともあろうかと地下に秘密基地を用意しておいたぞ!
あはははは」
人の家で何やってんだ。この人は。
クローゼットの床を外し地下への階段を下りる。
結構長いな。この階段。
「安心しろ。凄腕はここに住んでいる。ハボタン君もきっと直せる。
いや治して見せるさ!!」
「・・・ね、姉様?私はもうだめです。記憶回路がやられました。
持ってあと1時間。すまないっす」
「ハボタン!!!生きていたのか!!!!心配させやがって!!!」
「感動の対面中悪いが事態は一刻も争う。こっちだ。
私のそして博士の研究所だ」
培養液によく分からないものがプカプカと浮かんでいたかと思えば、
床の隙間が7色に輝く光を放つ。ゲーミング床ってやつか。
「あれが、博士?」
「事情は把握したよ!!!緊急手術だよ!!手術!!!」」
「あははは、相変わらずテンションが高いな!カルミア博士!!」
「そりゃ緊急とはいえジャリグリラ社の最新素体の使用許可が下りたんだよ。
これで興奮しない方がおかしいんだよ」
7色の液体が入った試験管モチーフの髪留めに左右で黒と白に分かれた髪。
ニンジャ国にいたら間違いなく目立ちそうだな。
「じゃ、暴虐者のマニュアル通りに。
レンジ殿にも協力してもらいますよ?」
「いや手術だろ?足手まといじゃ」
「私達の持ってる”ハボタン殿の再現記憶データ”と、
レンジ殿の”ハボタン殿の記憶”を合わせるんだよ。
無論完璧ではなく、あくまで再現しただけだよ」
「こちらの再現データは途中まで。
レンジ君の手元に行くまでしか情報がない。
だから協力してくれると助かる」
「ちょっと待てよ!!!今のハボタンは見殺しってことか!!!
ふざけるなよ!!シア達の考え方は狂ってる!!
命をスマホの機種変ぐらいにしか思ってないだろ!!!」
声を荒げるが誰も聞こうとしない!
「あー、レンジ姉様。無理ですよ。あの二人は止められません。
それに姉様に合わせたい人がいるんです。
・・・・私のプロトタイプの人格に」
「ハボタンのプロトタイプ?」
「いいのかハボタン君?君が隠し通していた秘密だ」
「私の人格は持ちそうにありません。せめてこれだけは伝えたい。
姉様は1人じゃなかったんです。私はただ作られた疑似人格。
それでも姉様と過ごす日々は楽しかったから。
・・・・本当は花火を一緒に見たかったんですけどね」
「そういえば見れてなかったもんな」
「生まれ変わった私とは見に行ってください。
それが私の最後の願い。・・・願いっす」
手術台に横たわる彼女の手を掴み泣きじゃくる俺。
最後の最後で語尾を戻すのズルくないか?
メイドじゃなく俺と過ごす自堕落な方。
「私の神話級武器、百合ープニルは記憶を奪うだけでなくコピーもできる!
レンジ君の記憶をデータ空間に入れて
新型素体に入れ込む。ついでに過去のハボタン君のデータもな。
君に何故そこまで執着するかの理由だからな。
どちらのデータが欠けてもハボタン君は成立しない。
・・・・辛い戦いになるぞ?覚悟はいいか?」
「残り35分でしょ?せめてハボタンが生きてるうちに終わらせたい。
俺の成長したところを見て、安らかな眠りについてほしい」
「実験スタート!グッドラックですよ!レンジ殿!」
今のハボタンの記憶は劣化していてコピーできないとか。
シアさんの鎖から電気が流れて俺の意識は沈んでいく。
やがて強い衝撃が掛かり意識が復活する。
ここはハボタンの精神世界か?電子基板な床に、
無機質な大型正方形が無数にある。隠れるにはうってつけだな。
「姉様ー。姉様ー」と声がする。
ー ハボタンの記憶回路 ー
メイド服のハボタンがいた。
しかもカメラがあるから動画撮影でもするのか?
「鬼百合ハボタンの精神世界へようこそっす。
時間がないので早急に。本日のスペシャルゲスト
「
「
「
「
「
「
「
羽衣ケイル様っす」
「よっ。紹介に預かった羽衣ケイルだ!
レンの元親友って言えばいいのか」
「な、何でケイルが・・・・ハボタンの中に・・・」
「やっぱりレンは初見の誑かしに限る」腕組みー
「一理あるっす」うんうん
「ハボタン?時間ないってのに、こんな動画形式のノリでいいのか?」
「最後だからっすよ。私の生きた証をネットに広めてもらうために。
忘れ去られてしまったら、それこそ終わりっすから。
動画サイトがある限り私は不滅っす!」
「あーもう!分かったよ!やってやる!!
動画投稿者同士が出会ったとき!!」
「・・・・」
「・・・・」
「最後ぐらい乗ってくれよ!!!!」
「いつものアレが終わったところで、葉牡丹最後の動画っす!
新しい私も応援してくれると姉様の生活が助かるっす。
それでは鬼百合家チャンネルスタートっす!!」
かつての思い出であるケイルとの邂逅。
そして消えゆく葉牡丹。
俺は残り時間で何を成せるんだ?
あとがきー
カルミア 「ジャリグリラ社新型素体の凄いとこ!!!
背中に放熱扇風機 四肢入れ替え可
メイド魂
豊富な知識 各種資格
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百合
百平
合成
(ゆりゆりへいせい)大学もあるから幅広い学問を学べるよ」
レンジ 「カルミアさんもボケるタイプかよ!!!」
そのにー
葉牡丹 「なんで背中に巨大な扇風機っすか?」
カルミア 「思考処理時に熱が出るからですよ。
葉牡丹殿の弱点の範囲攻撃も考えることが多くて
パニックになってるからですよ」
葉牡丹 「新型は安心できそうっす」




