最弱故に愛すべき存在
「前回のあらすじは!!レン姉様が宇宙人と会話したっす」
「大体あってるけどさぁ!!!」
私の世界は色を取り戻した。だから・・・・。
「チョコケーキざんまいっす!!」両腕バッ
「もうケーキバイキングに行けよ!!!!!」
鬼百合ハボタン。俺の妻でありメイドなんだけど・・・。
重度のチョコケーキ中毒患者。
「まだ食べるのかよ!!!もう8個目だぞ!!」
「いいじゃないっすか。財布様の裏切りで頭脳労働したんですよ?
無血開城できたのは私の作戦あったればこそっす」
「あのまま戦ってたらどうなったんだ?」
「レンジ姉様とリリ様が捕まった時点で私に勝利はありえません。
黒雪様とのタッグでも短期決戦以外は無理っす」
「そうなのか?」
「財布様が記憶を支配して、私と姉様のイチャコラをできなくした時点で
黒雪様は大幅な弱体化するっす。
逆にイチャコラありなら黒雪様の所属するチームが勝ちます。
黒雪様・リリ様ペアVS鬼百合姉妹は絶対に負けるっす」
「勝ち目ないのかよ!!!!」
「単純な戦闘能力でなら、
S 黒雪様6枚羽
A 財布様バイク搭乗、黒雪様4枚羽
B 黒雪様2枚羽、財布様
リリ様、ハボタン、レンジ姉様百合スカリヴァー鞘 (空中)
C レンジ姉様百合スカリヴァー鞘 (地上)、カレン様
D 黒雪様羽なし
こんな感じっす」
「俺弱いな!!!」
「超再生能力が無ければこの程度っす。
空を飛んだ姉様も強いと言えば強いけれど、
遠距離ビーム持つ黒雪様には勝てないっす」
「掃除機だと遠距離攻撃出来ないしな」
「そもそも人類代表のリリ様がおかしい強さっす」
まあそうだよなと思いつつ、オレンジジュースの皿を取る。
リリーやハボタンが敵になったら弱み付かれて負けそうだし。
「というか財布さんのスペック高くね?確かに鎖は強力だけどさ」
「財布様は手の内を全部見せていません。神話級武器の販売員なら
百合ギヌスの槍も、いえ私たちの武器も取り寄せることができるっす」
「あー、メイドグラスも使いこなせそうだな」
「だから危険っす。敵に回したら勝ち目はない」
「よく勝てたな、俺達」
「いえ、先ほどのは引き分けっす。私達と戦って無事では済まないと
錯覚させられた時点でこちらにとっての最大戦果っす」
「でも財布さんも別次元から自分を呼んで無限に戦えるんじゃ?」
「先ほどの話を信じるなら、クローンとはいえ別個体。
狂暴な人格を引き当てた時点でこの惑星は危険っす」
「じゃあ、財布さんも守りながら戦うってこと?」
「そうっす。純粋な第3勢力。
味方ではあるけれど裏切りも考慮しないといけない。
そこは私たちがねじ伏せるっす」
「勝算があるのか!!」
「残念なことに彼女は足の匂いフェチ。
ソックスや中敷きを生贄にささげるっす」
「よかった。俺の靴はセーフだな」
「あはははは、足の匂いは男女平等で好きだぞ?」
「うわあああああああああああああああああああああああ」
突然会話に入ってきた財布さんは衝撃の一言を突き付けた!
マジかよ!!!!よくCMで男の服は臭いって言ってるじゃん!
変態じゃん!!!きもいきもいきもいきもいきもい!
「大丈夫だ。いざとなれば若返り薬で代謝のいい年齢まで戻すから!
存分に汗かいていいぞ?」
「全人類の夢を、んなことに使うなよ!!!!」
「平和?利用してる分マシと思うっす」げんなり
平和ってなんだっけ?
「私たちが好き勝手戦えるのも、姉様の超再生能力のおかげ。
全ての攻撃は事実上無効っすから。自分の才能に感謝するっす」
「もし俺が普通の人間だったらどうなってたんだ?」
「・・・私はそのへんで力尽きてたでしょうね。
黒雪様も友達ができる時期が遅くなり、
リリ様もお寺を継いでいたでしょう。
だから今のレンジ姉様には感謝してるっす」
「昔は忌み嫌われたぞ?悪魔だの、化け物だとかな。
敵を倒しても次の日には俺に誹謗中傷の嵐な日々。
嫌なことしかなかったのに、今ではこうして回転すし屋で
ワイワイやっている。人生って不思議なもんだな」
「ええ、私もレンジ様と一緒なら仲間なんていらないと
思ってた時期もあったっす。
流石に今はこの関係も悪くないと思ってるっす」
「ハボタンも丸くなったな」
「皆いい人っすから」
確かにな。
強さでいけば黒雪が最強だけれど、
ハボタンは頭脳戦で支えてくれるし、
リリーも挫けそうになった時に何度も俺を奮い立たせようと頑張ってた。
財布さんは・・・フォローしなくていいか。
俺は彼女たちに何ができるのだろうか?
金なら必要最低限貰ったら全部渡してもいいし、
家事が必要なら掃除から何までやるつもりだ。
それでも・・・。
「レンジ姉様はそのまま素直に生きてくれればいいっす。
他人に屈せず、自分の意志を貫く時は全力な姉様で」
「ほとんど屈服してますが!!!!」
「初めてメイドグラスを付けた時、
新たなメイドロボをお出迎えする資金はあったはずっす。
それなのに私を助けに来てくれたじゃないですか」
「あれは・・・その、気の迷いだ!俺1人でも戦える武器が手に入ったら
試し切りしたいだろ?たまたま敵を倒しただけだ」
違う。ハボタンには幸せになって欲しかったから。
「レンジとハボタンは余の友達になってくれた」
「黒雪が戦ってるのに見てるだけなんて俺にはできない」
違う。職業としてのメイドを諦めたから戦うしかなかったんだ。
「あのレン兄があたしを守るって言ったの成長を感じたわ!」
「生身なのになんで俺達より強いんだよ!!!」
違う。一人になりたくないから。
「いつも格別のお取引ありがとうございます」
「・・・・・」
「頼むから!何か反応してくれ!!!!!」
・・・・・・・・・・
俺の選択は今のところ順調らしい。
いやそうなるように仕向けたのはハボタンかもしれない。
俺はこれから世界が破滅するまで生きていくだろう。
それでも今だけはこの瞬間が永遠に続けばいいのにと思ってしまう。
会計は財布さんに任せて俺達は外へ。
店内は撮影NGだが店の前で写真撮る分には問題ないだろ。
宣伝にもなるから訴えられることはないだろうし。
ってっもやっぱなー。
リリーはともかくハボタンは俺より身長デカいし、
黒雪は空飛んでるしで、俺が小さく映ってしまう。
俺だって靴に”2cm背を高くするソール”入れてるんだぞ!
もっと厚底の靴を買うべきか?
財布さんが戻ってきた。
どうやら2次会用にパック寿司を追加で買ったらしい。
「レンジ、帰ったら動画撮るです。余はそんなに生で動画撮れないです」
「今からかよ!!体力底なしだな!!!」
「じゃあ、あたしも付き合うわよ?ハボ姉いい?」
「ええ。ついでに子供ができたと堂々発表っす!」
「あはははは、お酒アリ?」
「ゑ?マジで動画撮る流れ?過労死するわ!!!」
「レン兄。労働関係の法律、
36協定には残業は月45時間以内でって書いてあるけど、
年6回まではその上限超えていいのよ!!」
「うわああああ、鬼!悪魔!資本主義!!!」




