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不死な女装メイド姉様は機械メイドと結婚したっす  作者: 漢字かけぬ
スコップ狂団 ジャリグリラ編(仮称
31/62

誘導尋問

 私の世界は着色を始めた。

 あの人を依存させ屈服させたつもりが、私が依存していたなんて。


 ー 鬼百合家 夜 ー


 たった100年です。こうしてはいられません。

 料理のレパートリーを増やさなくては!・・未来の話っすよ?

 そうだ、洗濯を!・・1人分なので意外と楽。

 掃除をしましょう!・・100年も家が持たないっすよ?

 私の中の自堕落が正論を武器に襲い掛かってきます。

 今は話し相手が欲しい。

 自分自身の人形遊びも寂しさは紛れなくて、ただ空しい。


 燃料ケースの注ぎ口から直飲みで補給。

 銀のケースに銀の液体。ちょっと私の世界は明るくなっていた。


 再び玄関のチャイムが鳴る。

 正直スマホがあるのだからオンラインで話してほしい。

 いや今の顔を見られたくないからマイクのみの会話で。

 立っているのは財布様?


 「おーい、チョコケーキ買ってきたぞ!一緒に食べないか?」

 「私ってチョコケーキキャラって思われてます?今開けますから」


 玄関から居間へ。財布様は元は緑髪ですが私の眼には銀に見えます。

 ファンタジー世界のゲームに出てきそうなコートを羽織っているのに、

 タイツは肌が透けている。寒くないのでしょうか?


 「エアコンも付けて無いじゃないか!

 トレンチコート着てきて正解だな」

 「ハレンチコートの間違いでは?タイツも薄い素材のようですし」


 やれやれ、と首を振る財布様。残念そうに私に語る。


 「こいつはフェイクタイツ。そう見えるだけで実際は1200デニール。

 つまり見て目に反して暖かいんだ」

 「すいません。目に見えるもの全てが色を無くしてしまったのです」

 「ふむ、機械ではなく心の方だな。まっ、一応チェックはするさ」


 メンテナンスハッチを開いたり、目をライトで確認した財布様。

 確かバイク以外は分からないのでは?


 「なるほど分からん!」


 腕組みながらドヤ顔で言うセリフではありません。


 「少し厄介なことになってな。

 レンジ君は火力不足

 リリ君は目標達成後の喪失感

 君は極度の自己嫌悪だ。これが意味するところは1つ!

 私の利益の大幅減だ!!!」

 「なるほど、私が立ち直って武器を買ってくれと?」


 こんな時まで商売とは恐れ入ります。

 でも神話級武器は百合アンメイデンがありますので。


 「君だけの戦力など雀の涙だ。これから選択肢を与えよう。


 1、レンジ君の火力不足で彼はヒーローから引退

 2、1を回避するためリリ君がレン君とパートナーにして戦う

 3、ハボタン君が悪の組織に鞍替えする

 4、3人が協力するハッピーエンドのどれにするかい?」


 「1はありえますね。

 2は不死や機械でもないリリ様が戦場(いくさば)に出るには危険すぎます。

 3は論外。あの人と戦っても私はおろか、通常兵器では倒せない。

 4の結果はどうあがいても無理でしょう。私も考えましたが」

 「質問を変えようか。実現可能か不可は置いておいて

 君はどの選択肢を選びたい?」

 「4番です。ただしリリ様を戦いに巻き込む気はありません」


 少なくとも財布様は逆転する手段を知っている。

 私が思いつかないような方法で。


 「どうだ?XN-VRグラス、いやメイドグラスを使ってみては?

 4の選択肢ならハボタン君とレン君のペアが必須だからな」

 「分かりました。それでは」

 「ン待ちたまへ!!君が真に願っているのは2番!

 人であるリリ君なら殉職するからな。

 そうなれば自然とレンジ君は君のもとへ戻ってくる」

 「!!!!」


 人差し指をビシィと私に向けながら財布様は揺さぶりをかけます。

 多分2番を選べば失望して私のもとを去るでしょうね。


 「鬼百合ハボタン!メイドグラス!メイドモード!!」


 ??。幾何学模様の紋章が出てきません。故障でしょうか?


 「あはははは!覚悟無き者がメイドになれると思うなよ?

 友を救えず、恋敵を見殺しにする野心が芽生えた君では使えないさ」

 「っ!悔しいですがその通りですね。あの人の事を笑えない立場です」

 「昼間のレンジ君の戦い見るかい?君なら何かわかるはず」


 映像で見るレン様1人の戦い。

 百合スカリヴァー鞘の制御すらできず、

 掃除機とスプレー缶で悪戦苦闘。

 何より私との連携前程の立ち回りですから、隙が大きすぎる。

 勝ちはしたものの、こんなの長続きしません。


 「へへ、俺1人でも何とかなるもんだ。

 そうだ、ハボタンにチョコケーキ買ってやんねーと。

 本気だせばこの状況をひっくり返してくれそうだし。

 最後かもしれないのに、何で人に頼ってるんだろうな俺は」


 あの人は泣きながら町のほうへ歩き出しました。

 さっきまで泣いてる素振りなんて見せなかったくせに。

 自分が無力と分かってる上で、私に頼ろうとやせ我慢して。

 最後ぐらい本心を!!・・これは私もですね。


 「さて、メイドになれないハボタン君。

 こんな状態の彼からリリ君を奪ったらどうなると思う?」

 「・・・・答えたくありません。

 全てあなたが仕組んだこと。

 リリ様があの人の電話番号を知っていた事、

 スキャンダルをリークした件。これなら納得ができます。

 この質問も結局は財布様の欲しい回答、4番へ行くための誘導尋問。

 恐らくリリ様にも似た質問をぶつけるのでしょうね」

 「4番に関してはレンジ君の離婚届が受理される明後日、

 月曜朝10時が最速のタイムリミット。

 回答はXXXXXXXXXXXXXXXXだ」


 正気を疑いました。確かにこの方法なら3人のハッピーエンドです。

 月曜朝が最速という理由も納得できますし、

 それ以降でも形式は変わりますがこの回答を成立させれます。


 「100年なんて待たずとも結果は出します!あの人を!

 レンジ姉様達と共に過ごす未来を!!」


 眼から見える世界は色を取り戻しつつある。

 私の描く結論とは少し違いますが、姉様が笑顔ならそれでいい。

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