虚偽と虚空のメイド
ー レンジの精神世界 昼 ー
ここは?自然に覆われていてログハウスが見える。
天国?いや俺が行けるはずないだろ!とセルフツッコミしつつ、
周辺を捜索し1人の人間を見つける。
木を斧で割っているが俺には無理。
緑髪で俺より高身長。
がっしりというよりかは細マッチョな印象で
学園指定の青ジャージ姿。アイツは!
レンジ 「ケイル?羽衣ケイル?」
管理人 「いや?俺はレンの記憶の管理人。
脳が作り出した幻さ」
レンジ 「(涙目)うう、ぐすっ」
管理人 「おいおい、俺は偽物だっての!まあいい、小屋に入ろうぜ?」
ー レンジの精神世界 ログハウス 内部 ー
レンって!やっぱりケイルっす。
もう何から話していいか分からないっす。
小屋に入った瞬間巨大なタンスが現れた。うん、物理法則無視っす。
管理人 「ほい、ホットココア。事情はだいたいわかってる」
レンジ 「うう、ケイルゥ」
管理人 「しっかし俺が行方不明になってから
メイドにハマるとはねぇ」にやにや
レンジ 「んなのかんけーねえっすよ」ほっぺたプクー
管理人 「ははは、やっぱレンはその口調が似合ってるってw
俺の真似なんてせずにさ」
レンジ 「そりゃ僕にとってケイルは憧れだから」
管理人 「憧れねぇ?ならいっそここで暮らすか?」
レンジ 「勿論っす!」
管理人 「即決かよ!!あー違うんだよ。確かに外の世界は
理不尽で救いが無くてどうしようもない。
けど俺の生きた世界を見続けてほしんだよ。レンには」
レンジ 「あんな世界ほっといて僕と一緒に平和に過ごそうよ!」
管理人 「俺はまだ行方不明だからな。
もしかしたら生きてるかもだぜ?」
レンジ 「でもこうしてケイルはここにいるっす。
それに女体化の影響でもう記憶が上書きされて
僕のことを覚えてないはずっす」
管理人 「脳がただ忘れてるだけだ。例えばこの引き出し。
お前が好きなメイド服。
だが各所が光の粒子に侵され、やがて消滅する」
レンジ 「そんな!」
管理人 「所詮は記憶だ。何もしなければ消えるし、
新たな情報を与えれば再生される」
レンジ 「それでもいい。
メイド狂いもケイルがいなくなった時に見つけた依存先。
なくなっても関係ないっす」
管理人 「そうかもしれないな。だがこのチカラを以てして、
ハボタンって子を救ったんだろ?
そして今黒雪ってやつがピンチになっている。
俺にはメイド服は似合わないがお前なら!
鬼百合レンジならきっと!」
レンジ 「メイドの道は諦めったっすよ。
僕にはもうここ以外の居場所なんてないっす」
管理人 「だけど好きなんだろ?長々とこの場所にいたからわかる。
このメイド服が一番しぶといんだ。他の趣味は消えていったぞ」
レンジ 「それは」
管理人 「レンがヒーローになりたかった理由がモテたいからだろ?
それから俺と出会って、俺と一緒に戦うのが楽しくなって、
全力でバカやってただろ?俺も楽しかったさ。
俺が後衛でお前が前衛。
”ケイルには指一本触れさせないっす”とか言ってさww」
レンジ 「笑いすぎっす」引き気味
管理人 「俺を守ることと、誰かの為にご奉仕するメイド。
どっちも誰かの為にすることだ。
もし俺が報酬金を渡したとして素直に受け取るか?」
レンジ 「コンビニのホットスナックぐらいなら。
大金は拒否するっす。金銭目的で動いてないし」
管理人 「それでいい。ただ誰かを守るためのメイドになれ。
俺みたいな犠牲者を出さないのが最適解だ」
レンジ 「メイドっていうかSPの仕事っすよ?それ」
管理人 「例えだww例えwwお前が一番好きなもので戦え。
別に俺の真似して銃で戦ってもいいし」
レンジ 「ケイルに致命傷与えた武器ってトラウマ蘇らせる気?」
管理人 「ならレンの人生のこれからを俺が決める!!
1、ヒーローとして誰かを守れ!
2、もし俺を見つけたらぶん殴ってでも正気に戻せ!」
レンジ 「2番は無理そう。説得はするっす」引き気味
管理人 「な?まだ向こうでやることあるだろ?
着てみろよメイド服」
レンジ 「もしかしてそっち系だったっすか?」ドン引き
管理人 「ちげーーーーーよ!!!覚悟見せろってこと!」
レンジ 「知ってるっすよ。煽ってみただけっす」にやり
管理人 「ホントに俺に憧れてんのか?」ドン引き
ー レンジの精神世界 メイド服試着後 ー
レンジ 「メイド服が修復されたっす」
管理人 「もう俺の役目は終わったな。元気でやれよ?」
レンジ 「また会えるっすか?」
管理人 「さぁ?俺のことを覚えてればな。
人生迷ったらココに来い。だが今は!」
レンジ 「ああ!黒雪を助けるときだ!ありがとな相棒!」
管理人 「ったく。カッコつけやがって。誰に似たんだかww」
くだらない談笑の後光に包まれるセカイ。
そうだよな、まだ黒雪とは仲良くなってないし。
それで命を落とされても気分悪いしな。
ー 現実世界 スノーフレーク邸 夜 ー
レンジ 「ふぅ。鬼百合レンジ・メイドモード」
ハボタン 「嘘?ちゃんとメイドになってるっす!」
財布 「真面目に質問しよう。
メイドへの憧れは破壊したはずだ。
いったい何が起きた?」
レンジ 「職業メイドではなく趣味メイドの
考え方で対策しただけだ」
ハボタン 「ちょっと言ってる意味が分かんないっす」
財布 「あはははは、悟り開いたな、レンジ君!
ハボタン君が協力してくれるなら飛行性能を授けよう。
ああ、金利は無しの後払いで構わない。
幹部クラス倒せばお釣りで更に武器買ってもらえそうだし♪」
レンジ 「ハボタンはチョコケーキしか注文しなさそうだぞ?」
財布 「今から増産依頼出しとくか」げんなり
ハボタン 「待つっす。私は許可しないっす。
今度の敵はレン姉様のメンタルを破壊するっす!」
レンジ 「ならハボタンが俺を支えてくれ。
俺が前衛でハボタンが後衛。
俺が敵の攻撃引きつけっからその隙にやってくれ」
ハボタン 「・・・ホント代り映えのしない戦術っすね」
レンジ 「今も昔もそれでやってきたからな!」




