最強魔法使いだけど最弱魔法使い
深夜のテンションで書き上げました。恐ろしい。
「入口にゴブリン4体か。奥から増援が来る前に片付けるぞ」
一昨日、ゴブリンエンペラーの出現報告が出た。
通常、ゴブリンは雑魚モンスターに分類されるが、長い間浄化されず瘴気が濃くなった場所では、モンスターの突然変異種が現れることがある。そういった突然変異したモンスターを危険種とギルドで呼んでいて、今回のゴブリンエンペラーは危険種の中でも上位に位置する。当然、放っておくことは出来ないからこの国のトップに立つ俺たちが討伐パーティーとして選ばれた。
「敵の攻撃は俺が惹きつける」
攻撃力こそ低いが突出した防御力で味方を守るガーディアン。
「命中のレクイエム!」
様々な強化を味方かけることができる吟遊詩人。
「ダブルショット!!」
高い貫通力を誇る銃を自在に操り敵を撃ち抜くガンナー。
「スラッシュバイトォォ」
多彩な剣技と多種多様な魔法を器用に扱う魔法剣士。
「主よ神罰を与え賜え」
神聖魔法の使い手で解呪・回復もこなす神官。
「古き盟約に則り我が血肉を喰らいて闇夜の揺り籠に眠れる(中略)今こそ我にちか・・・・」
そして俺は超大火力を誇る破壊を司る闇魔法の黒魔導士。
「よし、先へ進むぞ」
「・・・・」
闇魔法は破壊の力。魔法は強いものほど詠唱が長くなる。故にザコ敵とは少しばかり相性が悪い。
「待った!探索魔法に反応があった。この先に何かがいる」
「通常種のゴブリン・・奥にゴブリン伯爵と公爵もいるな」
「俺が伯爵と公爵をひきつけてる間に雑魚の掃除を頼む」
「「任せろ」」
「サポートします」
「私は回復を」
「伯爵と公爵に闇魔法を打つ」
公爵クラスであっても、闇魔法の敵じゃない。他のメンバーを煩わせるまでもないな。とはいえ、先程の魔法じゃ火力不足か。ならばっ
「冥府の昏き腐海の底に沈む嘗て六芒星に破れた怨念よその深き憎悪を古の・・・・・・」
「よし!行くぞ!!」
「お前らの相手は俺だああああ」
「防御力のフォルクローレ」
「主よ苦痛に立ち向かいし者に癒やしを与え賜え」
「「うおおおおおおおりゃあああああ」」
「過去在りし日の因縁を凌駕する滅びを求めん。我は闇の申し子なりて・・・・」
闇が!破壊の力が高まっていくのを感じる!!もう少し・・もう少し・・
「雑魚は片付いた!加勢する!」
「まだエンペラーが控えてるんでな。こんなとこで油売ってる暇ないんだよっ」
「行きますよ!攻撃のビート!」
「主よ憐れな生命に永久の安らぎを与え賜え」
「ヘヴィショットォォ!!!」
「インパクトブレーーード!」
「よし!倒したぞ!!」
「偽りの言祝ぎを唱えし罪深き堕落の・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
「おい!なんか来るぞ!」
「グォオオオオオオ」
「ゴブリンエンペラー!!!!」
「罪と罰を己が力に換えて我に示せ!!メテオインパクト」
ドオオオオオオオオオオォォォォォン
ふう。これで伯爵と公爵が片付いたな。
「さあ、エンペラーを倒しに行こう」
この後俺は、パーティーメンバーから高速詠唱の練習を死ぬほどさせられた。