開会、魔法競技大会
ついに魔法競技大会が始まった。
計10種目を7日間かけて行われる。
俺の出場する種目は最終日に行われる。
俺は大会準備期間中の訓練で発見したことがある。
まず、魔力を持たない俺でも魔法を何度も使うことで必要な魔力量も減り時速時間が伸びることが分かった。最終的に俺は1分ほどで魔法を発動し2分程度持続させられるようになった。
また、魔法発動中は魔力の補給が行われないということだ。
2分程発動し続けられるようになっても、次に発動するまでにかかる時間は変化しなかったからだ。
そして、魔法の効果も発動を重ねるごとに増大することが分かった。
始めは2倍ほどしか身体能力が上昇しなかったのに対し今では2.5倍ほどまで上昇するようになった。
ここまでやっておきながら、俺は別に大会で結果を残したいわけではない。
Dクラスの代表者が結託してくれれば問題ないのだ。
ただ、もしもの場合を考えていくつか対策をしてきたというだけだ。
なので本番までに俺はDクラスのワーネムに話を持ち掛けることにした。
「これより魔法競技大会を開会を宣言する」
国王の開会宣言とともについに魔法競技大会が始まった。
競技者以外の生徒は王都にあるコロシアムで現在行われる競技の観戦をすることになっている。
一日目は魔法射撃精度を競う競技と魔法発動の忍耐力と精神力を競い合う競技だ。
「只今より、魔法射撃の精度を競うスナイピングスタートします」
「この競技には4種目用意されていて、それらの合計得点で順位を決定します」
「まず1種目目では競技者は指定された100、500、1000、1500、2000m先にある的を魔法によって破壊していただき、すべて破壊しきるまでの時間を競い合ってもらいます」
「使用する魔法はファイアーボールのみとなってます」
「二種目目は・・・・・・・」
「それではこれより1種目目を始めたいと思います」
そう言うとコロシアムの中心に競技者たちが映し出された
スタートの合図とともに続々とファイアーボールを放っていく
その中でも特に目立っているのはやはりAクラスの人だ。
他者を寄せ付けない圧倒的な制度と速さで開始から1分で的をすべて撃ち抜いてしまった。
結局そいつが残りの3種目も圧倒し、最終順位はA>B>C>D>Eの順番となった。
この結果は誰もが予想した通りではあったが、あまりの圧勝ぶりに試合を控えているAクラス以外の代表者が怖気づいたことは言うまでもなかった。
それからというものすべての競技でA>B>C>D>Eの順だった。
そして、あっという間に最終日を迎えてしまった。
結局俺はDクラスのワーネムに話をできずに本番を迎えてしまった。
本来ならワーネムと結託し負ける代わりに弱い魔法で倒されるという作戦を実行するつもりだった。
ただ、その作戦が実行できないとなるとAクラスの人の魔法を食らうことになるかもしれないと覚悟を決めた。
今日は最終日で祝日だからか、今までで一、多くの観客が集まっていた。
最終競技の参加者たちは個別に競技フィールドに連れてこられ、全員がどこにいるかわからないように配置された。
「ただいまよりー最終競技のバトルロワイヤルを始めたいと思いまーす!」
実況の声がフィールドに響いた
「この競技は専用のフィールド内で戦い合うという、なんともわかりやすいルールとなっております」
「ただ、あくまでも競技なので危険な魔法の使用は禁止となっております」
「フィールドには多くの審判がいるので見つけ次第連衡となりますのでくれぐれもそんなことがないように」
「それでは~3・2・1」
「スタート」
こうして最終競技のバトルロワイヤルが始まった。