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17遂に来た

スケッチと並行してデザイン構想を考える。ミカエラはホッコリとしてノートを閉じる。


「ミカエラ、楽しかった?」

「!!!…//////」


無我夢中でやってしまった。レオンハルトは傍にいてニッコリとお貴族様笑顔を向けていた。


「すみません!!私ひとりではしゃいで/////」

「息抜きできた?」


よしよしと頭を撫でられた。貴族というのは顔面が本当に整っている。


「でき…た。工房に帰って新作作りたいです…」

「じゃあ取り敢えず別邸に行こうか。ごめんね、長期間拘束して。」


「え、あ…大丈夫です。多分…その代わりこういう場所とか得られない経験をさせて頂いてますので…」


帰ろうかと、差し伸べられた手を取る。男性の大きな手で、剣を握っている手だ。レオンハルトについて行く。


「おや、ミカエラ嬢。久しぶりですね。」

「エドワード様!お久しぶりです。」


エドワード・ガリアーノ伯爵。ガリアーノ家は伯爵だと名鑑で覚えた。


「頂いた試作品は本当に助かりました。ありがとうございます。」


丁寧な年上紳士。

「少しでもお役に立てて良かったです。レオンハルト様お仕事では???」

「レオンハルトは本日侯爵家の都合で休みと聞いているので問題ありませんよ。」


簡単な挨拶だけをして城を後にした。馬車の中でホッと息を吐き出す。

レオンハルトはニッコリとしている。


「どうだった?王城。」

「温室、庭がとても素敵でしたが移動のすり減らし具合が…慣れなさそうです。そう言えば侯爵夫人とユーリ様の奥様はどうでしたか?」


「…取り敢えず露骨に上機嫌だったよ。お茶会とかでも自慢してると思う。夫婦でお揃いなんて珍しいから。」


「???庶民は結婚したら互いの生まれた季節の色の宝石や瞳、髪の色、魔力の属性とか自分に纏わる色の石を相手に送るんです。腕輪とか指輪で。」

「貴族は自分の名前を刻んで魔力で染めた魔石を送るんだ。」

「なるほど…ギルドで登録しておいて良かったです…」


「ミカエラの技術広まると良いね」

「…騎士団、文官にも需要があることを願います。私は根っからの庶民なので定期的にお金が入ればいいかなと思いながら工房で仕事する方が向いてます。」





マナー講座を受けながら作業をしていたら本邸の執事が手紙を持ってきた。恐る恐る開くと召喚日が書いてあった。


ヒェッ 吊し上げ日通達だった。腹を括るしかない。衣装も全て侯爵家の準備だ。当日つける装身具くらい作るかな。名刺代わりになるはず。髪はそこまで長くないし作業も見せるだろうし…挟み込むタイプのイヤリングよりピアスにするべきか…


新作考えよう。リボン、レースを重ねた髪飾りにワンポイントで宝石をあしらってみたり宝石だけが唯一とかではなくトータルで可愛いを作る。幸いにもお金はあるし当たらなくても一生遊んでは難しくても食べていけるほどのお金は得た。



当日ドレスを着せられて化粧や髪結全て整えられる。城に一緒に行くのはユーリ様のようだ。


「レオンハルトじゃなくてガッカリした?」

「いえ…呼び出した方と一緒なのですね。」

「諸事情で我が家に滞在中って伝えているからね。」

「…話ってあらかた終わってるんですよね?」

「説明はしたけれど実際見て見ないと分からないものだから。ミカエラ嬢だってアソコのパン屋は凄く美味しいと言われても食べて見ないと分からないだろう?」


比喩としてそれはどうなのですか?ミカエラはそう思いながら護衛も兼ねているイザークに目を向けるが我関せずと外を眺めていた。護衛だから外を気にするのも仕事なんだろうけれど。


「そ、そうですね。」

「それに契約するのはミカエラ嬢で、私は取り敢えず慣れてないと難しいので現物を見て判断をとしか言えないし。」

「…何時になったら帰れるのでしょう…」

「終わってからかな。これが終わったら取り敢えず帰れるから邸で美味しいもの食べて明日?早くて。」

「じゃあそれでお願いします。」


家に帰って取り敢えずぐぅたらしたい。




王城の会議室や応接室かと思ったのだが、なんか天井の高い部屋?間???


「ごめん、陛下他お偉い方々まで興味持ったからここだって…」

「ヒェッ…」


ガシッと入る前にユーリの腕を離す。


「無理です!!!帰ります!!!」

「出来るわけないだろう…王命になるよ?」

「こんな大人数だって聞いてないです!!」

「あ、うん。言ったらこうなりそうだから黙ってた…」


行くよ。と、背中に手を回されたがミカエラは最後の抵抗で踏ん張って拒否をする。


「ミカエラ嬢…」

「無理です!!!顧客相手の商談とか小さな会議室に説明とかならともかくこんなの聞いてないです!!!」

「分かったよ…私が隣で大まかに説明したりするから質疑応答だけ答えるでどうかな。折角の化粧が崩れるから泣くのは堪えて!」


目に涙を浮かべて無理だと言うミカエラに対してユーリは色々とまずいと思っていたが、涙を浮かべた瞬間にイザークがハンカチをすぐさま取り出して目元に充てる。外聞どころか醜聞になる。


「後でエリザベス様とミリーナ様に泣きつきます…こんなのあんまりです…」

「…あとでたんまりと報酬支払うから…」

「お金の問題ではないんです…」


「取り敢えず、家に帰るにはこれを終わらせないといけないので…喋るのはユーリ様に任せてミカエラ嬢は実技だけに徹したらいいかと。それくらいのことはして下さいますよ。」


家に帰るために頑張る…


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