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コトノハダンス  作者: 九藤 朋・考葦亜房
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春の檻

隠さない方がかえって見えなくなるのではと居所を定めぬいろごと。飄然の秘め事。

飄々としたる秘め事に恐れはあるか。

少なくとも夜の塊のような動かぬものよりは。

夜は生き物だ。無機物のふりをして人の孤独を編み上げる。

夜が開けるまで大小様々の孤独が雪のように身勝手に降り積もる。人肌の温かさがないと溶けない雪だ。

春は越す前が寒いわ。寂しさで凍りつかないようにしてくださいね。私がそっぽ向く前になんていう意地悪な返しをしたけれど。

今が一番寒いと思えば耐えることもできる。気づけばほら、蕾も膨らんで。

蕾は膨らむけれど、私の心の余裕は膨らまないわ。不安や寂しさは気球のように針が通れば破裂しそうなぐらいに膨らんでるのに。後なんて知らないわ。今なのよ。

今を限りと思えば丸い地球は狭くなる。約束された楽園なんてないけれど、それでも未来に向かうしかない。

狭くない世界で、貴方は私を捕まえていてくれますか?私は離岸流で離れ離れになりそうで……。

捕まえて、囚われにしてみせよう。

君を幸いの檻に。春へ向かう檻に。




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