表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/35

OP

 忘れらない人っているだろうか。

 僕にはいます。

 この世界の時の流れから永遠に解放された最愛の女性が。

 その人は今日も写真の中で僕に微笑みかけてくれている。

 通っていた高校の藍色のブレザーと青と白の縞々のリボンは彼女にとてもよく似合っていた。

 

「……じゃあまたね」


 目を開けて彼女にそう声をかけたけど、当然彼女から返事はない。

 ……髪を引かれるような気持ちではあるものの、また来れると自分に言い聞かせて立ち上がる。

 紫色の座布団を片付けて台所にいるおばさんに声をかけた。


「また来ますね、おばさん」


「毎日ありがとうね、春人君」


 おばさんはやつれた顔に気丈な笑みを浮かべて答える。

 ……大切な人を喪ったのは僕ばかりだけじゃないんだと実感させられる。

 寂寥感とともに奇妙な仲間意識を覚えながら、僕は玄関のドアを閉めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ