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四月の出来事B面  作者: 池田 和美
4/4

蛇足

使用上の注意


 蛇足の使用に当たっては一度本編を読み終えてからの方が適切と考えられるので、まず本編をお読みください。

 なお蛇足の「行」は本編の当該行の目安で(作者の数え間違いや書式変更などで)多少前後していても広い心で利用していただければ幸いです。

 そしてお知らせしますが、この作品に登場する人物、団体事件などは、実在の物とは関係がありません。また、たまに物理法則を無視する時もありますが、面白さ優先の法則で、これまた広い心で許していただければ幸いです。


 タイトル:『四月の出来事B面』

  内容そのまんま。でも、下手に捻って時系列が判らなくなるよりはいいじゃないかと、開き直る今日この頃。

 登場人物紹介:

  今回は『四月の出来事』の裏で、こんなことが起きていたんだよ、という話しなので、キャラクターが変わっています。いちおう『A面』の登場人物も出ているので、名前が並んでいます。


 ★1

 開幕、突然交通事故にあうパート

 2行:国道

  新甲州街道のこと。清隆学園が存在しているという設定の場所からは、多摩川の河岸段丘をのぼっていかないとならない。だが二一世紀に入ってまさかあんなところに南武線の駅が出来ようとは…。

  ここではいちおう電車では目的地にそぐわないとしておく。

 7行:御門明実

  彼にはモデルにした人物がいますが、実物の方が架空のキャラクターよりも面白いという希有な存在。もちろん『A面』の登場人物と同一の存在。モデルにした人物の起こした母校での数々の悪行が、今では和美のせいになっているのでショック。いまではマッドサイエンティストならぬマッドエンジニアとして世界を股にかけて活躍している(はず)。

 12行:海城彰

  彼には特にモデルはいないつもり。でもツッコミ体質は「Angel Beats!」主人公の音無弓弦、または「這いよれ! ニャル子さん」の八坂真尋に似たかも。

 54行:数々の論文を物にし、そして幾つかの工業的パテントの取得…。

  御門明実は、ダヴィンチなど大昔の天才がそうであったように、一つのジャンルに縛られることがなく才能を開花させているという設定。よって工業的パテントから生物学、はては天文学まですべての科学的科目において天才とする。

 56行:『明日のノーベル賞受賞者のその候補』

  ノーベル賞までまだ遠いがいずれ受賞するだろう、てきな。和美みたいに可能性が全くない人間の方が多い世の中で、これに含められるだけでも凄いのではないだろうか?

 74行:「研究所に行くのか?」

  研究所の位置は、かつて全国展開していたファミリーレストランチェーンの「スカイラーク」一号店があったあたりとする。

 99行:バス停に近い横断歩道。

  あそこの交差点には、横断歩道だけでなく歩道橋もあるじゃないかというツッコミはスルー。

 132行:マッドサイエンティストと、マッドなサイエンティスト。

  この二つはちょっと違う。明実のモデルになった人物は、確実にマッドサイエンティストであった。

 136行:『死への挑戦』

  真面目な科学番組で、人類がどの程度『不老不死』に近づいたのかをやっていた。その最後に、神学者が出てきて「神の御許に身に寄せることができるから、我々は幸せなのです」とオチをつけていた。


 海城彰が海城アキラとして目覚めるパート

 8行:信号でトラックに撥ねられる…。

  和美の作品でのキャラクター死亡原因の中で、トラックに撥ねられてというのが多い気がする。頭が悪いから一般人が町で突然死を迎えるというシチュエーションにバリエーションが無いだけです。

 14行:「その反動でビルの壁に…」

  事故詳細が某マンガの入院原因と同じなのは、もちろんパク…、リスペクトっすよ(汗)

 38行:「な、なんじゃこりゃあ」

  有名なジーパン刑事のセリフですな。なので次の明美のセリフにつながる。

 60行:「記録を残した」

  どのように自撮りをしたか判らないというのもギャグのつもりなんですが。いや、もしかしたら助手の高橋さん(後述)が、白衣と一緒に回収器と撮影機材を持ってきたのかもしれない。

 72行:「まず、これが事故直後のオマエだ」

  もっと彰の体が損壊された描写を詳しくしても、喜ぶのは和美本人と、高千穂遥先生ぐらいなものなので、この程度で(笑)

  でも和美はTVの医療番組を見ることができないという不思議な生態も持つ。読むのと見るのじゃ違うのよ。想像力が足りないなんて言わないで。

 138行:青空の下で、怪しげな黒い三角頭巾を被った一団が…。

  魔法陣の怪しげな儀式は、アメリカの人種差別団体の行う私刑のような感じを狙ってみました。三角頭巾が気に入ったのは「HELLSING」のおかげ。

 146行:液体が詰まったシリンダーから怪しげな儀式で生み出される怪物。

  日曜日の朝に使われるようなネタで攻めてみました。

 162行:「チン」

  この時だけ映像が切り替わる音が違う。理由は不明。きっと明実の趣味。

 175行:クラシック曲『トッカータとフーガ ニ短調』

  クラシック音楽に関するネタは「題名のない音楽会」から。

 244行:『スタンド』

  もちろん「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる超常的存在。「ゴゴゴゴ」とか「ドドドド」とかの効果音よりも、「うりぃぃぃ」とか「無駄無駄無駄無駄無駄ぁ」などの特徴的なセリフの方が印象的。

 269行:「おまえ、そんなに背が高かったか?」

  明実の身長は高めと設定されています。モデルになった人物は、高校入学直後は平均身長より低く、卒業時には、ずば抜けて高くなっていたという、雨後のタケノコのような成長を見せました。

 287行:「色々と足りない物があっても…」

  何が足りなかったのだろう?

 297行:アントワーヌ=ラボアジエ

  質量保存の法則を発見した科学者。

 332行:「星の位置が変わっちまったから、次の蝕を待たないといけない」

  再々構築に必要な蝕などの詳細は不明。もしかしたら明実のデマカセかもしれない。

 359行:「女だからスーパーガール…、いやスーパーウーマンかな」

  DCコミック社と版権を争いたくない人は「スーパーウーマン」と呼びましょう。「ガール」だと有名な異星人の従姉妹になる。「アベンジャーズ」に対抗して「ジャスティスリーグ」も映画になるとか。

 363行:ミュータンロボット

  新人類帝国が使う世界征服の手先。特撮「イナズマン」の敵ですな。月に行くのは原作の方。

 374行:本郷猛。

  仮面ライダー本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である。仮面ライダーは人類の自由のためにショッカーと戦うのだ。

 395行:海城香苗。

  彼女のモデルは、魔法が使えるようになった夏木マリ…、ではなく某マンガのヒロインである。

 458行:先程のリピートのごとく。

  リアクションが親子まったく同じ(笑)親が「憎い」と感じるほど子供って親に似るのよね(実感)


 海城彰が海城アキラとして生活することを納得いかないまでも説得されるパート

 21行:経産婦、相当肝が据わっているようだ。

  男よりも女のほうが凄惨な死体など平気な気がする。やはり血を見慣れているから? 同じ理由で内科を志望する男子医学生が多いのだそうな。

 109行:「住基ネットって便利だよな」

  ある噂によると、住基ネットはガバガバで、だいぶ戸籍を(違法に)書き換えられた事に気がついていない日本人が多いのだとか。キミは大丈夫か?

 126行:海城剛

  彰の父親は昔、国連の組織である「イーグル」とかいう部隊で「黒十字軍」とかいう非合法組織と戦った、赤い服を着た人と同じ名前。

 139行:「ボタンを貰いに来る」

  ねえ、いまだにボタンを貰いに来るっていう習慣は残ってるの? ちなみに和美は…

 160行:国民的アニメ。

  「名探偵コナン」のこと。最初はささやかな探し物などの話しも多かったが、最近じゃネタが無くなったのか、毎週のように死体が転がる。教育的にいかがなものかな。特に映画は殺人事件があってもなくても成立するような話しもある。

 174行:「式典で『正装』を着用することが義務づけられている」

  清隆学園では正装と制服と規定が別々にある設定です。入学式などの式典は正装。他の学校行事は制服。他に規定されている服は、体育の授業で使用する体操服と水着、女子は創作ダンス用のレオタード。また冬季に重ね着するカーディガンなども、学校側が「おすすめ」する標準服がある。

 184行:「今日からオマエは海城彰ではなく、海城アキラとして生きていくしかないのだ」

  主人公の名前を「あきら」にしたのは、人面石にフェードインしてシャーキンと戦うためではなく、男女どちらでも使える名前を探した結果。


 入院生活からお出かけの準備をするパート

 8行:明実の助手である高橋さん初登場。

  無愛想なクールビューティに見えるが、じつは普通のオバサンのつもり。端役なんで、これからキャラクターが立ってくるのではないでしょうか。

 93行:女性用胸部下着。

  漢字で書くと厳ついですなあ。ちなみに男性用胸部下着という者も実在する。

 169行:バージスライン。

  バージスラインとは乳房を支えるブラジャー下部の胴に触れる部分。最近のオタクアニメではビジュアルにこだわって、カップから下にもはみ出ていたりしますが、あれじゃあ着けている意味がない。まあ本物の女性でも、知識が無くてちゃんと納めていない人がいるから仕方がないか。あんな着け方だと左右で形が変わったり、肩が凝ったり大変なことになる。

 293行:「射入口だ」

  大型トラックのホイールをこのように破壊するには、じつを言うとライフルでは不可能。おそらくHV弾などの高速弾を対戦車ライフルのような物で発射しなければならない。まあ、ここは演出上の嘘ということにしておいてください。


 清隆学園高等部へ親子して向かうパート

 83行:ふと…、黒い影があった。一人の女の子が…。

  黒い少女のモデルは複数存在するが、一つに絞って上げよと言われれば、大怪盗を祖父に持つ有名なオジサマとコンビを組む、日本で二番目に有名な早撃ちガンマンでしょう。ちなみに一番目は未来から来たネコ型ロボットの同居者。


 新入生親子オリエンテーションのパート

 25行:「合体機能もつけておいた」

  三体合体ならばゲッターロボ。五体合体ならばコンバトラーV。ではこの微妙な四体合体は? 答えはアオシマ模型がかつて発売していたアトランジャーなどのオリジナルデザインの合体メカシリーズである。スポーツカーにロボットの生首がそのままのっている等、今では考えられないようなシュールデザインのメカが多かった。たまに再販されるが目の玉が飛び出すような値段がついていてビックリする。

 105行:振り返るとそこに和風の美少女が立っていた。

  『A面』三女神の一人岡花子降臨。でも、出番これだけ。

 199行:「さっきまで話していた岡さん」

  アキラは「さっきまで話していた」といった。中身が男の子だから当たり前だ。本物の女の子ならば「さっき仲良くなった」と表現するだろう。

 204行:「こう見えて、もうS…」

  子音がSってことは、30代か?。しかも子供が今度高校生ということは、おそらく後半と考えられる。

 217行:「中等部からの友人にも…」

  花子の中等部からの友人というのは、もちろん藤原由美子のことだ。


 さあ、お待ちかねのアクションシーンですよ。のパート

 24行:「トイレに食べ物を持ち込んではいけません」

  トイレ飯。潔癖性ぎみの和美には理解不能の領域である。和美の経験として、女子トイレに貼ってあるのは見たことあるが、男子トイレで見たことがない。

 69行:黒い瞳の中に青い炎が揺らめいて見えた…。

  被創造物の共通点として、脳みそが詰まっていない和美の頭で考えた結果である。アキラも自分が鏡に映った姿を見ている時に、自分の瞳の中に見ている。

 131行:なぜかセーラー服に着替えた香苗。

  香苗のセーラー服姿は、まあ読者サービスのようなもの。もしイラストがつくことがあるのなら、是非ともカラーでお願いしたいシーンではある。

 203行:有名な丸い棒付きキャンディ。

  チュッパチャップスのこと。何味かは不明。きっとドクターペッパー味(笑)リボルバーを振り回して、柄を口からはみ出させていたら、モデルにしたキャラクターに近くありません? さすがにシケモクを女の子に咥えさせるわけにはいかなかったもんで。


 捕まえた襲撃者を説得するパート

 7行:彼の頭を踏んづけた。

  相手がいくら座っているからって、ワンピース姿で足を頭の高さまで振り上げたら、上から下まで色んな物が丸見えじゃないでしょうか?

 41行:黒い少女が所持していた銀色の銃。

  オーストリア共和国ザルツカンマーグート社製「アレクザンダ・メテリッヒ」もとは西部劇で有名な「ピースメーカー」のコピー品。よって一発ごとにハンマーをコッキングすることが必要。バレルガードをつけて、遠射に対応している。銀色に見えるのはステンレススチール製の方を選択したため。ブルースチール製より強度で不安が残るが、手入れのしやすさと耐候性が格段に優れる。ここでは詳しく表現していないが暴発防止に六連発のところ五発しか装填していない。

 62行:「やはり光子力ミサイルのほうがよかったか?」

  アフロダイAはマジンガーZのサポートロボット。光子力ミサイルというより通称である「おっぱいミサイル」の方が判りやすい。もしアキラに装備されたら、発射シークエンスなのかエロシーンなのかが判らなくなる(笑)

 90行:『イノセンス』の使用カートリッジ。

  四四マグナムは映画「ダーティハリー」で有名になり、いまさら説明の必要が無いほど。四五ウルトラ(こちらに「マグナム」の呼称を使うのは、本当は正しくない)は、ウェンチェスター社が四四マグナムに対抗して発表した銃弾。この銃弾を使用する銃は、他にもルガー社「ブラックホーク」に使用するヴァリエーションがある。だが銃弾自体はファクトリーラインで生産されず、ユーザーが一発ずつライフル弾の薬莢をネック部分を切断して作らなければいけなかったため、あっという間に廃れた。しかし「HELLSING」で有名になった四五四カスール弾よりも強力な銃弾には違いない。実用性のない趣味人たち向けの拳銃弾大口径化は、現在、限界と思われる五〇口径まで到達した。その取扱説明書には「射撃にはあなたの健康を害することがあります」と、まるでタバコの箱書きのような文言がある。嘘のような本当の話。

 92行:ホットロード。

  ホットロードとは普通よりも余計に火薬を詰め込んだカートリッジのことを言う。もちろんその方が威力も(そして反動も)大きくなる。黒い少女の持っていたこの銃の場合は、ただでさえ「ピースメーカー」に使う四五コルトに比べて火薬が三倍も入る四五ウルトラの長い薬莢に、さらにこれでもかと詰め込んでいるので、とても危険。

 同じ行:フルメタルジャケットとは銃弾本体を真鍮などの金属で覆った物を言う。対して鉛無垢の物はキャストブレットと称する。もちろん無垢の物よりお値段が高くなるが、弾速などに恩恵がある。彼女の場合は弾速よりも、火薬をこれでもかと詰め込んだカートリッジなので、レッディング防止であろう。キャストブレットだと、あまりの火薬の量に高熱が発生し、弾頭の鉛が溶けてその一部が銃の可動部に張り付いてしまい、銃が作動不良を起こす危険があるのだ。だがキャストブレットが廃れない理由は、安価であることはもちろん、それに加えて、型さえ買ってくれば自分で作ることすら可能だということだろう。専門の機械で絞り工程がある他の弾では無理な話。

  以上、三項目。銃器の話しとなると頭の中のガンマニアが暴走して、どうしてもウンチクが長くなる。

 140行:寿命。

  人間の本来持っている物と、クリーチャーがその姿を維持できる期間の両方を指していると思われる。

 212行:「『生命の水』が欲しかっただけさ」

  この言葉から黒い少女は施術の最終段階を手伝うことはできても、自分から『生命の水』を生産できないことが判る。

 238行:「もう自分の『再構築』を何回か繰り返したのか?」

  自分に『施術』を繰り返していれば、外見などいくらでも変えられるようだ。事実アキラは「女の子のようなもの」の姿になってしまっている。

 264行:「あたしの体は五人分の死体を集めて『構築』されたんだ」

  五人分まとめて一人というシチュエーションはどういう状態だったのだろう? 爆発事故で五人以上の肢体がバラバラに混ざった状態で手に入ったとか? 自分で思いついておいて、その先まで考えていないのは、和美が頭が悪い証拠です。


 海城アキラが初登校したパート

 39行:(同じクラスかよ)

  三人が同じクラスなのは、言うまでもないと思うが、明実が手を回したからである。

 69行:女子生徒が立ち上がりながら発言した。

  ここに来て、やっと『A面』の主人公である由美子の登場。後述の通り、ちゃんと『学園のマドンナ』である佐々木恵美子と同じ班である。

 122行:新命ヒカル。

  黒い少女の新しい名前。海城ときたら新命でしょう。これでカシオペアの二人が揃った。

 209行:どこかしら鼻に引っかかる声。

  以前に書いたが、重ねて主張する。声のイメージは以下のとおり。

   ●藤原由美子は「機動戦士ガンダム」のミライ・ヤシマ(白石冬美さん)

   ●佐々木恵美子は同じく「機動戦士ガンダム」のマチルダ・アジャン(戸田恵子さま)

  ちなみに、今回の主要キャラクターのイメージは

   ●海城彰は「這いよれ!ニャル子さん」の八坂真尋(喜多村英梨さん)

   ●同一人物だけど海城アキラは「Angel Beats!」のユイ(やはり喜多村英梨さん)

   ●御門明実は「ここはグリーン・ウッド」の蓮川一弘(井上和彦さん)

   ●黒い少女こと新命ヒカルは「Angel Beats!」の、ゆりっぺこと仲村ゆり(櫻井浩美さん)ただしキャラコメではっちゃけてる方で。

   ●海城香苗は某マンガの八神野美(もちろん夏木マリではなく本多知恵子)である。

  アニメ「Angel Beats!」のキャラクターが多いのは、きっと気のせい。

 238行:ニーベルンゲンの指輪からマイスタージンガー。

  和美的には「大戦略」のBGMだったりする。

 251行:彼女は相変わらず外を向いていた。

  ここまでヒカルは外を向いているが、もちろん無愛想なだけでなく、ロングレンジからの狙撃を警戒しているためだ。


 三人で化学実験室にて今後の事を話すパート

 29行:「アタシの七〇パーセントは…」

  ヒカルの体を構築している五人とは、どういった人物たちなのだろうか? 端々にフランス語が混ざることから、混血の三〇パーセントにフランス人が入っているのかも。二〇パーセントは高校に通っていないというのは、学力のせいというより、年齢が達していなかったのかも。よって推理すると以下のとおり。

   オンスロート・攻撃参謀

   ブレストオフ・宇宙兵

   ボルター・偵察兵

   ブロウル・狙撃兵

   スィンドル・補給兵

  それじゃあ「トランスフォーマー」のコンバットロン、合体兵士ブルーティカスじゃん!

 71行:「もう一人の研究者が…」

  もう一人とは、明実が口にする『流体電気コンデンサーの量子コンピューターへの応用と、その場における量子もつれ理論』という言葉から、郷見弘志のことであろう。

 119行:ちなみに今日は淡い紫色だった。

  ちなみに統計によると日本人女性の勝負下着の色はピンク色らしい。東京都に限定すると赤色、大阪は意外と全国平均と同じピンク。柄物を選ぶのは四国の南側に多いらしい。

 129行:9ミリパラ。

  9ミリパラベラム弾のこと。拳銃弾の世界では、ドイツが開発したこの弾が世界標準となった。


 ヒカルが新しい銃を試射するパート

 20行:「あいつらは命中力がイマイチだぞ」

  ヒカルのセリフから『イノセンス』に至るまで色んな銃を試してきたことが判る。

 21行:「それなら大丈夫だ…」

  ショートリコイルやガスロックなどは自動拳銃の作動機構の種類。ショートリコイルは有名な自動拳銃が大抵採用している。一方ガスロックは一般的でなく、ある程度銃が特定できる。よってヒカルの次のセリフに繋がる。

 23行:スクイズコッキング。

  グリップを握ることで撃針が撃発位置に来るという変な機能。H&K社のP七はガスロックに加えて、このギミックを入れたせいで、各国のトライアルに合格しながらも二流扱いが長く続いた。

 39行:九人の戦鬼。

  「サイボーグ〇〇9」のことである。けっして「〇〇9ノ1」や「〇〇48」ではない。

 41行:新しい自動拳銃。

  セントクリストファー連邦ファイヤーバード社製「アサルト」ダブルアクションオンリーの実戦向き自動拳銃である。昨今の自動拳銃らしく合成樹脂など新素材を多用したデザインは、SF映画にそのまま出てきそうである。セフティやローディングインジケーター等の要所に赤い色が使われていて、一見プラモデルにも見える。セントクリストファー連邦はカリブ海に浮かぶ島。アメリカの会社が人件費削減で工場を進出させており、拳銃メーカーもそれに倣った。ファイヤーバード社はそんな事情で現地で育ったガンスミスたちを集めて作った新興の銃器メーカーである。

 47行:一〇ミリAUTO。

  性能は抜群だが、人気がなくて普及していない銃弾である。そしてなぜか和美のお気に入り。

 69行:「ガスベントが詰まるから…」

  ガスロック式は機構を作動させるガスを銃身から得る。その出入り口が鉛の露出した弾だと、鉛の一部が張り付いて目詰まりをしてしまうということ。

 72行:三八。

  三八スペシャルの事。自動拳銃が九ミリパラならばリボルバーはこの弾を使う銃が圧倒的に多い。

 91行:「…ツヅミ弾みたいなもんか」

  ツヅミ弾って、あんた何歳よ…。色んな口径が開発されたせいで、弾の互換性が無くなり、ツヅミ弾自体が廃れてしまった。そしてBB弾に至るのだが、BB弾にも違う口径が生まれてきたので、同じ道を歩まないか心配である。

 117行:ISIスタイル。

  まずISIとはInternational Shootists Inc.の略称である。ロサンゼルスにある射撃学校。実戦よりも競技射撃が主であるが、コンバットシューティングを基本としているので、決して競技用射撃術ではない。ISIスタイルは両手の親指が銃の左側で銃と平行になる安定的なスタイルである。

 118行:背後を確認する。

  射撃の直前に背後を確認したのは実戦におけるヒカルの習慣。

 131行:ストライカー方式。

  銃の機構に関する事。説明し始めると、このオマケが銃の取扱説明書になってしまうので、割愛する。って、もう遅い気がする…

 169行:全然違う迫力のある音だった。

  安物の刑事ドラマのせいで誤解がありますが、実銃の発砲音ってマヌケな音です。

 211行:デイビスシューメーカー

  アメリカにあるホルスターメーカー。~レイクとかは、ホルスターと体との角度のこと。銃口が真下に向くのがナチュラルレイク。前に向くのがフォワードレイク。後ろに向くのがバックレイク。

 268行:アキラ用に用意した銃。

  アメリカ合衆国ダイノソア社製「アメージング・デリンジャー」単発の護身銃だが使用銃弾に威力があるものばかり。ただし一〇ミリAUTOを使用するヴァリエーションがあるかどうかは判らない(おそらく無い)オリジナルとは二連発の有名な「レミントンダブルデリンジャー」のこと。そちらはリムファイヤー弾というちょっと特殊な弾を使う。

 287行:「そこは特許の関係らしい」

  せこい特許逃れの風潮は拳銃の世界にもあり、リボルバーでもスイングアウトする方式が各社でちょっとずつ違うのはこのため。前項のダブルデリンジャーも、英語表記だとRが一個多かったりする。

 291行:「安全装置はついていないが…」

  トリガーを絞った時だけトランスファーバーが上昇し、ハンマーの打撃を銃弾に伝えるようなシステム。これによりハンマーをコッキングした状態で強い衝撃がかかってハンマーが前進してしまっても、間に入るはずのトランスファーバーが存在しないので、銃弾は叩かれず暴発しない。


★2

前回までのあらすじ:三行と言って四行なのは宇宙の常識。


 海城アキラが帰宅するパート

 53行:バスターミナル

  KO線F中駅をイメージ。

 115行:警察などに警護の依頼はしていない様子である。

  警察に保護を求めないのは『施術』関係の技術を公にできないため。言うまでもないことだが不老不死が発明されたら、世界は大パニックであろう。しかもこの段階での成功率は五〇パーセント以下という設定である。それで人体実験を行ったとなると、色々と面倒な問題が起きる可能性が大きい。最悪、殺人罪で起訴される可能性すらある。


 海城アキラ。一月ぶりに入浴するパート

 1行:

  こういう系統の物語ではお約束と言っていいバスタイムシーンですよ~。もし誰かがイラストを書いてくれるなら、カラー確定だね。

 81行:「やさしく指でね」

  指でなんだろう? 詳しくはスルーの方向で。

  (キャラクターが意気地無しではなく、じつは執筆者の方が意気地無しという事実)

 120行~:ヒカルのヌード。

  女性の裸体を表現するのに、こんなにエネルギーを消耗するとは思わなかった。やっぱり執筆者の方が意気地無し。こうしてみると世の中のエロ小説を生業としている作家さんって凄いなあと感心する。だって裸だけじゃなくて、その先から最後まで表現するんだからさ。和美にはとってもじゃないけど無理。

 239行:「おまえの裸を想像して、アキザネは…」

  明実はアキラを想像して何をするんでしょうか?

  (やっぱり執筆者は…以下同文)


 海城家が、女の子がよく倒れる家であることがわかるパート

 29行:いまの自分にはだいぶオーバーサイズになってしまった愛用のパジャマであった。

  女の子が大きめの男物のパジャマ着ているなんて! けしからん! とても、けしからんぞ! 執筆者の萌えツボなんで、誰かイラストにして下さい。

 42行:「カナエさんは色っぽかったな」

  すでに述べたとおり、御門明実は海城香苗にぞっこんLOVEでございます。(確認)

 77行:ヒカルのオリジナルスタミナジュース。

  ゴーヤ&ミョウガだけでも凄い味のような気がする。まあ成分だけで言うなら体によさそうではあるが。

 92行:中身はずっと年上なのだ。

  新命ヒカル(エシェック)の年齢は、いちおう秘密。ただし昭和世代なのは間違いない。

 97行:後ろ腰~黒い拳銃…。

  ヒカルの後ろ腰に吊している銃は明実が用意(密輸とも言う)した「ギルティ」である。もう一つの「イノセンス」は大きいため普段はこちらを優先的に持ち歩いているという設定。ちょっと見ただけならば服装と同じ色のポシェットに見えなくもない。

 249行:隕石がアリゾナの砂漠にクレーターを作ったような…。

  アメリカ合衆国アリゾナ州には大きな隕石が落ちてできた穴があるそうな。恐竜が絶滅した原因とされている隕石は、メキシコのユカタン半島に落ちたらしい。ちなみに地球上最大の隕石孔は南アフリカにあるフレデフォートドームクレーターの直径一九〇キロメートル。

 258行:彼女はあわてて救急箱を…。

  手当の仕方が適切ではないような気がするが、おそらく目の前でヒカルに倒れられて、香苗も少々動転しているからであろう。


 翌日に部活説明会が開かれるパート

 50行:高度経済成長期の山手線もかくや。

  全面緑色の電車(一〇一系)には冷房がついていなかったんだよね。(そのお下がりが開通直後の武蔵野線を走ったが、それでも冷房はついていなかった)

  その次の電車(一〇三系)も前期量産車には冷房なしだった。昭和40年代も後半になって冷房車がやっと配備された。

  それらに乗って出社していた当時のサラリーマンのことを考えると、凄い人たちだったんだなと。行くだけで体力が切れなかったんだろうか? しかも手書きとソロバンで書類決済していたんだから恐れ入る。まだパソコンどころか「答え一発」というCMで有名になる電卓すらなく、計算機といえば手回しの歯車式が一般的な時代ですから。

 67行:背の高くて髪の長い美人さんである。

  『A面』の準レギュラー、佐々木恵美子登場。『A面』と設定は変わっていないはずだ。もちろん『学園のマドンナ』に生徒会(裏)投票で選出されているが、そういった情報を持っている人物がいないので、『B面』にはその言葉は出てこない。

 108行:仁王立ちで怒鳴り声を上げて道を作っている女子。

  『A面』の主役、藤原由美子登場。彼女も『A面』と設定は変わっていないはず。まだ図書委員会副委員長に就任する前なので、常態的に拳を振り回すほどは、はっちゃけていない。また、この怒鳴り声はすでに『A面』に登場していたりする。


 ある意味『A面』の重要人物であるキャラクターと邂逅するパート

 81行:「「なんでそうなる!」」

  こういう視覚的表現って便利なので採用。これで二人以上が異口同音に叫んでいる表現とする。

 94行:棒付きの球形をしたキャンディを…。

  この時のヒカルのチュッパチャップスは、おそらくペプシブルーハワイ味。

 144行:「遠目にはオモチャに見えるだろうからよ」

  ギルティは昨今の自動拳銃らしく合成樹脂など新素材を多用しているため、本物の銃なのにオモチャっぽく見える。

 164行:「ホルスターを巻いたまま、というわけにゃ…」

  体操着にホルスターは変であろう。ただし物語の中で、翌年入学してきて彼らの後輩になる予定の『五分未来からやって来た時間旅行者』(自称)である近藤(こんどう)愛姫(あき)は、体操着だろうが水着だろうがホルスターを捲いている設定。愛姫は『幻影幽霊』に出てくるキャラクター。

 181行:アキラの奥の手。

  アキラが咄嗟に使ったロケットパンチの事である。

 237行:「エルガーの『愛の挨拶』」

  もちろんこの曲はあのキャラクターのテーマ曲である。

 263行:銀色の横笛を持った一人の人物が…。

  というわけで郷見弘志登場。この作品での彼は『A面』とは違う印象を持っているが、同一人物としておく。

 374行:「この姿の時はサトミって呼んで」

  郷見弘志がサトミと名乗ったところから、着ている物が女子用の制服だということが推察される。

 421行:「この惑星で三番目に知能が高いぞ」

  ハツカネズミ、イルカに次いで、人類が地球で三番目に知能が高くて、六×九=四二なのはイギリスの有名なSF「銀河ヒッチハイクガイド」が元ネタ。

 449行:新井尚美。

  じつは初出のキャラクターではない。同人誌の頃から『正義の三戦士(サンバカトリオ)』が所属する一年三組の同級生。彼女と弘志は同じ中学校。『A面』では猫を被っているので、まったくキャラクターが違う。

 487行:「私には関係ないもの」

  この前後で、弘志が金銭面や将来のことを話している。これらも『A面』と大きく違う。どちらが真実なのか方便なのか、それとも両方なのかも含めて謎。

 509行:いつの間にか単二乾電池のような物が…。

  実体は爆弾である。和美も花火をほぐして遊んだりした。

 521行:楽しそうに明美が笑い出した。

  自分の命を狙う者を側に置いている弘志を明実は笑うが、そこは天才同士の皮肉の効いた冗談と捉えたのか、はたまた違う理由によるものかは、和美が天才ではないので判らない。

 542行:「ブラックパウダーか?」

  ブラックパウダーはそのまま黒色火薬の事。よく学生が乾電池に仕込んで爆弾を作ったりする。テルミットとはアルミと酸化鉄の合成した火薬。とんでもない爆発力があるため安定剤のアンモニアが欠かせない。どのくらいの威力かというとNASAがスペースシャトルの固体ロケット燃料として使用したほど。ちなみに今のNASAが使っている固体ロケット燃料はそこから進化させたALICE燃料。これはアルミニューウムと純水の氷と粉末にして安定剤と混ぜたもの。通常、大気中でアルミニュームを用意しても瞬時に酸化してアルマイトになってしまうため、一般に作ることは非常に難しい。また発火点が高いのでマグネシウムリボン等で叩いてやらないと爆発燃焼が始まらない。そう、普通の学生が作れないはずの爆発物なのである。

 561行:いつの間にか二つに増えていた。

  弘志は多少手品の心得がある設定。乾電池程度なら充分隠す方法がある。同じ三戦士の不破空楽に至っては長い木刀を自在に出したりしまったりしている。

 602行:『タイスの瞑想曲』

  じつは難曲である。だからピアノ素人の弘志に弾けるとは考えられない。この場合、別の曲を弾いているのがそう聞こえたというのが正解であろう。もちろん弘志がピアノも上手という設定が好みという方はそのようでも可。

 618行:「とても不幸な出来事があった…、らしい」

  弘志は中学校で遭ったバス事故で同じクラスの全員を失い、そしてその遺体を食べて生き残ったと噂を立てられた過去がある。(『六月の出来事』参照のこと)明実が集めた情報の中にそういった種類の醜聞ももちろん含まれていたはずで、少々歯切れが悪いのも当たり前のことかもしれない。

 633行:御門明美は科学者である。

  あらゆる可能性を排除し、残った物がどんなに信じられない物であろうとも、それが真実。といったのは誰であったか? シャーロック・ホームズだったかな?

 644行:ピアノを練習している女子生徒の姿は無かった。

  音楽室から二人が消えた方法は七通りぐらい考えつくが、ここは素直に「何らかの理由で音楽準備室へ移動した」が正解であろう。

 655行:新しいキャンディを咥えながら…。

  ヒカルは謎の人物と荒事になってもいいように会見前までに教室で咥えたキャンディを捨てていたと思われる。よってここで新しい物を出している。

 670行:「あれも本名だ」

  郷見弘志は男装の時はヒロシ、女装の時はサトミと呼ばないと機嫌が悪くなるのは『A面』と同じ。両方とも本名であるため、ヒカルの偽名ではないかとの指摘は違うことになる。


 海城香苗が娘と会話するパート

 18行:「殺したいほど憎むのと離れたくないほど愛するのと。同じ『強い想い』じゃない」

  マザーテレサによると『愛』の正反対は『無視』らしい。香苗が主張していることも同じ事だと思われる。


 校庭に合宿ホームルームのために集合するパート

 30行:(あれだけの荷物が必要なのか?)

  なぜ女子って荷物が多くなるのだろう…。(最近では男子もそうだ)一度中身を見せてもらった時は、通学用の荷物の中からヘヤードライヤーが出てきてビックリした。なんでもお気に入りのコレでないとダメなんだそうな。海外だろうが野宿だろうがディパック一個の和美とは大きな違いである。

 51行:ネクタいを含めて首元をだいぶ緩くしていた。

  女の子のブレザー姿だけでも和美は興奮するのに、さらに首元を緩めているなんて、それだけでご飯は三杯いけそうです。

 53行:薄緑色のブラウスを身につけていた。

  ヒカルが薄緑色を選んだのは迷彩色に近いとか、お洒落とは別の理由による。

 70行:腐っても鯛。

  英語で「鷲は歳を取っても若い烏には負けない」っていう言い回しがあるらしいよ。

 104行:怪しげな方言を使う同級生。

  『A面』の準レギュラーの松田有紀のつもり。彼が一組なのは『清流学園の夏休み』の『幕間③』で設定されている。

 115行:「自発的対称性の破れ」

  簡単に説明すると洗濯物を干すときについ同じ向きに揃えてしまったりする。それと同じように量子があたかも意識があるように、関係がない量子同士で同じような運動をして見せたりすること言う。

 122行:「標準理論」

  いまは食い違いを見せる相対性理論と量子力学を統合できると予想されている理論。これが理解できれば人は神になれるとも言われている。

 123行:ラリホー。

  冒険初期には役に立つ魔法の呪文。

 219行:遅刻してきた三人組。

  詳しく説明しなくても我らが『正義の三戦士(サンバカトリオ)』と判る。

 257行:簡単な乗務員紹介だけで席に着いてしまった。

  バスガイドさんが仕事をしていないようだが、駐車場での誘導や車酔いした乗客の手当てなど、やることはいっぱいある。とくに一年一組の担任は男性教師なので、車酔いした女子生徒の介抱などは仕事に含まれると思われる。

 279行:「昔のバスなんか、運転する方も乗る方も体力勝負だったぜ」

  昔のバスはハンドルやクラッチに動力補助がついていなかったから、普通にギヤを入れるだけでも一苦労。バックして駐車するんだってタイヤが動いていないとハンドルが回らないから大変でした。いまはパワステ、オートマが当たり前なくらいで、ずっと運転手の苦労は軽減されている。

 330行:その運転手の長い亜麻色の髪が…。

  真っ赤なスポーツカーに乗っているのは三人の命を狙っているトレーネである。後述の仕掛けを前夜までに仕上げ、ちゃんと三人がバスに乗ったかどうかを確認したはずである。ここでバスを抜いて、仕掛けを作動させるポイントに移動中と考えられる。

 403行:「ホック外した方がよくないか?」

  胸を締め付けているとつらいだろうから、ホックは外すべきだろう。

 512行:「便所で事故って…」

  昔のくみ取り式では、夜中に使用しようとして中へ落ちて溺れて死んだ人もいたとか。水洗が当たり前になって、イイ世の中になった。それと公衆便所のシーンは『A面』にも収録済みである。

551行:「吐いたら炭酸はあまり飲まない方がいいぞ」

  明実の指摘に恵美子はスポーツ飲料を先に飲んだと主張しているが、胃粘膜保護を考えるならば牛乳にすべき。また、ここで水分を摂りすぎたことにより『A面』の方で彼女が逃げ遅れる原因となった。


★3

前回までのあらすじ:★2に同じ


 清隆学園高等部一年生が遭難するパート。

 63行:「タイヤを狙撃することなんざ、無理だ」

  ヒカルがバスのタイヤの狙撃が不可能と言っているが、長い直線で前後方向からならば長距離狙撃も可能かもしれない。ただ中央自動車道はカーブに加え、アップダウンやトンネルもあるので、おそらく無理であろう。

 126行:後ろから~近づいてきた。

  後ろから近づいてくる音は一年二組が乗った続行する大型バスが発するブレーキ音とクラクションである。

 187行:後ろから衝撃音が聞こえてきた。

  この音は一年三組が乗ったバスが、一年二組のバスのさらに後方へ落ちてきた岩へ衝突する音である。一年三組のバスが間を置かずに続行していたら、この岩の下敷きになった可能性もある。

 241行:岩の形からバスの右側には空間がまだあるようだ。

  相撲取りが通れるほどの空間がないと、まだ知り合っていないが『A面』の準レギュラーである十塚圭太郎が避難できなくなる。

 258行:一年三組のバスでは、運転席で誰かが懐中電灯で何かの作業をしていた。

  作業しているのは『正義の三戦士(サンバカトリオ)』である。

 325行:ヒカルが新しいキャンディを口にしながら…。

  前に口にしていた物は、バスが急ブレーキを踏んだ時に失われたものとする。

 357行:キョロキョロと辺りを見まわしながら走り出す由美子の背中を見送った。

  この先で由美子は『正義の三戦士(サンバカトリオ)』と合流することになる。それから先は『A面』の話しとなる。

 364行:生徒の中には救護活動に積極的に動く者もいるようだ。

  避難してくる中に親子オリエンテーションで知り合いになった岡花子が混じっているはずだが、前述のとおり土埃で汚れていて、見分けがつかなかったものとする。

 377行:携帯を畳みながら…。

  電波状態が厳しい山間部で、問題なく携帯を明実が使っているが、もしかしたら携帯に見せかけた通信機なのかもしれない。

 421行:「弾の半分はバスと一緒に地面の下か…」

  イノセンスで使用する四五ウルトラは、ライフル弾を使用者が一発ずつ改造して準備しなければならない。(外国のカスタムガンショップで扱っている場合もあるが、日本では銃刀法違反だ)よってヒカルは暇があれば工具を使って内職して作りためていたと思われる。またリボルバーならば薬莢が確実に回収でき、再利用可能だ。


 決戦パート。

 105行:これで草の塊が…。

  草の塊ではなくタンブルウィードという草で、ああやって地面を転がることによって移動する種類である。ここではアキラが西部劇にあまり詳しくないという設定のため、表現を変えた。

 118行:ホイールローダーのバケット。

  外見が思いつかない人にはパワージャベルの土を掬う部分がでっかくなったと言えば判るだろうか?

 150行:ホイールローダーの尻に火花が散った。

  まずヒカルがエンジンを止めようとした理由は、次のホイールローダーの攻撃で分かるとおり。また金網と分厚いガラスで保護された運転台を狙撃しても、運転手までそれらが邪魔をして銃弾が届かない可能性があったため。

 186行:二発撃ったが…。

  ここで運転台へ向けて発砲したのは、近距離のため金網を確実に外して撃ち込む自信があったため。また近くで撃てば初弾でガラスを破壊し、二発目で相手に当てることができると考えたため。

 203行:「あたしのポケットからキャンディ出して…」

  ヒカルはヤードに着くまでに先の一本を食べ終わってしまっていた。

 225行:両手の銃を全弾発射する。

  この時、イノセンスに残された弾は一発である。(ここまで尻に二発、バケットに二発で四発発砲。そしてイノセンスは六連発だが、暴発予防で一発抜いてある)

  一二連発のギルティで威嚇しつつ、迫ってくる車両の一カ所を撃ち抜くとは、ヒカルの腕前が素晴らしいのがわかる。

 255行:イングラムM一〇。

  もはや説明の必要がないほど有名なサブマシンガン。専用サイレンサーを、消音のためではなく、反動軽減のために装備することがメーカー推奨。ただし今回は片手で扱うために一切のオプションを外している。

 310行:「空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! ん? 買い物カゴを提げているぞ…」

  空を飛ぶヒーローで買い物籠を持っているのはスーパーマンではなく、プラズマXである。

 335行:ギルティのマガジンを交換して…。

  この時にイノセンスに弾を補給しなかったのは、アキラがヒカルのために囮になって先に行ってしまいそうで、急いだため。

 351行:射撃は短い間に終了した。

  イングラムのマガジンは三〇発である。一分間に九〇〇発もの連射能力があるため、トリガー引きっぱなしでは二秒で空になる。向こうの銃砲店に置く、イングラムの販促ビデオで一回に十発ずつ三回で撃ち分けていたが、射撃時間は一瞬であった。トレーネは五発ぐらいずつと設定している。もちろん換えのマガジンがあれば心強いが、交換している間に敵にアクションを起こされると、戦いづらくなる。

 405行:黒い箱型の銃が歪んで地面に落ちる。

  イングラムはプレス加工の部品を多用しているため、銃本体に着弾があるとたやすく変形する。

 408行:西洋剣を逆唐竹割に振り上げた。

  トレーネがここで撃ち合いに持ち込まなかったのは、アキラが銃を所持していた場合、多方向からの銃撃を受けることになるため、いくら防弾チョッキを着ていても、保護されていない箇所の肉体に着弾する可能性があったため。

 430行:アキラの左二の腕をきつく縛り上げた。

  ヒカルはアキラのネクタイを使って応急処置をしているが、この場合左上腕の完全切断による動脈出血であるから、止血帯法で行うこの処置はだいたいあっている。また西洋剣でそれほどの切れ味は無いよというツッコミは、柄の中に超音波振動装置が入っているスーパーソニックカッターなのだと言い訳も考えてある。でもハリウッド映画では、もっと切れ味の悪そうな刀剣で腕を斬り飛ばしていたりする。

 481行:まだ弾の残っているギルティのマガジンを新しい物に交換した。

  ヒカルが残弾があるのにギルティのマガジンを交換したのは、次からアキラの手伝いが無くなり、マガジンチェンジの暇が無いことを予想して。イノセンスの方はベースピンに直接取っ手がついており、それを前に動かすと、レンコン状のマガジンを通っている軸抜けて、それが銃本体から外れ、交換した後に戻すことによって再装填までの時間を短縮している。

  スイングアウト式が一般化するまではリボルバーでも弾倉交換は割とポピュラーな方法だった。

 520行:反動を利用してクルクルと縦に回転…。

  防弾チョッキを着ているのに空中でヒカルの銃撃を回避するトレーネ。もちろん防弾されていない箇所への被弾を嫌ったためである。また弾が体にめりこむことは防いでくれるが、その衝撃は消してくれないためでもある。イノセンスの弾を至近距離でくらったら、骨折は確実だ。

 550行:「クレーエ様?」

  クレーエとはドイツ語でカラスの意。

 582行:「あなたの大砲は、本当にやっかいね」

  もしかしたら内臓の幾つかは破裂している可能性があるが、弾自体は防弾チョッキで防がれている。

 595行:コルト社のディテクティブスペシャル。

  S&Wのチーフスペシャルと並んでポピュラーなリボルバーである。日本のお巡りさんが所持しているニューナンブとほぼ同じ銃で、携行するときの安全性、確実なアクション、サイズに比べての高威力、そして薬莢が散らからないと利点が多い。もちろん装弾数が少ないなどの欠点もあるが、日本では特に不利に働かない。トレーネも上記の理由、特に薬莢の回収を考えての選択であろう。普段はこちらを使用し、弾数が必要な時にイングラム等の別の銃を用意するのだろう。

 602行:腹の辺りが真っ赤に染まり始めていた。

  拳銃での銃撃戦では、相手の腹部を狙うのが一番効率的だとされている。よって二人の銃弾はお互いの腹部に命中している。

 647行:トレーネが来たところで顔を緩ませる。

  アキラの表情の変化で、左腕のロケットパンチの射線に入るまでアキラが怯えた芝居をしていたことがわかる。

 659行:右袖の中から小型拳銃が飛び出してきた。

  袖から小型拳銃が出てくる元ネタは「タクシードライバー」が有名。

 741行:アキラの知らない様式の祭壇。

  このヤードは、普段日本人だけが働いているのではなく、イスラム教徒もいるという設定。よってお祈りのために絨毯が敷いてある。知識がないアキラは誤解している。

 754行:悪筆の帳面。

  台帳に書かれている文字も日本語とは限らない。

 773行:番号は覚えていなかった。

  最近の携帯のせいで、電話番号を覚えるという習慣は文明人から失われたのではないだろうか。と、思ったら身近な小学生が複数の電話番号を暗記していて、直接かけてきて驚かされた。

 796行:「母さん助けて詐欺」

  これだけ報道されていても無くならないオレオレ詐欺。そこまで日本人はマヌケなのだろうか? (同じ人が何度もひっかかっているというのもある)ここでは警視庁が公募したオレオレ詐欺の新名称と、実際のアキラから香苗への救助要請のダブルニーミングになっている。


 決戦の後片付けパート。

 35行:すぐにバスが到着すると…。

  研究所の車が早めについたのは、やはり明美がトンネル崩壊の現場から連絡しておいたのが大きいのだろう。

 41行:それぞれがやらなければならないことを判っているのか…。

  研究所の人間により双方が撃って散らかした薬莢の回収なども含む証拠隠蔽が行われたこととする。

 49行:痛み止めと説明した注射。

  戦場では重傷を負うと怪我人が叫び出すため、状態の程度に関わらずモルヒネを注射して黙らせる。アキラが高橋に注射されたのも同じくモルヒネであろう。

 61行:明美自らの手で。

  明実自身が手術の執刀医になることは、もちろん医師法違反になる。が、この場合は相手が人間ではなく「女の子のようなもの」であるから、なんら問題はない。

 90行:「二人とも制服破けちゃって、どうする気?」

  土曜日に破けた制服を、月曜日まで用意できるのか? という単純な疑問もある。きっと余分に購入していたのでは? それか一年生全員が制服は汚れ、体操服はバスと共に失われるという事態に、私服登校が一時的に許可されたのかもしれない。


 エンディングパート

 8行:誰かが仕掛けた爆薬が原因らしい。

  トレーネは清隆学園ご一行様の乗ったバスがトンネルに入っていくのを、ヤードのあった山から見ていて、リモコンで爆薬に着火したとする。

 15行:包帯が取れて週が変わり登校すると…。

  ヒカルは自分のマスターに助手として生み出されたわけだから、「施術」に関してある程度の知識があるものとする。よって段々とアキラの「微構築」にかかる時間も短縮されている。


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