きっと
僕らにしりとりは難しすぎる。そんな言葉がふと浮かんだけど、すぐに消失した。僕は思う。きっとこの世界に生まれた僕たちは、別の世界にだって旅ができるのだと。
ロマン飛行を繰り返している途中の道のりなのだと思った。このカントリーを走って僕たちは青空を見る。ビルの隙間に走る光線。信号機に巣食う蜘蛛の巣。真っ白な光に包まれた優しい屋内。
そんなとりとめのない全てが実は理想郷への入口なのかもしれない。
そんなことを知れたことに僕は感謝を忘れないようにしたい。だけどやっぱり、ひとりぼっちなんだなあと思うんだ。だからこう続けるよ。きっと大丈夫って。
「あいつのこといじめてやるよ」
「きみのこときらいだな」
「殺したいよ」
「死んじまえ」
「死ね」
「消えろ」
ネガティブな提案はすべて却下された。
これらはすべて失われて、幸せだけがきっと残る。そのための誓いの言葉を忘れずにいようと思った。
それは百年前からずっと続いている。
何気ない街の日常に染まって、永久に地獄から昇りくる憂鬱や死を乗り越えたい。
きっと君はこう思う。
嘘だって。
でもこうも思うだろう。
きっと
僕らは旅の途中だから、そろそろ起きなくてはいけない。
こんな世界にいてもいいことはある。
だから起きるのは寝ぼけながらのほうがいいだろう。
未来はどんな未来だろう。
過去はどんなだったっけ。
すべてを忘れないように大事に大事にくるまって、君に一言だけ言っておきたい。
終わりは、来ない。
でもこの話はすぐに終わる。
書く事が無くなって終わる。
短いショータイムは幕を下ろして。
何もかもが、忘れ去られないように光輝き続ける。
それまでの間だけ、きっと幸福だ。