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乳児は辛いよ 1

「ふにゃあああああああん!」

 ――パリーンッ!!!

「おぎゃああああああああ!」

 ――ガシャガシャーンッ!!!


 ……どうもお騒がせしております、現在新生児生活も1ヶ月くらい過ぎた頃です。

 薄々とお母さんのお腹の中でも感じていたけれど、今世の私の人生はしょっぱなからすごく波乱と苦難に満ち溢れていたっぽいです。

 まず当たり障りない無難なところから説明すれば、やっぱりどうも生まれた世界は異世界っぽかったです。

 お母さんの髪がパステルカラーな青でした。お父さんは薄めのガチャピン色だったよ!

 染めてるにしてはすごく自然な感じだったのでたぶん地毛だと思う。地球の人にはたぶんないカラーリングだから、少なくとも地球ではないだろう、という推測。

 どうでもいい素朴な疑問、髪の毛以外の体毛の色とかどうなってるんだろうって思う。両親はどうも毛深くない感じなのでイマイチわかんない。髪の毛と同じ色なんだろうか。特にシモの……げふんげふん。


 ……現実逃避していました、すみません。

 そして無難じゃないところなんですが、現在私が寝かされている部屋……半地下です。

 薄暗いよー、なんか陰気だよー。

 しかも寝かされてるのが石のベッドです。木材の可愛いベビーベッドどこいった!

 まぁこれには深い理由があって、別に不当に虐待されているわけではないのです。

 どうも私、何らかの理由で生まれた時から魔法的な何かの力が暴走してしまっているようなのです。

 むずがって泣いたりするたびにその力が撒き散らされて周囲を破壊してしまうことを繰り返した結果、頑丈な半地下の部屋に移されてしまったという話。

 石のベッドに関しては、どうもこのベッドに使われている石材は、溢れてしまっている私の力を吸収する役割があるらしい。

 一応、柔らかな敷布団やタオルも敷いてもらってるけど、暴走が酷いときは裸でこの冷たくて硬いベッドに寝かされる。素肌の接着面が多いほうがよく吸い取ってくれるみたい。

 でもこれが嫌でたまらない。だって硬いし冷たいしで寒い。

 私は早産で生まれたせいで身体自体もどうもひ弱らしいし、石に力を吸い取られる感覚は正直に言って気持ち悪いのだ。

 これはお母さんのお腹の中でキラキラがなくなっていったのを感じている時の感覚に似てる。

 生きていくための力を吸い取られているような気がするのだ。

 だから出来るだけそういう事態にならないように努力……どうもこの力は感情の発露に引きずられやすいみたいなので癇癪を起こさないように我慢してみたり、どうにか変な力を抑えられないか考えてみたり……しているのだけれど、あんまりうまくいっているとは限らない。

 だって私はぴっかぴかほやほやの新生児。自分ではぜんぜん動けないのだ!

 もちろん喋れないし、喋ったところで言語の違うっぽいここで相手に日本語が通じるわけもなさそうで。

 おまけに私は破壊魔と化した新生児。

 部屋の外に交代制でお世話係の女の人がいるんだけど、その人だって恐がって必要以上に部屋の中には入ってこない。

 ただ「あーうー」言ってるだけじゃ何か要求されているなんてみなされないし、隣の部屋までは聞こえないみたい。

 そうすると不快さを我慢していてもごはんを貰ったり……その、おむつの世話とかね、そういう新生児にどうしても必要な基本的なことが賄えない。

 それにどうも生まれ変わってから私は感情の制御がうまくいかないのだ。

 もともとそんなに我慢強いタイプじゃないし、たぶん身体の年齢に引きずられているせいもあると思う。

 結果として我慢の限界になってぎゃん泣きしてしまう。

 そのたびに私の周囲で衝撃波が撒き散らされ、私の周囲に置かれたベッドの素材と同じ石が甲高い音を立てて破裂するみたいに割れていく。

 その破片が肌を傷つけたりして痛くてまた泣いてしまう。

 無限ループにも思える事態が収まるのは私が泣きつかれて死に掛けみたいにぐったりして、力の暴走がそれでマシになった頃だ。

 恐る恐る入ってきたお世話係の人が私の口元に差し出してくる哺乳瓶の吸い口を、朦朧としながら必死で吸うんだけど、疲れきっててあんまり飲めない。

 そのうち意識がぷっつり途切れて、起きると傷の手当とかおむつの世話とかも終わってる感じ。

 毎日が本当に命がけな綱渡りで、気が付いたら涙がこぼれてる。

 そこそこ広い半地下の薄暗い部屋にあるのは石のベッドがぽつんと1つだけ。他のものは置いていても私が壊してしまうからなんだけど。

 お母さんは産後の肥立ちが悪いみたいで、ここに移される前に見た時もすごく顔色が悪かったから、たぶん会いにこれないんだろうって思う。

 お父さんは……一度だけ顔を見たけれど、すごく複雑そうな顔をして私を見ていた。

 ちゃんとお世話の人を手配してくれたり、何とか手放さないで家の中で育ててくれようとしてくれたり、粗雑にしようっていう意識はないみたいだけど……無条件に愛してくれてるようには思えなかった。

 寂しいし悲しいけど、それよりも前に私はまずお腹を満たさなければならない。

 とりあえずの目標は少しでも大きく育って動けるようになることで、すべてはそれからだと気持ちを切り替えながら、要求を通すために私はお腹に力を込めて出来るだけ大きな声を出した。

速度重視のためほとんど推敲しておりません。

誤字脱字誤変換あれば教えて下さると幸いです。

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