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2nd

とりあえず2話目まで上げておきます

俺、長谷川健吾はせがわけんごがこの世界にやってきたのは半年前だ

まずはこの世界に来たところから話したいと思う


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ん、ん……んぁ?」


目が覚める。そしてまず寝心地が悪いことに気づいた

ていうか悪すぎる。背中超痛いんですけど

起き上がってあたりを見渡すが、そこは見覚えのない白い部屋で、そこの床で俺は寝ていた


「……拉致られた?」


呟いてからそれはないなと思った

まず俺は引きこもりだから外で誘拐されるはずがないしそもそも我が家は身代金を要求するほど裕福じゃない

ていうかあの親なら息子を見捨てかねない

じゃあここはどこって問題になるのだが……


「…………ん?」


ここで俺はあることに気づいた。ていうか何ですぐ気付かなかったんだ俺

他に二人、女の子が床に横たわっていた

起こすべきか? でも俺が起こしたら痴漢扱いされかねない

近頃の女なんてそんなものだ。自意識過剰すぎる

でも俺一人じゃどうしようもないし……起こすしかないか


「……おーい、起きてるかー」


触る直前に一瞬ためらってから、意を決して近いほうの女の子の肩をゆする

その振動で目を覚まして起き上がる女の子

眠たそうに目をこする


「……ここは?」


まあそりゃそうなるだろうな


「さあね、どうやら誰かに閉じ込められたみたいだぜ」


ぶっきらぼうに答えると俺はもう一人の女の子を起こそうとする

人と話すのが緊張するんだよ! 悪いか!!

何事も二度目は簡単なもので今度は何の躊躇もなく肩をゆすることができた


「ぬおわぁッ!!!!」


目を覚ましたかと思ったら起き上がると同時にいきなり肘鉄を喰らわそうとしてきた

驚いて思わず腰が抜けたおかげで当たらなかったがただ運が良かっただけです、はい


「誰だ……」


「高校中退現在19歳の引きこもり長谷川健吾ですごめんなさい!!」


殺気に怯えて自分でも驚くぐらいの速さで謝る

殺気が尋常じゃない。よくわからないがここから先選択を間違えたら死ぬと断言しよう


「ここはどこだ。私はなぜ自分の部屋で寝ていない」


「ここがどこかわからないしそもそも俺も被害者です!!」


「……」


聞きたかったのはそれだけなのか殺気をしまいそっぽを向く

そりゃ熟練の戦士でもないからもしかしたらまだ殺気を隠してるかもしれないけどさっきまでの露骨な殺気は感じられない

とりあえず誤解は解けたってことか?


「もう終わりましたか?」


「うわぁ!!」


突然声を掛けられて情けない声を出してしまった

振り返るとそこには所在なさげな最初に起こした女の子がいた


「何が起きてるのかは分かりませんがとりあえず自己紹介しませんか? もしかしたらこれから行動を共にするかもしれませんし」


「え? あ、ああ……そうだな」


さっきの悲鳴にはスルー? なんだか助かったようなそうでないような……


「それじゃあ私から、私は白菊玲奈しらぎくれいな。聖鈴女子高等学校の2年生です」


これはまたとんでもない人が拉致られたな……

聖鈴女子高等学校

規律を重んじる風情ある女子高として有名だ

学力もなかなか……というか全国トップクラスの超お嬢様学校だ


「えっと俺は……」


「高校中退現在19歳の引きこもり長谷川健吾さんですよね?」


「なぜ一字一句間違えず覚えていらっしゃいやがりますか!?」


俺の最新黒歴史を掘り起こさないで!!

何この子意外と鬼畜!?


「それであなたは?」


「無視!?」


出会って数分だが一つ分かった……

この子Sだ、それも自覚していないかなりたちの悪いタイプの


「私は桜木優香さくらぎゆうかだ。歳は18。学校にいってないが本家で桜木流剣術を学んでいる」


「桜木流!?」


その名前は引きこもりの俺でも聞いたことがある

桜木流剣術

型にとらわれず不規則に動く実戦用剣術

まさに殺すための剣……実質世界最強の剣術だと噂されている


超お嬢様学校の生徒と世界的に有名な家計の娘

この二人が誘拐されているのは分かるがなぜ俺まで……?

俺を誘拐しても損しかしないだろうに……


「全員目を覚ましたようじゃな」


突然聞こえた老人の声に三人が一斉に声の方を向く

そこには杖を持ってたくましい髭を撫でている老人がいた

いつの間に? いや、というかこんな爺さんが俺たちを誘拐したのか?


「ご老体、まさかとは思いますがあなたが犯人ではないでしょうね?」


率先して優香が爺さんに質問する

それに対して爺さんは意地の悪い笑みを浮かべていた


「そうじゃよ」


「……なら、ただちに我々を解放していただこうか」


「それは無理じゃよ」


言い終わるか言い終わらないかのタイミングで老人の顔を殴りにかかる優香

手が出るのが早すぎる……この人意外と短気だな


「っ!?」


俺もききたいことがあったのに……なんて後悔しそうになったがそんな必要はなかった

優香の拳が老人の顔をすりぬけているのだ


「意外と短気じゃのう、お主……そもそも、帰る必要などなかろう? お主らは元の世界を嫌い、拒み、ここにいるのだから」


「どういう、意味だ……!」


「そのまんまじゃよ、お主らは自分のいた世界を嫌っていた。そして別の世界を望んだ」


「ちょっと待てよ、別の世界ってどういうことだ!?」


俺たちがここにいるのは誘拐されたからじゃないのか?


「別次元……わかりやすくいえば異世界と言った方がいいかのう。お主らは類稀な才能を秘め、その才能に気づき、そしてその才能を発揮するべき場所がここではないと悟った。わしはただその願いを叶えようとしているだけじゃよ」


「才、能……?」


なにを言ってるんだこの爺さんは?

確かに玲奈は知恵があるだろうし、優香は力があるだろう

だが俺は何がある? この爺さんは何か勘違いしているにではないか?


「勘違いではないよ」


「っ……!」


マジでなんなんだよこの爺さん。人の心まで読むなんてたちのわりぃ……


「とぼけても無駄じゃよ。刀剣、投合、鈍器、竿状武器ポールウェポン、射出武器、暗器、格闘武器。あらゆる武器を作り上げる技術を持った天才……長谷川健吾」


「何でそんなことまで……!」


「何度もいうがお主らにはこれから異世界に言ってもらう。力の国アルゲラ、知恵の国サエン、技の国モンデット。そこで平穏に暮らすもよし、旅に出るもよし、戦争に参加するもよし、好きに生きるがいい」


そういって杖でカンッと床につつくと俺たち三人の足元に魔法陣が現れた


「待てよ! 勝手に決め付けてんじゃねえぞくそじじぃ!!」


俺は必死に抵抗して爺さんにつかみかかろうと朦朧とする意識の中手を伸ばす

だがその手が何もつかむことはなく、俺は意識を失った

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