森のはなし。2
進まない。
ようやくえらいどらごんさんが出ます。旅までは程遠い…
「ほぁっ!?」
驚いてうっかり手の中の水をこぼす。うへぇ服濡れた。
いやそうじゃなくて!ナニコレなにこれナニコレナニコレぇぇえェエエ!!!!!!!!!!!!!!
(あ、頭に直接、なんか、話声、が。)
ー念話だ。我は主の背後に居る。
念話ですか!テンプレですね!!!
「う、後ろ??」
ゆ~っくりと振り返ると、そこにはでっかい ど ら ご ん が。
「どどどどどどどどどらごんさんですかぁ!?!?!?!?!?!?!?」
全体的に青くて、全身は鱗に覆われている。ぶっといおみ足とこれまた立派な2本の角。例えるならモ○ハンのジンオ○ガだ。羽あるけど。
とにかく格好いいのだ。ほんとに。宝石みたいな目の周りの模様とか。神秘的としか言えない。ああ、自分のボキャブラリの少なさが悔やまれる。
ーなんなのだそのドドドラゴンとは。
「あ、ごめんなさい、ちょっとびっくりして…」
実際はちょっとどころじゃない。びっくりしすぎて逆に冷静になってる、みたいな。
ーそうか。それで、ドドドラゴンとは??
「えっと、正しくはドラゴンって言って、ドラゴンってのは想像上の生き物で…?」
あれ。目の前にいるよね?これじゃ想像上の生き物じゃないよね??何と言えば。
ドラゴンさんが訝しげな目で見てくる。
「間違えました。伝説の生き物です。大きくてトカゲみたいですっごく強い…」
ーそうか。まあ間違ってはいないな。最早人にとって我々は伝説に等しい。
「え、今はもう居ないんですか?」
折角あこがれのファンタジー生物に出会ったというのに!!もう居ないとかかなしすぎる。
ー何を言っておる。我が居るではないか。
「あ、そっか…。」
ー我以外にも同志はたくさん居るぞ。
おっ!他にも居るんだ。
「そうなんですかー。じゃあ、人の前に姿を現さないって意味ですか?」
ーそうだな。人は我らに害を為す。時とは無情なものよ。
何か難しい話になっとるがな。『人間と竜族の共存』的な?なるほど分からん。
「…なんか難しいですね。」
ーそう気にせずとも良い。主と我はまだ会うたばかり。なんら関係は無い。
「はい、そうですね。…あ、ところであなたは?」
初対面の方(しかもド ラ ゴ ン)に何という無礼。そういえば自分も名乗ってねえ。
ーふむ。真名はまだ名乗れんが…。ディアとでも呼べ。
ファンタジーなお名前。似た名前の主人公どっかにいたよね??
「ディアさんですか。えっと私は…」
(バキッッ)
「あれ?…くっ、が、はっ」
頭の中で変な音がした。確実に念話じゃない。それに続く激しい頭痛。息がし辛い。苦しい。
ーおい、どうした
ディアさんが心配そうに声をかけてくる。声が出ない。体が熱い。耐えれず地面に膝をついた。
ーおい、大丈夫か
頭の中をグッチャグチャにかきまぜられているみたい。鼓動は速くなっているし、息も荒い。気持ちの悪い汗が大量に流れてきた。
デジャブ。
厨二な表現だがそれしかない。そうだ、『前』にもこんなことがあった。
息が出来なくて苦しくて、『息しなくちゃ』『落ち着け』って思うと余計に苦しくなった。怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
(ブツッッ)
押し寄せる恐怖は、意識と共に闇に沈んでいった。




