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300文字小説

呆れた砂糖菓子

作者: 月乃光

「見て、金平糖。浅草土産よ」

「コンペイトウかあ……それ、甘いだけであんまり美味しくないんだよね」

「あ、そう。そんなこと言うならあーげないっと」

 そう言って君は、水色のそれを一つ摘んで、口の中へ放り込んだ。

「……うん、確かに美味しくないね」

「だろ? だから言わんこっちゃない――」

「ほんとにいらないの?」

 君はべーっと舌を出してみせる。そこには溶けて丸みを帯びた砂糖菓子。

 ……呆れるほど甘美で、蕩けるほど淫靡な誘惑。

 僕は抗い切れず、情欲が命じるまま舌を絡ませた。

「もう……まだ昼間だよ?」

 君はおどけるように笑ってみせた。

 君が蝶で、僕が蜘蛛? それとも――。

 甘い匂いに捕らわれて、僕はもう身動きが取れない。


< 了 > 

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