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子供として生きるということの大変さ。

久しぶりの投稿っす

はぁ、もうすぐもうすぐこの世界に来て3年だ。 全く異世界とはつくづく異世界だ。


この世界に来て3度目の誕生日が来る。 色々あった ほんと はぁ。


今、俺は3歳になろうとしている。身体は小さいが、中身は前世の記憶を持った立派な大人だ。いや、「立派」は語弊があるな。前世の俺は典型的なダメ人間だった。部屋は散らかし放題、恋人なんて夢のまた夢。そんな俺が異世界転生なんて、神様も粋なことをしてくれる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

まず生まれてから

初日は寝てたから覚えてない

でも1日経って俺はこっちに来て初めての異世界カルチャーを感じた

目覚めて辺りを見回してみたらあら不思議


私の赤さん用のベットの横に

耳の長い緑髪の美人さんがいるではないですか

もうね、びっくりしちゃうというか本当に夢じゃないかと思ったりね


だって緑髪のエルフだぜ、もう犯罪だよね

メイド服がもうエロだったよね、うん

露出が全くないロングスカートのメイド服なのになんであんなエロいんだろう

もうエルフじゃなくてエロフだったよね


「あら、坊ちゃま、お目覚めですか?」


その声は、まるで森の奥で響く清流のように澄んでいた。俺は赤子の身体でありながら、前世の全記憶が蘇ったかのような衝撃を受けた。エルフ。リアルエルフ。しかもメイド。これはもう、前世のオタク魂が震えずにはいられない組み合わせだ。


あとで知ったのだが彼女の名前はミリアというらしい。全く素晴らしい名だ。


「坊ちゃま、ミルクのお時間ですよ」


ミリアが俺を抱き上げる。その瞬間、俺の脳内では前世の煩悩が大爆発した。エルフの腕に抱かれるなんて、前世では二次元でしか体験できなかった幸福が、今、現実となっている。


しかし、俺は赤子だ。「あー、うー」としか言えない。この歯がゆさといったら。心の中では「ミリア!君の美しさは罪だ!」と叫んでいるのに、出てくるのは意味不明な赤子語だけ。


ミリアは俺の「あー、うー」を聞いて、「まあ、お話上手ですね」と微笑む。その笑顔がまた、俺の心臓に直撃する。ダメだ、これは危険すぎる。前世の俺なら確実に鼻血を出しているレベルだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


生後1ヶ月が過ぎた頃、俺は徐々にこの世界の現実を受け入れ始めていた。


最初はパニックだったよ。

異世界転生なんて、ラノベやアニメの定番ネタだと思ってたけど、まさか自分が当事者になるとはな。しかも赤ちゃんとしてスタート。身体はふにゃふにゃで、言葉は出ないし、排泄はオムツ任せ。プライドなんてクソ食らえだ。


そんなある日、ミリアが新しい顔ぶれを連れてきた。

「坊ちゃま、こちらは妹さんですよぉ。まだ生まれたばっかりやけど、かわいいやろ?」

……関西弁?

俺の脳内でツッコミが炸裂した。異世界にエルフメイドがいる時点で十分ぶっ飛んでるのに、関西弁とは。しかもその口調が妙に馴染むのがまた怖い。

ベッドに寝かされていたのは、青髪の赤ん坊。

青髪って……マジかよ。俺の髪は黒(今は薄いけど)、ミリアは緑髪、そして妹は青。うちの家族、髪色が虹色じゃねえか。

「ほな、妹さんのお世話も私がさせてもらいますわ。名前はリリアって言うんやけど、ええ名前やろ?」

リリア。ミリアとリリア。響きが似てるな……って、そんなことより関西弁エルフが妹の世話までするのかよ。しかも「ほな」「やろ」「ええ名前やろ」って、完全に大阪のおばちゃんみたいなノリだ。異世界のギャップがすごい。

その後もミリア(関西弁エルフ)は俺とリリアの世話を一手に引き受けていた。

「おむつ替えとこかぁ」「ミルクあかん、ちょっと冷めてるわ」「坊ちゃま、今日はええうんこ出ましたなぁ!」

……いや、最後のはいらん。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

生後3ヶ月頃、ようやく両親の顔をまともに見た。

3ヶ月の間全く見なかったというわけでもないのだが、朝昼晩で両親が顔を見せに来る。

まぁここの家は貴族なのだろうか、赤ちゃんの世話をメイドに一任するとはあんまり元いた日本では考えられないことである。


母親は白髪の美人だった。

長い白髪を緩く編み込んでいて、まるで雪の妖精みたいな雰囲気。年齢不詳の美しさで、微笑むと部屋全体が明るくなるレベル。名前はセレナ。貴族らしい上品な物腰だけど、俺を見る目はとにかく優しい。

「坊ちゃま、今日もお元気ですね」

ミリアと違って、母親は標準語。ってか、ミリアだけ関西弁なのなんでだよ!

父親は金髪のイケメン。初日によくわかんないこと言って俺を怖がらせやがって!!

鋭い目つきに整った顔立ち、背も高くてまさに王子様。名前はアーク。

そして俺の父親。それ以外の情報は今のところなし!


仕事で忙しいらしく、滅多に顔を合わせないけど、俺を抱き上げる腕は力強かった。

「大きくなったな、息子よ」

低い声でそう言われた時、俺の心臓はドキッとした。


「どう?セレナ俺ちゃんと父親っぽかった?」

「ええ、ちゃんとできてたわよ」


なんて会話。なんか新婚っぽかった

俺、前世でこんな父親いたら絶対グレてたわ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


生後5ヶ月。

俺はまだハイハイもできないけど、視界はだいぶクリアになってきた。

その日、ミリアが俺を庭に連れ出してくれた。

「坊ちゃま、今日はお外で日向ぼっこやで~。空気うまいし、ええ気分転換になるわ」

庭は広くて、芝生が綺麗に手入れされてる。遠くに噴水が見える。

まじで俺の家族大貴族の可能性出てきたぞおい!


すると、母親のセレナが庭を歩いてきた。

白いドレスに白髪が風になびいて、まるで絵画のよう。

彼女は俺の横にしゃがみ込んで、優しく微笑んだ。

「ライネ、今日はお外で遊ぶの?」

久っさしぶりに聞いた俺の名前。

そういや俺の名前ライネだったな、みんなから坊ちゃんだの息子だの呼ばれて名前忘れかけてた…


俺は「あー!」と手を伸ばす。

すると――

セレナが指先を軽く振った瞬間、

空から小さな光の粒が降ってきた。

キラキラと舞い降りる光は、まるで蛍のよう。

俺の目の前でふわふわと浮かび、ゆっくりと消えていく。

……マジか。




魔法だ。






前世ではアニメやゲームでしか見たことのない、本物の魔法が目の前で起きた。

俺の脳内は大パニック。

「うわああああああああああああああああ!!!」

(もちろん声には出せない。あー!うー!しか出ない)

セレナは俺の反応を見て、くすりと笑った。

「まあ、喜んでくださってるみたいですね」

ミリアも横で「おお~、奥様の光魔法、相変わらず綺麗やなぁ」と感心してる。

光魔法……ってことは属性魔法が存在するのか。

しかも母親が使えるってことは、俺も使える可能性が……?

その日から、俺の異世界生活に魔法という新たな目標が加わった。

早く喋れるようになって、魔法の勉強を始めたい。

前世のダメ人間だった俺が、こっちの世界で勇者になって見せる!

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