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親不孝者の転生

「お前この文字がわかるのか?」

俺が転生して転生先の父親に二言(ふたこと)目に言われたことだ。







まさしく俺の人生は、クズという言葉が似合う虚飾(きょしょく)だらけの人生だった。

小中学生の時はまだ良かった、田舎の方の学校だったが成績が結構良く友達もかなりいた。テストでいい点を取ったら親も褒めてくれた。


人生の分岐点は高校に入ってからだった。

親の仕事の都合で都心の方の高校に入学した。そこで俺は、不登校になった。

別にいじめられてた訳でもない、都会という慣れない環境、高校になりついていけなくなった勉強、田舎とは違った自分を取り巻く周りの人、それが高校2年の夏休み直前で耐えきれなくなった。


両親は優しかった。「きっと環境の変化で大変なんだろう」と理解を示してくれた。

俺はその親の善意につこけんで甘えた。1日中ゲームやアニメやラノベ、食事も家族と取らなくなり(かたよ)った食生活を続けた。

毎週、俺のことを心配して家に来てくれた友達もいた。

だが俺は嘘をついた。

「家の都合で学校に行けない」と嘘をついた。「詳しいことはわからないけど頑張ってね。」「また一緒にラーメン屋行こうな!」「辛いことがあったら、全部は話さなくていいから少しは頼ってね。」など言ってくれた。

そいつらに嘘をついても心は痛まなかった。流石に大学受験シーズンになると来なくなった。

高校はみんなが3年生になる頃に中退した。

高校卒業時期にはもともと50キロくらいだった体重も70キロまで増えた。両親には部屋で大学へ行く勉強をしていると、嘘をつき続けた。

ただ両親にだけはこんな自分を肯定して欲しかっただけだった。


大学受験は一応した。県外の大学だ。だがその結果は必然で、俺は不合格だった。

だが親には、「合格した」と言った。

大学入学の手続きは全部こっちでやると言った。

親は、俺のクソみたいな嘘を信じてくれた。学費を自分の口座に振り込んでおいてくれと言ったら、すんなり信じて毎月振り込んでくれた。俺はそのお金を元に都心から少し離れたアパートを借りて、引きこもり生活をしていた。



また親に嘘をついた。つき続けた。バレないように必死だった。バレたら怒られるから。人生で親に本気で怒られたことがなかった。だから怖かった。ずっと嘘をついた

こんなクズがバレないように必死に…………


ひきこり生活をしていたある日。電車に乗って買い物に行こうとした時だった。偶然高校時代、家に来てくれていた女友達の芽依(めい)と駅のホームで出会った。なぜか彼女の方から話しかけて来た。「久しぶり、元気だった?」「結構変わったんだね」と。

正直なにを話せばいいかわからなかった。だが咄嗟に出た言葉が「ありがとう。」だった。家に来て心配してくれてたことへの感謝だったのか、自分の嘘を信じてくれたことへの感謝だったのか。


これが人生最後の会話のようなものだった



言った直後、駅のホームに電車が入ってくるアナウンスが流れた。そして電車がホームに入ってこようとした時、それは突然起こった。彼女が俺の横を飛んでいた。

ジャンプして跳んだのではない、誰かに押されたような感じだ。

飛んでいる彼女のロングヘアが俺の頬に当たった。

まるでホラー映画でオバケが突然バッと出て来たような驚きを感じた。


その後、俺は手を伸ばした。なんで手を伸ばしたのかは全くわからない。

でも俺は手を伸ばした。彼女を救うために。彼女の肩を思いっきり引っ張った。


ただ立ち位置が悪かったのだろう。一瞬のうちに彼女と俺の位置が入れ替わった。

俺は電車に吹き飛ばされた。



飛んでいる時人生の中で1番頭が回った。

まず思ったことがあった。全く痛みを感じなかった。電車に跳ね飛ばされたことなんて人生初体験だった。右目しか見えなかったから体の左側はすごいことになってるだろうなぁと思った。


次に右目でホームの方を見た。芽依が服が乱れ肩から血を出して座っていた。「強く握りすぎてごめんね」と言いたくなったが、あいにく口が使えなかった。

緑色の服着たおっさんが周りの大人に取り押さえられていた。そのおっさんに中指を立てたかったが力が入らなかった。


そして最後に、誰かに話しかけるように思った。

『死ぬ直前とわかったからかなぁ。なんかずっと背負ってたものから解放されたよう な気がする。溢れてくるのは後悔みたいなもんばっかりだなあ。嘘に嘘を重ねた人 生、なんか疲れちゃった。多分お父さん、お母さんは俺の嘘に気づいていたのかな 。まぁそれは今、思っても確かめる方法はないけど。でも一言でいいから謝りたい なあ。でもこんなクズでも女の子一人救えたと思うとお釣りが来るレベルかなあ』


と最後の意識で思った。この思いが誰かに届く訳度もなくただ意識が消えていった。

 


初投稿です!異世界ものというのを書いてみました!1話目で主人公について書きすぎたかなあと思います。

これから異世界パート書いていきます。キャラのセリフや会話は苦手ですが精一杯頑張るので応援よろしくお願いします!

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