表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/61

11 時間外の食堂にて 02

 お兄様は真剣な様子で私とコニーを見ます。



「それでエマ。コニー。君たちも人道派か貴族派か、どちらに所属するか考えておいてくれ。もちろんどちらにも所属しないという道もあるけどね」



 私の答えは決まっています。

 今世の私は貴族であるワイズ伯爵家の一員ですが、前世では一市民のしかも病弱で一人ではなにもできない女の子でした。その私を前世の家族たちは愛してくれました。私が平民を見下す貴族派に入ることなど許されません。



「私は人道派に所属します。私は貴族も平民も同じ()だと考えています。そして私はお兄様のお手伝いをしたいです」



 お兄様は微笑(ほほえ)みを浮かべます。



「エマならそう言うと思ったよ。私を手伝ってくれ」


「はい!」



 お兄様は私を温かく見守ってくれています。ですが私もお兄様や家族たちを手伝いたいのです。私は前世の家族たちも愛していますが、今世の家族たちも愛しているのです。お兄様がそんな私の思いを認めてくれたことに喜びも感じます。



「あの……私も人道派に所属したいです。オリヴァー先輩とエマさんを手伝いたいです」


「コニーも歓迎するよ」


「はい!」



 コニーも当然と言うべきか人道派に所属すると申し出ました。この子は平民ですしね。

 トビー先輩たちも満面の笑みを浮かべています。



「アシュビーさん。君も貴族たちからちょっかいをかけられるかもしれない。そんな時は遠慮なく僕たち人道派の先輩を頼ってくれ」


「はい! お願いします!」


「僕たちでは力不足の時は、オリヴァーさんが力になってくれるよ。オリヴァーさんは貴族派にも顔が()くからね」


「ああ。もちろん直接私のところに相談しに来てもいいよ」


「はい! ありがとうございます!」



 学院に入学できたということは、コニーは優秀な子なのでしょう。おそらくは凡庸(ぼんよう)な貴族より(はる)かに。そんなコニーに嫉妬(しっと)する貴族たちがいるであろうことは、私にも想像できてしまいます。お兄様たちがそんな人たちから守ってくれるのは、コニーにとっても心強いでしょう。そして私も友達としてコニーを守ってあげないといけません。



「エマもコニーや他の平民たちにも気を配ってあげてくれ。君の手に余りそうな時は、自分で抱え込まずに私に相談しに来るようにね」


「はい、お兄様!」



 お兄様は私にも役割を与えてくれました。平民たちに気を配ってあげてほしいと。お兄様から頼まれたことに、私は喜びを感じています。

 ですが私は後ろ暗い思いも抱えています。私も平民たちのために動けば、その平民たちは私のことを記憶に残してくれるのではないかという思惑(おもわく)もあるのですから……

 そんな打算を考えてしまう自分に嫌気(いやけ)が差します……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ