7/11
Second Incidentーーあさひside.(幕間)
あさひとの通話を終えた私は、どこかボーッとしていた。
何でだろう。
何で、この気持ちになるんだろう。
きっと、あさひが会った女性は、裕子のことだろう。
だとしたら、なぜ裕子はあさひのことを知っているんだろう。
なぜ、裕子は私たちが事件を調べていることを知っているのだろう。
まさか、盗聴?
まさか。
そんな。
ねぇ。
私は鞄の中をまさぐり、中を調べる。
ーーやっぱ、ないよね。
裕子に限って、そんなことをするわけ、ないじゃん。
ふと、ある風景を思い出す。
それは、裕子が解決して欲しいと頼まれた事件の仮説を説明したときの。
あの光景。
裕子のあの呟きは、何だったの。
まさか。
私の勘が、悪い予感に触れる気がした。