1.史上最高の1選手目当てでA代表を応援してくださる皆様へ
おそらく彼の出身クラブであるFCBからのファンの方が多いと思いますが、ちょっと意地悪な質問をします。
もし貴方の選択により、彼が次の2つの内1つしか取れない(究極の選択)としたら、どちらを選びますか。
W杯優勝 or バロンドール
上記の質問でW杯優勝を選んだ方に質問します。
仮に世間一般において、バロンドールを取らなければ史上最高の選手だと云えないよという意見が大多数を占めていたとします。
W杯を優勝してこそ、史上最高の選手だと云う意見が貴方一人の状態です。
その仮の状況で、もう一度同じ質問をします。
W杯優勝 or バロンドール
ちょっと意地悪が過ぎましたか?
要は、彼が史上最高の選手だという貴方の自説を証明したい(極論すると自己満足)が為にA代表を応援しているのですかという確認です。
仮に自己満足を満たす為の応援だとしても、一向に構わないと思います。
貴方がそれをしっかりと認識してくだされば……
因みに、私はその”最高の選手”というのにやられました。おそらく、FCBファンの方の揶揄だと思うのですが、
「最高の選手が居るのにA代表はダメだな」
「A代表は最高の選手を使いこなせていない」
というものです。
確かに当時全盛を誇っていたFCBに比べれば、A代表は遠く及びません。はっきり言って弱いです。ただ、強くするにしても彼を抱えながら代表の強化を行うのは非常に困難です。
正直いって強化だけを考えるなら、彼はかえって邪魔です。
ファンの方、ファンだった方もFCBの特殊性は、もう十分にお分かりになられたと思います。
チャビ監督もFCBは彼を生かすために緻密に計算されていたと明かしてしまいました。
彼はそんなチームだからこそ、また代表チームと違って練習時間が豊富にとれるクラブチームだからこそ、その能力を十分に引き出せた。
そんな彼を例えるなら”ショートケーキの苺”です。
その苺は最上級でとても美味しいのですが、あくまでショートケーキと苺は別物です。
近年のサッカーではGKを除いた10人あるいはGKも含めた11人がチームとして連動したプレイを行います。その連動したチームがショートケーキに当たります。
それで彼は苺にあたるのですが、チームと彼を一緒には出来ない為、チームを9、10人で構成しなければなりません。
つまり、他のチームより1人少ない状態で十分に強いチームを作らねばなりません。
この1人の差が、サッカー戦術が日々進化する近年においてはとても大きいものになります。
またショートケーキがいくら頑張っても。美味しい処は苺が持っていってしまいます。
これを不満に思ったのがMSNトリオのネイマール選手で、いつまでたっても彼の陰にすぎないと思い、FCBを退団してしまいました。
ここでFCBファンの方、ファンだった方に率直な質問をします。
FCBの一時代を築いたペップ監督はとある理由
(後年「選手達のモチベーションを維持するのが難しくなった」と吐露。
因みに彼がFCBを退団した際マンCに移籍希望を出すのですが、ペップ監督はとても丁重にお断りしたそうです。
それはそうです。でなければペップ監督がFCBを退団した意味がなくなります)
でFCBを退団しましたが、この時にペップ監督の代わりに史上最高の1選手である彼が退団すれば、双方にとってもっと良い未来を迎えられたのではないかと想像します。
まだ、ネイマール選手も入団していない状態なので「そんな馬鹿な」と思われるでしょうが、冗談などではありません。
本来はペップ監督が最後まで彼につきあえば(私的にはペップ監督もとても癖の強い人で、彼もまたそうなのですが癖を直しつつお互いに歩み寄れば共に成長できたと思います)良かったのですが、途中でサジを投げてしまいました。
そう思うのは、彼が選手としてあまり成長できなかった(個人としての能力が高すぎた故に)のは彼とFCBがあまりにフィットしてしまった事とFCBの戦力が最大かそれに近いものだっただけにどんなチームにも工夫をこらさずとも勝ててしまったからではないのかと云うことです。
例えるなら、彼はドラゴンクエストのラスボスの魔王が持つ魔力の杖(常人が持つと単なる魔力増幅装置だが、桁違いの魔力を持つ魔王が使うと最大・最強の武器になる)で、武器としての錬度(選手としての成長度)は高くないのですが、持つ者のレベルが高すぎるためそのままで十二分に通用する。
これは彼が格下のチームには滅法強いが、格上のチームと対戦すると非常に苦戦することにも表れています。
要は、彼はとても強いチームに居てもう他にやることがないかのように個人タイトルに執着するのではなく、とても強いチームを出てどうすれば強いチームに勝てるかを日々考え、実践出来る環境で揉まれれば、
本当に偉大な選手になれたのではないか、
それこそ史上最高の選手なんてものを持ち出さなくても誰からも尊敬を集める選手になれたのではないか、
そして私も彼をA代表の一員として心から応援できる……
そうなれば良かったと思います。
本当に…… 本当に……