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「22」一日目⑪

屋敷の中をくまなく探したが、あの素早い動きの害虫は見つからなかった。

ふと気が付いて外を見ると火が沈みかけていた。その時初めて、自分がとても長い時間の間仕事をしていたことを、腰の痛みと共に知覚した。


「痛ってぇ……朝から今の今までこんな姿勢だもんな、痛くならない訳ねぇよな…」


腰をとんとんしながら私はゆっくりと背伸びをした、少しずつ痛みが引いてきて、何となく体に開放感が戻った。

一旦休憩するかと思ったが、今日何の成果もあげられていない自分に、休む権利があるのかどうか迷った。


「……いったん聞きに行くか」


ここで「もう少し頑張ろう」と言えない自分が少し嫌になったが、足はがくがく目はカピカピ、体の血の流れが悪いのか、何となく体の動きがぎこちない。

弱音を吐いていても仕方ない。さて誰に聞きに行こうか……。


『とりあえず、私は茶菓子を取りに来ただけだから、ゴキブリ退治頑張ってね』


一瞬、あの眩しい太陽の光と共に焼き付いた、あの銀の女性の顔が見えた。


「……職場の先輩に聞くだけ、うん、それ以外何もないから」


言い聞かせるように、私は少し小走りで屋敷の奥に歩いて行った。


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