僕の体から取れる金粉。
___ある日。
僕の体から、金色の汗が流れるようになったんだ!
・・・僕はそれまで。
体に、溜まった老廃物が汗として出ていると思い込んでいたんだ。
___そうするとね?
体から出るもの全てが、黄金色のそれなんだよ。
・・・朝、トイレで出たあれも?
黄金色をしていたんだよ。
*
___まあ、体に異常はないみたいだし!
僕はあまり気にも留めなかったんだよ。
・・・だけど、僕の仲がイイ友達がね?
『___なんだよ! 杉田の汗、金色じゃないか!? どうなってる
んだよ!』
『___あぁ、それな! いつからだったか忘れたけど? 急に金色
の汗が出るようになってさ~』
『・・・それって? 汗だけか?』
『___えぇ!? い、いや?』
『・・・病気じゃないよな? 1度、病院で診てもらった方がいいん
じゃないのか?』
『___う、うん、そうだな! 病院で診てもらうよ!』
『___あぁ! そうした方がいいよ!』
『・・・・・・うん。』
___不安そうな顔で、僕の顔を見るアイツの言葉が僕の記憶に留まった。
僕だって! 急に体の異変を感じていて、不安だったんだよ!
・・・だけど?
日常生活に支障はないみたいだし!
病院に行って、診てもらう考えがあってもなかなか? 行動に移せなか
ったんだ! そんな時に、アイツに言ってもらったから助かったよ。
▽
___僕は早速、病院へ。
僕を診てくれた医者がこう言ったんだ!
『___取りあえず、話だけじゃなんなんで! 汗を流してみましょうか!』
・・・医者が僕にそう言うと?
トレーニングジムがあるところへ連れて行かれて、僕はランニングマシンに
のせられたんだ。
___僕が、10分ほど走ると?
僕にジワリと汗がにじみ出てきたんだ。
___僕の汗の色は、金色をしている!
医者は、綿棒で僕の汗を拭きとって、僕にこんな風に言ったんだ。
『___杉田さん! 検査結果は1週間後です。1週間後の今日に
またココに来てくれませんか?』
『___あぁ、は、はい!』
『___今日は、お疲れ様でした。』
『___ありがとうございます。』
___これといった、検査でもなく!
ただ、僕の汗を綿棒で取っただけ。
___しかも!?
10分もランニングマシンで走らされて。
ただただ、僕は疲れたよ。
___僕は家に帰ると?
普段から、運動嫌いな僕はそのままソファーで眠ってしまった。
*
___そして、1週間後...。
また、僕はあの病院に向かっていたんだ。
・・・その途中で、僕は交通事故に遭い亡くなってしまう。
▼
___その頃、病院では?
『___あの杉田とう患者さん! 体から金が出ているんだよ。これは!
凄い事だ! 彼の体の中で金を作りだしているんだよ!!!』
『___しかし? 杉田さん、遅いですねぇ~』
『___これは! もっと詳しい検査をして調べなくては、、、?
でも、まだか? 杉田さん! もう受付時間を30分も過ぎているじゃないか!』
『・・・先生! 杉田さんの携帯に電話してみましょうか?』
『___そうしてくれ! これは! ノーベル賞も間違いないぞ!』
『___そうですね! 先生!』
『・・・先生、杉田さんが先程、交通事故に遭ったそうです!』
『___えぇ!?』
___こんな時に、僕は亡くなってしまうなんて。
僕の体から、金が取れ大金持ちになれるチャンスを逃してしまったじゃないか!
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