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元人並み少女は身体能力が高すぎて〜空まで飛んじゃいました!?〜  作者: うわのそら
後日談:『元人並み少女』《エクストラ》ー飛んじゃいました外伝ー
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◇『元人並み少女』:エクストラ (ep:3) 〜え、控えめ少女が飛んじゃいました?〜


アル君が去った後、運命的で衝撃的な由依との出会いを果たした美咲。


そして__時は由依と仲良くなった今へ、お誕生日の当日へと戻る。


※※ ※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※


「お誕生日おめでとう!! 由依ちゃん!!」


「えっ、えへへありがとうございます美咲さん」


「うむ、おめでとうなのじゃ由依」


美咲の計らいで、有名で、超素敵な東京原宿の有名ケーキ屋さん『Regalia・sweets』にやってきた3人。


「それにしても、ココとっても素敵ですね……美咲さん、こ、このお店」少し場の空気に緊張しながら由依はそう言う。


「でしょ、でしょ!? 最っ高ーでしょ!! 」


「え、ええとっても」

ニッコリ優しい笑顔を浮かべる由依目がとても潤んでいて美しく純粋な瞳。


万年ぼっちだった由依はこういう素敵なお店に来た事がなかった為涙を零し美咲とララへお礼を言う。

「美咲お姉ちゃんやる時はやるんじゃよなあ……やる時は」


「ララ、やる時は『は』は余計だよ!! あんまり変な事言うとアンタだけおごってやんなー〜い」


「の、のじゃあそれは困るぞお姉ちゃん」


「ふふ、嘘。嘘だよこの日の為にバリッバリバイト入れちゃったんだから2人とも!! 好きなの食べて!!」


「ふぇ〜嬉しすぎますぅ……美咲さん『やる時は』やりますね、ふふふ」


「こらー!! 由依ちゃん」



「ふふ」


「きゃはは!!」


「ふむ…ふふ」


素敵なケーキを3人で囲い楽しい話に花を咲かせる3人__しかし。


この後とある事が起きてしまう。


「このチーズスフレ最高すぎますぅ……美咲さん超美味しいですっ」

由依の表情が変わりとても嬉しそうだ、目が輝いてる。


「え!! どれどれ。由依ちゃんそれ、ちょうだいちょうだい!!」


「いいですよ」


「んじゃ、私あーーんしてるからあーんしてね、由依ちゃん」


「は、はわわ……えっとはい 美咲さんあ、あーん」

由依の手元は緊張でプルプルと震え美咲の大きく開けた口へとフォークに刺さったスフレを食べさせた。


「んーー〜最高すぎるっ!! 甘いし美味しい!!」


「ふ、ふふ……お姉ちゃんのしょぼい語彙力妾は好きじゃぞ」


「ねーー〜しょぼいとか言うのやめてー? 美味しから甘いし甘いから美味しんじゃんこう言うのって」


「ちょっと日本語やばいですよ美咲さん、えへへ」


「由依ちゃんも酷いよぉ……」


「ふふふ……」



※※※※ ※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※※※※


◇__そして美咲がカバンに隠していたサプライズの誕生日プレゼントを由依にバレないように手元へ用意した。


「あ!! そだそだ『じゃー〜ん!!』由依ちゃん!! 誕生日!! おめでとう!!!」


「おめでとうなのじゃ!! 由依」


「ありがとうございます……ほんとに今日最高過ぎて、うっうぅ……2人に会えて私……」


「ほら、由依ちゃん楽しいなら泣かない泣かない!! はい!! 誕生日プレゼント!! 頑張ってララと作ったんだよ!!」


__美咲の手元に用意されたかわいいケースの中から可愛い包装で梱包されたヘアアクセサリーが出てくる。美咲の言っていた通り自作で、美咲達の想いが詰まっている事が見ただけでわかり由依は心から嬉しくなる。


「えっ!? えっ……これ?美咲さん達が作ったんですか!? 凄いです!! めちゃくちゃ可愛いです」


「えへへー〜 手先だけは器用だからね」


「手伝ったと言うより私はお姉ちゃんの言うとうりの素材買いに行っただけですけどね」


「凄い……一生大事にします!!」


「お二人共!! これからも……よろ!!」


※______シュピン!!



「え、」


「え」


美咲、ララの目の前から由依が突然消えた。



一瞬で。


そう、一瞬で。


「ええええ!?!? どーーーなってるのぉぉぉお」


「の、のじゃあ……」


※〜友達になった控えめ少女は突然目の前から消え飛んじゃいました!?〜※












__受け入れられない事態を前に、ララは由依へと渡せなかった自分のプレゼントをギュッと握りしめた。






その次の日に美咲が由依の所在を誰か知らないかと由依のクラスメイトに質問するが生徒達は由依に関わる記憶が消去されたのか、由依について質問すると皆、同じ返答をする。


「誰ですか? 由依って」


「由依ちゃんだよ!! 由依ちゃん!! 阿久津由依!!」


「し、知りませんよ……」


「お姉ちゃん……」


「ダメだやっぱりみんな由依についての記憶が……」

由依の突然の消失に悲しむ美咲とララ。


◇そして〜数日後〜



由依を失ってから数日たったある日美咲のスマホにまさかの由依から連絡が入る。


__ティロン。


『えええぇええっ!!! 由依ちゃん!! 由依ちゃん!! 由依ちゃんからメッセージ!! ララほら!!』


「な、な!? お姉ちゃんこれは……確かに由依のアカウントから」


(『美咲さんの前世って魔王なんですか?』)と。


「ぐ、くあっ。」


メッセージが入っていたそれを見た美咲とララに転生前である魔界の記憶が激しい頭痛と共に駆け巡る。



数秒の沈黙の後、そっと美咲が口を開く__。



――_______……


「全部……全部。思い、出したそうだ私『元』人並み少女、『魔王』だったんだ」


「み、美咲?、妾も、妾も、全部……全部。思い出したのじゃ」




__ギュッ。


美咲が優しくアルラウネであるララを抱きしめる。


「……アルラウネいや、ララ。私達これからも、ずっと一緒だよ」



「はい……はい……みっ、美咲ぃ妾、わらわぁ……あの時美咲を一人にしてほんとに済まなかったのじゃ……」


「ううん、良いの。どこの世界に居たって貴方と居れればどこだって良いの」

抱きしめたララからゆっくりと離れ美咲はララを見てニッコリと微笑んだ。


「ずっとずっと一緒じゃ……『約束』じゃもんな」


「うん、一緒だよアルラウネ」

由依のメッセージがトリガーとなったのか美咲とララに前世の記憶が巡った。


しばらくして、由依からまたメッセージが入る。


__……ティロン。


(どうやら私、異世界に来ちゃったんですけどどうすればいいんですかこれ!? 美咲さんなんかわかりますか(泣))


「えー!! 由依ちゃん異世界に行ってるって!!」


「のじゃあ!! 嘘じゃろ?」



『私、決めたよアルラウネいえ、ララ!! 由依ちゃんを助けに行く』


「のじゃあ!! で、でもそんな事できるのかの?」


「そっか、ララは知らないんだよね、私のこの力を」


「ほえ?……」


__フォオン!


空へ向け美咲が手をかざし、次元の裂け目を構築し、異世界へ飛び立つ。


人並み少女として生活していた美咲は異世界にいる由依を連れ帰るべく。


神から譲渡された力を行使し、異世界へと続くゲートを美咲は出現させた。


__……そう美咲が1度決めた、事である由依救出を目標を掲げ、いま美咲は由依の居る異世界へと飛び立つ。


「全くお主は……めちゃくちゃな。美咲……えーとお姉ちゃん……何だかこそばゆいの。この呼び名……」




『えへへ、……じゃあ、由依ちゃんが心配だから私行ってくるねララ!!』


「待つのじゃ、美咲妾も……」


「ララは危険にさらせないよ。それに今の貴女に以前の力は……」


「あっ……む、むぅ」

転生の際に魔族としての力を全て失い普通の女の子になってしまったアルラウネには以前の『蛇帝』の力は全くなく、無力であった、この前世の記憶も霧がかかっており間もなく無くなってしまうと自覚するアルラウネ。


「だから、私が一人で行くよ。ごめんね1人にして」


「……分かったのじゃ……むりするなよ? 美咲」


「へへ、じゃあ行ってくるよ!! ララ、絶対に帰るからね」


「絶対帰ってくるのじゃぞぉ」


「うん、じゃあ行ってくる!! バイバイ」

__シユッ!!


美咲が入るとゲートは閉じてしまう。


〜元異世界魔王少女は次元の間をまたも飛んじゃいました〜




物語は『元人並み少女』から『控えめ少女』へと繋がるかも?



次の話で『元人並み少女』の話は完全完結です。




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