06話 美咲無双試験!?
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「有難うございます!!!」
そう感謝の言葉を目の前の魔界の王に述べるのは脳筋少女美咲であった。
「いやぁん♡私美咲ちゃん気に入っちゃったわ〜ん♡♡性格がほっわほっわしちゃって可愛いのなんの〜ねぇ〜アルラウネちゃあん〜美咲ちゃんてかわいいわよねぇん♡」
片方の手は頬に添え、残りの手は大きな手振りでぶりっ子しながら美咲の誠実な感じの性格に魔王は歓喜する。
「……ごもっともでございますガルグ様…」静かにアルラウネが魔王に同調した。
「えへへ〜照れるな……」
美咲は可愛い子ぶりっ子し照れながら頭の方を片手でかき乱し照れる仕草をする。
「ん〜でも私美咲ちゃんのそのすんごぉい強い戦闘生で見てないのよねぇん」
「そういばそうでしたねアルカディオン様」
アルラウネが魔王へ応答する。
「ん〜でも私美咲ちゃんのそのすんごぉい強いって言う一撃戦闘生で見てないのよねぇん見たいわぁん♡」
と魔王が何か物欲しい顔で両腕を胸元で激しく動作させながらそう魔王は言った。
「それもそうですね、アルカディオン様」アルラウネが便乗する。
「え!?」
私はまたこの身体能力に注目されていると気づきびっくりする。
「見・せ・てちょうだいよ♡美咲ちゃんその力♡」
「えっ、えええ〜みみみ見せるってま戦うんですか?」
「ええそうよぉん!! 貴女の力が本当に凄かったら私自慢の精鋭部隊をあなたに付けて軍の隊長にしてあげるわ♡」
剛腕な指に似合わない人差し指のポーズをしながら魔王はウィンクして情報量の多い事を言う魔王。
「えー!! ほんとですか!?」
美咲が魔王の隊長にしてあげるわと言う言葉に反応する。
「ええ本当よ☆、でも一つ条件があるわよ……」
さっきまで明るく楽しい表情を幾つも見せた魔王が急に真剣な顔になる。
「条件? ……ですか?」
美咲がゴクリとなば唾を飲んだ。
「ええ…貴女がAランク勇者ダンカンを倒したのはすんごぉいと思うわん…… でもこのままその功績『だけ』を認めてすんなり隊長の立場を上げるのは上司としてダメだと思うのぉん……」
魔王が自分の両指を何度もツンツンしてしょんぼりしながら上司のしての威厳を語る。
「ふむふむ…それもそうですね……」
美咲は腕を組み少し考え、魔王様の意見に納得する。
「そうなのよぉん……私の立場上色々あるのよね〜☆」
おネエと魔王の心をいったりきたりする人間くさい魔王様はそう語る。
「あ!」魔王が両手を合わせて音を出しいい考えを思いつく。
「そうよォん!!いいこと考えたわん♡♡」少しテンションが上がり声がさらに裏返り大きな声を上げる魔様。
「ひゃぁん!」それにびっくりする美咲。
――……
「今から戦闘試験でもすることにしましょ♡どう?アルラウネちゃん貴女が推薦した美咲ちゃんならアタシの下す試練くらいすぐクリア出来るわよね??」
と魔王がイキイキしてアルラウネへ質問する。
「ええそうですねアルカディオン様」…「きっと美咲なら大丈夫ですよ」とアルラウネも自信を持って美咲を再度推薦する。
「えっ!? えっ!??」いきなり試験とか戦闘とか言われ困惑してあたふたする美咲。
「それじゃ戦闘試験始めるわよォん!!」魔王がそう言い、手をかざし魔王はこう言う。
「あらわれなさあい!私の統べる魔界の炎龍ドラゴニカちゃーん召ぉ喚ん!!」
ドゴーン――
魔王の玉座の目の前に魔王より大きい魔法陣が展開しその赤く光る魔法陣から魔王の飼い慣らすAランク使い。
「グルァァアア!!!!!!」
翼をはためかせ火を吐き羽からは炎が舞い上がり轟音で耳鳴りがするほど雄叫びを上げる。
魔炎龍ー『ドラグニク・ドラゴニカ』ーが魔法陣より召喚される
いくわよぉん!!!試験開始」そう魔王は気合いの入ったおネエ声で美咲に放ちさらにこう続ける。
「美咲ちゃん私に使える自信があるならこの子をぱぱっとしまつしちゃってぇ〜☆」
「ぇぇええええええええ!?りゅ、りゅ、龍〜〜」
そう叫ぶと心の中でぴえんした私は流石にこのチート身体能力があってもこの龍に勝てるか心配になった。
「私の魔界生活この先どうなっちゃうのおおおおおお」
女の子らしい弱腰な悲鳴を上げて美咲は神より貰い勇者さえも討ち取った最強の身体能力にさえも不安になる。
「試験なんてきいてないよおおおおおおお」美咲の魔界生活は始まったばかりなのであった―――――――――――――――▼