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元人並み少女は身体能力が高すぎて〜空まで飛んじゃいました!?〜  作者: うわのそら
最終章―理不尽なセカイ― 諦めない背中
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77話 その手で掴む明日への扉


「はは、ははは!!!」


「なにを笑ってるの!?」


神は玉座に手を付き身体を大きく震わせ大声で笑う。


「最高だ……神尾美咲。俺はお前のような人間を待っていたんだ」


「かかってこい!! 人間」


「フフ! だって私、自分から始めた事は絶対に諦めないって決めてるしそれに私は負けず嫌いだから 諦めたりしないよっ!!」


――ズサ!!


美咲が先手を取り攻撃仕掛ける。

高く振り上げた飛び蹴りが神の頬をかすめ傷を付ける。


「グハッ!! いい蹴りだ燃える……ハッ!」


神が拳を美咲の腹に向け放つ。


「ぐっ……」「きっ・か・ないよ!!」

腹筋に力を込めていた美咲は神の一撃を無効化する。


「ほう面白い……」


そして、神が追撃を始める。


無数の拳の連打で美咲を追い詰める。


「流石にこの量の拳の攻撃……裁き入れないっ!!なら!! 応戦するまでだぁ!!」


美咲も神と同じぐらいのスピード、威力のパンチをラッシュする。


「わたしはぁあ!!! たとえアナタが相手だろうとぉぉぉ!!! 負けない!!」


「はははは!! 楽しませてくれる!!!」


「私の良いとこは!! 絶対に諦めないって所なんだから!!!」


――バシッ!!


その言葉を耳にした神がラッシュ戦を制し美咲の拳を止めた。


「見つかったじゃないか、お前の『特別』」


「……へ?」


美咲が神の言葉にキョトンとしてしまう。


「美咲……戦いは俺の負けだこのまま勝負を続けても物理的に俺が勝つがお前のその決して()()()()精神力にはかてない、認めてやろう異世界送りにしたのがお前で良かった」


「ふざけないで!! ちゃんと戦ってよ!!」


「聞け美咲。時には力より勝るものがあるんだそれは心だ」


「……っ!?」


「その娘を生き返らせてやりたいんだっけか?」

神が器のアルラウネへ指を指す。


「う、うんそうだけど」


神は美咲のその絶対に諦めない闘志を認め。満足したのか美咲の願いを叶えてやることにした。


しかし美咲は、この性格の悪い神様を警戒しながら、会話を続ける。

「フム……蘇生は可能だがな美咲。俺のポリシーで一度消えた命は生き返らせたくないタチでな?」


「それじゃ困る……神様……言ったでしょ私絶対に……」


ギロりと美咲が鋭く神を睨む。


「まぁ、落ち着け美咲。そいつの魂はお前の居た居た魔界に漂っているハズだ。」


「そうなの!? じゃあそれを手に入れればアルラウネは生き返る!?ってことなの?」


「いいや、そう言う訳では無い。生き返してやる事は出来ないが魂さえお前が保留さえしてやれば……転生させてやる事が可能だ」


「そう、貴様の保持しているアルデとやらの魂と一緒にな」


神が美咲の全てを見透かしているかの様な瞳でそう言った。


「……!?」

美咲はその神の言葉に動じてしまう。


「……流石だね、神様……分かってたんだ」


「ああ。」


「そう、私は物理的に魔王として、彼を壊した。」


「しかし、殺しては居なかったの、そう私のタイミングでこの魂を転生させる為に」


「だろうな、貴様の殺していない発言で俺は理解していた」


「少し待て、美咲そいつの魂今私が……」


神が瞳をとじ、魔界に漂っているアルラウネの魂を探る。


「よし、もう終わったぞ」


「え、もう!? はっ……」


「み、美咲……」


「あ、アルラウネ……」


俗に言う、幽霊の様な状態で浮遊したアルラウネが現れる。


美咲はアルラウネ向け手を伸ばし――二人は抱きしめ合いお互いの喜びを言葉にして言い合う。


「よがっだああああ、アルラウネぇええええごめん。ごめんね。私の為に……ごめんね、あの時救えなくて」


「いいのじゃ……美咲……死んだ後もずっと見ていたのじゃ……妾の為にずっとずっと頑張ってくれて……み、美咲ぃ……」


二人はお互いの存在を確かめ合い、お互い喜びを噛み締めた。


そして……。


「感動の再会はここまでだ。」


「え…… 」


「の、のじゃ……美咲……時間が来た様なのじゃ。さよ……なら、なのじゃ」


アルラウネの身体が光出し、泡のように徐々にその魂は消え始める。


「待って!! アルラウネ!!!」


アルラウネは再び消えてしまう。


だが、美咲が再び泣く事は無かった。


それは身体に灯るアルラウネの魂の存在を感じたからである。



「なるほどね……神様……この先、私が何をすればいいか分かったよ」


「ああ、お前なら出来るはずだ、俺の力も少し持って行くといい。 いい人間の希望久しぶりにみせてくれた礼だ。 サヨナラだな美咲」


――フォオン。

美咲に神の力が少しだけ譲渡され、美咲はそれを受け取った。


「ありがとう、じゃあね神様……次はもっと。いえ、次ももっと素敵な女の子に生まれるからねじゃあね神様!!」


「フン、よく言う生まれ変わってもお前はどうせお前のままだバカは転生しても治らないこれ、神のことわざ」


「ふふ」


――ブォン!!再び異次元のゲートを美咲は開く。


神の力を受け取ったからか、衝撃を起こさずいとも簡単に美咲はゲートを開いた。


「私が居なくなったら魔界には魔王様居なくなっちゃうよね……やっぱり行く前にゼロルドくんに……継がせないと。行くよ!アルラウネ!!」


「う、うー!!」

器のアルラウネとも手を繋ぎ神へ別れを告げる。


「じゃあね!! 神様!!!」


「ああ」


――スピュン!!


別れを告げ、ゲートに入る。


ゲートを通じて、魔界に帰ろうとする美咲。


美咲一人心の中で叫ぶ。


「私はこの二つの魂と……アルラウネとアルデくんと……居られる普通の世界へ転生する!!!」


「色々な事があったよね……アルラウネ」


「私が掴んだ未来が待ってる、未来それは自分の手で切り開く明日そう教えてくれたよね、かみさま」


「よーーっし!! 来い未来!!! もう怖くないよ!!!」


次回☆元人並み少女は身体能力が高過ぎて空まで飛んじゃいました!?最終回『元人並み少女の逆転生!!』


次回で終ります。皆様本当に長い間ご愛読ありがとうございました!!


また見てね♪

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