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元人並み少女は身体能力が高すぎて〜空まで飛んじゃいました!?〜  作者: うわのそら
第四章 元人並み少女の行先は
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73話 代償×神へ宣戦布告切符


苦しい……苦しい……気持ち悪い……

どれくらい時間が流れただろう……それすらも分からない……魂が戻らず器だけとなってしまった哀れなアルラウネを抱え自室に戻った美咲は何度も吐き戻していた。


「うっ……うう……」


身体には力が入らず、意識が朦朧として視界が鈍くなる。


倦怠感からくる頭痛と大切なものを失った絶望により美咲は何をする事にも億劫になってしまう。


「……私が……私が悪いんだ……こんなに凄い力を持ってるのに……アルラウネ一人……大切な友達さえ救えない……うっ、うぅ。」


何も出来ない自分自身への自己嫌悪の渦に飲まれ思考能力がどんどん低下する。


いっそこのまま自害すれば……何もかもがリセットされて自分は救われる……そんな自暴自棄な思考さえも頭をよぎる。

「……うっ……ううう……」


薄暗い魔王の部屋……そこに一人蹲るのはまだ14歳の少女であった。


「……ダメだよね……死ぬなんて……それじゃあ救われない……私は救われるけど……それじゃ、アルラウネちゃんの魂は報われない救われない……戦わなきゃ」


__何と?


……生命の蘇生が出来ないこの世界で私はこれから何をすると言うの?


戦う……誰と?



……理不尽なこの世界。



アルラウネが生き返ら無いのなら、私が変えるよ……


こんなつまらない世界……貴女が居ないと私は救われない。


絶対に生き返らせるからアルラウネ、待ってて。



美咲自身の中でこの世界と戦うと言う結論が出た。


この極端で抽象的な彼女なりのこの世界でのこれからとは、この世界のルールを書き変えるという事であった。



「この世界の誰に頼ってもアルラウネは生き返らない……そしてアルラウネの魂はこの世界にもう無い……だから、……アイツなら……アイツを倒して……」


「この世界……次元を統括するアイツの座を奪い取ってでもアルラウネを生き返す」


『そして、私が、私自身が……神になる。』


そう、美咲が出した世界一いや、次元一極端な答えは神を倒し、美咲が神となると言う物だった。



「戦うしかない……私が生きる為にも……アルラウネと私が笑って過ごせるそんな日常を手に入れる為に私は止まれない」


「待ってて……」


美咲が左腕を真横にかざす。


__ビリビリ、ビリビリ


指先から雷が流れ出し美咲の掌全体を凄まじい威力の雷が手を包み込み、まるで雷の様な轟音を鳴らしながらビリビリと放電する。



___ドォオオオン!!!


そしてその凄まじい衝撃と轟音が鳴り響き、美咲が身体能力バロメーターをMAXにした後放電した手で思い切りパンチを繰り出す


そうすると空間がガラスのようにバリバリと割れだし次元に風穴が空き、ワープホールが出現する。


「繋がった……やっぱり……」

美咲は咄嗟の思い付きのこの行動で次元にワープホールが空いた時思った、この運命もきっと神に仕組まれているのだと。


「最初から決まってたんだね……こうなる事は……じゃないと私……こんな辛い異世界転移……耐えられない……全てはアイツが元凶……アルラウネごめんね……私絶対戻るからお利口にしててね、知り合いとケリ……付けてくるから」


「あ、あうーーう、うー」


なにか言いたそうなアルラウネだったが何も喋ることが出来ず、美咲には伝わらない。


「……今すぐ、助けてあげるからね、待っててね」

器だけの人形と化してしまったアルラウネを以前と変わらない様に優しく撫でる美咲、その瞳はとても優しい瞳だった。


優しい瞳から一転して怒りに満ちた表情に変わり、次元の裂け目・ワープホールを睨み美咲は一人こう呟く。

「この先にはアイツが居るはず……」


このワープホールが使えるか確かな確証は無い。

しかしこれは神が仕組んだ運命なんだろと自分で展開した持論を宛にするのであればこのワープホールは神のいる所へ続いている。


「行くよ……美咲」

親に貰った大事なファーストネームを呟き、ワープホールへの入り口へゆっくりと足を進める美咲。


「うっ、ううーーー……」


「ッ…!? 嘘……」


なんと器だけとなったアルラウネが美咲の服を引っ張り着いていこうとする。


美咲は涙をこぼしそうになるが、グッとそれを堪えすぐ様アルラウネを抱きしめた。


思わず、力が入り爪を立てている事を忘れるくらいに強く抱き締めアルラウネから血が出そうになるくらい抱きしめる。


「あ、ごめんね……うん、分かった行こうアルラウネ!! 私達の未来を手に入れる為に!!」


「う……うぅ……うー!」


美咲は今度こそこの手を離さないと自分の心にそう課し、優しく、そして強くアルラウネの手をギュッと握った。


「……絶対に離さない」


「行くよ!!アルラウネ!!!」


美咲は世界を帰る為、そして自分と、アルラウネが居る未来を勝ち取る為に神に喧嘩を売りに行くのであった。

ブックマーク閲覧本当にありがとうございます!!


私の処女作である『元人並み少女』遂に最終章突入となりますもう少しだけお付き合いして頂けると幸いです。



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