69話 回復術士のリミィ
……ぎぃいい、バタン!
重い扉が美咲によって開けらる。
中には四肢をチェーンで繋がれ縛り上げられていて身動きが取れない様にされた美咲の求める回復術を持った回復術士である銀色の髪をなびかせる回復術士が居た。
美咲も中に入り、中にいる回復術士へ美咲が質問をする。
「貴女が勇者軍筆頭の回復術士?」
「ええ……そうよ、私はリミィ……勇者軍二番隊のヒーラーまあ、もうその肩書きも貴女に潰されちゃったからもう無いけど」
「……で? そう言う貴女は誰私を拷問でもしにきたのかしら」
「いいや、拷問はしないよ……ただ救って欲しい子が居るの……その子を治療してくれたらあとは好きにしていいわ」
「……!?このオーラ……」
会話の途中で美咲の強大で禍々しいオーラに気がついた回復術士は美咲へ向け質問をする。
「もしかしてだと思うけど、貴女噂の魔王でしょ」
「ふふ、バレちゃった?そう私はこの世界の魔王美咲」
「で、その魔王様が私にお願いをしに来たって訳ね……それで、そのお願い私が『嫌だ』って言ったらどうする?」
「ぐっ……」
――スチャ!!
美咲が魔法を放出しそれを鋭く尖らせ、手刀にオーラを纏い鋭い剣に変えた。
先のリミィ言葉に美咲が反応し、オーラで作った手刀の剣を喉元に当てこう言い放つ。
「……拒否権はないよ、治して」
美咲が恐ろしく禍々しい瞳でリミィを威嚇する。
「フン……どうやら貴女の恐ろしさの噂はホントみたいね……良いわよ治してあげる」
「ホント!? やったー!!」
美咲がぴょんぴょんと跳ねて喜びを身体全身で表現する。
「貴女いい人だねへへ!! 勇者軍にもこんな可愛くて優しい人が居るなんて美咲驚きだよー!! えへへ」
「フン、優しいね……そんな言葉私から程遠い言葉よ」ヒーラーであるリミィに優しいと言う言葉が何処か引っかかり意味深な言葉を一人呟いた。
「でも、いいの? 私が言うのも何だけど私達君達勇者軍の仇って所もあるけど……復讐したいとかも思わないの?」美咲がリミィから恨みや怒りとした物を感じなかった為。ふとした疑問をリミィへ質問する。
「別に、私結構仲間とかそう言うのはどうでもいいのただ回復の経験が欲しいから勇者軍に入っただけ、その同僚がどうなろうと私が生きてればあとはどうでもいいわ……」
「まあ、あと欲しい物があるとしたら患者位かしら」あははと笑う所でない所でケタケタ笑うサイコな彼女。
「ゲ!! 貴女って私となにか同じなものを感じる〜こっわ……ひぃ何だか寒気してきたよぉ……」
魔王である美咲が怯む程のひねくれを見せるリミィ。
「そりゃどうも……あ、そだ治すのは良いんだけどひとつ提案。」
リミィが提案を魔王である美咲へ持ちかける。
「ん? 何?……リミィちゃんでいいんだっけ、リミィちゃん何?」
美咲は心を許したのかリミィを名前で呼び、その提案を内容によって美咲は受け入れようとする姿勢を取った。
「ふふ、私ね、治せれば誰でもいいの……だからこの先の人生貴女達魔族の側について研究とかさせて欲しいなって……」
「つまり私が望む提案は魔王軍の医療兵として雇って欲しいのと、私用の研究室ま、その患者を治せたらで良いわよ、それは成功の暁の治療代と思ってね」
「へぇ、リミィちゃん相当な自信じゃない……でも、その患者もう死んじゃってるんだけど……貴女程の回復術士なら治せるよね、だって貴女凄い能力色々持ってるもん」
美咲にもこの回復術士リミィがアルラウネを治せるであろうと思った根拠があったそれは、こちらに来た時に神が用意してくれていたステータス参照昨日であった。
美咲はヘッドギアを弄り久しぶりにステータス参照機能を使う。
――ブォン。
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●『リミィ・リミデッド・クローバー』(女性)︰勇者軍第二番隊回復術士
☆(LV67)
◆ランクB+
◆※詳細
・スキルヒーリング・コーリング
・ヒーラーアッパー
・バリアリンクシールド
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貴女が勇者軍に重宝される理由すっごいわかる……この回復全振りのスキル達……素晴らしいねこれならアルラウネを救える力を持ってるはず。
「貴女なら、出来るはずでしょ勇者軍筆頭回復術士リミィ」
「ふふふ、貴女凄いわねなんでも分かっちゃうんだ……そうよ私にかかれば一度失った命の再構成も可能、さ案内しなさい……私を求める『患者』の所へ」
「ふふ、そう来なくっちゃ。さ、こっちだよリミィちゃん来て」
__ゴゴゴ。
重い拷問部屋の扉が静かに開かれ美咲とリミィはアルラウネの待つ魔族の治療部屋へ向かう。




