05話 最強脳筋娘魔王軍へ就職
美咲ちゃんとうとう魔王軍就職しちゃう??
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脳筋少女神尾美咲は半魔の幼い娘『アルラウネ』に魔王軍へスカウトされた。
「是非!!こちらからもお願いしたいくらいです!!」
美咲は元気な表情でそう即答した。
「むぅ……快諾してくれるとはこちらも気分が良い」アルラウネがニヤリと笑う。
「ぐっ……の、のじゃ……」先程の戦闘のダメージによりアルラウネが痛みにより膝を付く。
「あっ、大丈夫ですか!?アルラウネちゃん!!」
意外と凄い戦闘を繰り広げていた事を私は思い出しその幼い半魔の女の子に近づく。
「ぐ、ちとこれは早う我が拠点の魔王城へ帰り治癒せねばならんのぉう」
とアルラウネは弱音をこぼした。
「あーえっとどーしよ!! どー〜しようー〜」
目の前に傷つき痛みを訴える女の子を心では心配するが、どうすればいいか思いつかないない美咲。
「ここから少し西の方面に足を運べば良いのじゃが…何せ、先程の勇者のパーティにより、テレポートの魔法が使える我が軍の魔物がやられてしまったからのぉう…くぅ……」
そう1人では帰るにも徒歩しか手段がないと言うアルラウネであった。
「そ、そんな事が……」
__ピコン!
私は良い発案を考え頭の上に豆電球の光をイメージで灯す。
「アルラウネちゃん!! 西!! 西の方面に魔王城があるんですよね?」
「あぁ…ここからノルダムの谷を抜ければ、直ぐに魔王城なのじゃが……ノルダムの谷は魔王軍へ未加入のゴロツキの魔物がおる為、物騒じゃぞ……? うむぅ……そこを転移魔法無しで通るとなると」
「ふふふっー〜」美咲が不定に笑いニヤリと口角を上にあげる。
「何を笑っとるのじゃ?」
アルラウネは突然笑いだした美咲に疑問を覚えたような顔をする。
「それなら飛んじゃえばいいんですよ!!!」
__……
「なにぃ!! のじぁあっ!?」
突然美咲がアルラウネをその強化された手で担ぎ出し走りながら、加速する。
「行っきますよぉお!!飛んじゃいます!魔王城へナビお願いしますね!アルラウネちゃん!!!」
「ちょ!! ちょ、お主!!」
『 アイキャンフライ!! 』
そう美咲がアルラウネを走りながら担いで叫び天に向かってジャンプすると美咲、アルラウネは空を飛んだ。
「うへぇ!!!お主空まで飛べるのかのぉ!?!?」
「ムフフ〜ンそうです!!私飛べちゃうんです!!」
驚かれた事でより得意げになり嬉しくなる私。
「なるほど…これならノルダムの谷も通らなくていいから安心じゃの…よぉし案内は任されたぞ妾を魔王城へ連れて行ってくれぬかの? 娘」
「はいっ!!」自分の類まれなる身体能力で感謝され気分が良くなり軽快に答える私。
「飛ばしちゃいますよぉ!!!!!!」
アルラウネの生きた蛇の髪が荒れる位には加速し目的地である魔王城目掛けて空を飛ぶ。
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「娘…見えてきたあそこじゃ!!」
アルラウネが暗い森の中にそびえる禍々しい魔王城を指さしそう、言い放った。
「あ! あそこですね!!アルラウネちゃん」
――ストン。
アルラウネを担ぎながらも軽いフットワークで魔王城の入り口に降りアルラウネを優しく下ろす。
「着きましたよ!アルラウネちゃん」
「おぉう…助かった妾1人じゃ帰るのは困難じゃった」
アルラウネは恥じる事無く美咲にお礼を言った。
「うわあ〜!!すっごーい!!」
美咲はそびえたつ魔界城を眺めそう口に出して大声をあげる。
魔界城は崖の上に孤立し立っており周囲は森に包まれ空には羽を生やしたガーゴイルが飛翔している。
「フン、お主は面白いやつじゃのうまるで魔界に初めて来たかのような反応をするのじゃ」
「あ!! いや……その、てへへ〜」
初めて魔界に来た痛いところを付かれ笑いで誤魔化した後、慌てて話題を変える。
「あ!!そうだそうだ!アルラウネちゃん早く治療しないと!早くお城を案内してくださいよ!!」
「それもそうじゃな案内するぞ美咲」キョトンとした顔でアルラウネがそう喋る。
「__そしてようこそなのじゃ妾達の守護する主の城へ……」
「はい!私もお力添えがしたいです!」
「んふ…本当に面白い娘っ子じゃの…お主名を聞かせてくれるか…?」
そうアルラウネは美咲に向かって名を問う。
魔界の高貴なる魔物が名前を聞く時それはその相手に対し尊敬の意を向けている行為なのだ。
「はい!神尾…神尾美咲ですよろしくね!アルラウネちゃん!!!」
「うむ、美咲か…… よし覚えたぞこれからよろしく頼むぞ美咲」
そう言いながら前を向き傷を抑えながらアルラウネは、魔王城の奥へと進んで行ったそれに続き美咲も同伴する。
____パチン!
「魔王護衛四人衆が1人ーアルラウネ・ゲルス・ゲノガーテが『 命じる』火の魔精霊よ高貴なる我が純粋なる魔物の魂の問いかけに応じろー転移魔法「メイスルールゥ!!!!」」
アルラウネが指を鳴らしそう詠唱すると魔王城の中にある光のランプが呼応し中に居る炎の精霊が出てきて2人の足元に魔法陣が展開する。
「うわあ!なにこれ凄い!」
魔法の文字が刻まれた光っている魔法の輪っかが2人を光で包み
一瞬で魔王のいる再上階へ転送される。
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ー魔界の最上階終点の玉座ー
たどり着いた少数の勇者が魔王に挑み消されていく、生命の最終地点魔城の最上階までアルラウネの特別な転移魔法によりたどり着いた。
「うひゃあ!いきなり別の所に転送された!!!」
………
「きゃああぁぁぁぁぁぁあああああああ」
私が魔城の最上階に着いた時初めて目にした物は巨体の恐ろしい魔王だった。
「こっ、しかも怖い顔おぉぉ〜しかもおおおお、大きい!!!」
美咲の前に20メートル位の大きい体で玉座に座りふんぞり返り頬杖を付くのはこの世界の魔王だった。
「ひっ…」
顔は鬼のような表情で恐ろしくその巨大な体は筋肉で覆われ、背中にはマントを纏い更には魔物らしい緑色の身体、そしてがその静かなる佇みの中にも感じる。
この世のものとは思えない恐ろしさを感じ美咲に悪寒が走る。
「ここここんにちは!!!わた、わた、私初めまして神尾美咲と申します」
美咲が、魔界の支配者である魔王へと自己紹介する。
「アルカディオン様護衛四天王が1人アルラウネ・ゲルス・ゲノガーテ」 帰還しました我が主……『アルカディオン様』勇者ダンカンを討伐してまいりましたそしてそのダンカンを打ち取ったのは隣の美咲と申すこの娘です」
傷ついた体で必死にアルラウネが主へ期間の報告をする。
静寂した空気が私とアルラウネちゃんを包む。
ゴクリ………
魔王がどういうった言葉を放つのか怖い私だったもしかして魔王様ダメージをおって帰ってきたアルラウネちゃんを汚らわしいとか言って処分しちゃうのかなあひやぁ〜とネガティブな考えをする美咲。
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「アルラウネ……」
魔王の鋭い眼光がアルラウネを睨みながら重い口を開く。
「はい…魔王様」
とアルラウネが応答する。
「あぁぁん大丈夫だったぁー〜ん?アルラウネちゃん!!!!
あたし心配だったのよぉん♡アルラウネちゃぁん〜」
と巨大な大木の様な大きさでかつ強面な顔なのにも関わらず高い声で魔王はアルラウネを心配する。
「げ〜ー!なんなんだこの魔王様のキャラ!!!」
美咲は困惑してニヤケながら顔が引つる。
「あらぁん?そこの可愛いお嬢さんはだあれ?」
「はい先程パンチひとつであの有名な勇者グレイを打ち取った娘神尾美咲です」
とアルラウネが再度説明する。
「いやーん〜可愛いじゃないのぉ??」
魔王様が美咲に興味示し身体を自分自身で抱きしめて悶える。
「あっ、はい!!!わた、、わた私美咲、神尾美咲です!!!」
「あらぁん♡美咲ちゃあー〜ん私この世界を支配する魔王アルカディオンよ〜是非ともよろしくねん☆」
魔王様が顔の怖さと声の可愛さのギャップを醸し出し気さくに初対面の私と会話する…色々と混沌だ……。
「はっ、はい!ありがとうございます」ちょっと引きながら美咲はお礼をする。
「しかもAランク勇者のグレイクンを倒したんだって???すごぉいじゃない美咲ちゃんアイツ私を倒したいとか言ってウザかったのよねぇんそろそろここに着いちゃうっぽい位強かったみたいだしお礼を言うわん♡」
魔王がそう部下を救ってくれた美咲へ感謝の言葉を言い放つ。
「あはは〜そりゃどうも…」
美咲が苦笑いしてこう言いう。
「アルラウネちゃあん!いやあん、こんなに傷ついちゃって今回復魔法うってあげるわよん!!ほらいくわよぉん!!!」
ピッと魔王が人差し指で緑色で泡状のシャボン玉のような魔法を繰り出しアルラウネを、包み込み回復させる。
「…痛みが……全く無くなりました流石我が主アルカディオン様……治癒魔法も完璧ですね……」
「いやぁんよぉお♡ほめないでちょおだぁい!!アルラウネちゃあん〜ー」魔王様が大きい小指でアルラウネを優しくペチペチする。
「ふふ……」
なんか優しそうでいいなぁ…この魔王様…と心の中で思う美咲。
この人なら私をこの魔王軍へ入れてくれるかも……ぐっと拳を握り魔王へ私の提案を言う決心を決めた。
「あ!!!そうだそうだ魔王様私をこの魔王軍に就職させて下さい!!!!!」勢いで美咲はそう言ってしまう。
「あぁあん…?」
鬼の形相の様な顔で大きい顔を近づけ覗き込むように美咲を睨みつける。
「あっ、あっ!」
やばい!こんなこと言っちゃって私もしかして魔王様の怒り買っちゃた??と心の中で恐怖すし動揺する美咲。
「ひぃいいごめんなさいぃいい」
プルプル涙を流し謝る美咲。
「あっごめんねぇ〜♡驚かせちゃった〜♡♡アタシ近眼なのよ〜マ♡オ♡ウなのに、や〜ねぇ〜♡」
「え?」
美咲は困惑してポカーンと口を開ける。
「えっ〜!!ほんとぉ???たすかるわぁん!!!!是非ともよろしくねぇん!!良いのお〜嬉しいわぁん♡」
大きいリアクションの手振りをし魔王はニコニコして快諾してくれる。
「はへぇ!? よ、よろしくお願いします!!!」
そして脳筋少女美咲は魔王軍へらくらく就職したのであった――▼