67話 命令
デルタを打ち破った美咲とアルラウネであったが、アルラウネの身体への損傷は酷く、刻一刻を争う事態であった。
「クルアアア!!」
身体への損傷によるダメージでアルラウネは真の姿を維持出来ずに半魔の姿へ戻ってしまう。
アルラウネはその場でパタリと倒れてしまう。
「アルラウネ!!」
美咲が身を案じ、駆け寄る。
生死の確認をする為に真っ先にアルラウネの鼓動の音と息の有無を調べる美咲。
「よかった……まだ息はある、何とかしないと、でも出血が止まらない……」
美咲は前魔王の魔力を継承したが、動物程度の物しか直せず魔物、身体への治癒魔法の知識は無く治癒系の魔法は発動出来ない。
「誰か……誰か居ないの……アルラウネを元に戻してよ……」
魔王である自分が助けてあげられない不甲斐なさから自分自身の力の無さに苛立ちさえかんじる。
そして、美咲がフラフラと力ない様子で立ち上がりアルラウネをギュッと優しく抱き抱えた。
「……!? そうだ、テレパシーで……」
そう呟くと美咲はテレパシーを使いゼロルドと通信を図る。
「ゼロルド!! 聞こえる? 私、美咲!!」
『は!! 聞こえますとも……美咲様無事こちらも勇者軍を半分くらい掃討致しました』
元気よくゼロルドが美咲に向け好調な現状を伝える。
「おぉ!! ナイスゼロルド君!! でも今お願いしたいのは治癒術士を探さているの!! アルラウネが……アルラウネが大変なの」
あまりの焦りに美咲は事細かに先の事を説明出来ず、慌てた様子でとにかく治癒術士を探してくれとゼロルドへ伝える美咲。
『なんですと!? アルラウネ様が!! はっ! 勇者軍の鹵獲兵、我が軍の中からどんな手を使っても優秀な回復術士をそちらに向かわせますしばしお待ちを……』
「ありがとう!! ゼロルド君」
__ゼロルドとの通信を美咲はそこで切断した。
「アルラウネちゃん、絶対救い出すから安心し……て……っ!?」
ゼロルドが治癒術士をかき集めアルラウネを救ってくれ無事アルラウネは生還するそう思ったその時だった……__。
__アルラウネの病状が進行し大量の吐血を長し息を完全に引き取ってしまう。
美咲もアルラウネの異変に気づき脈や息を調べる、が。完全に生命の灯火は感じられず体温も感じられなかった。
「アルラウネ!?……アルラウネ!! 嘘だよね!! なんか返事してよ、返事して!! 命令……今すぐ私に答えてよ!! ねぇ、アルラウネ……うっうぐっ……」
緩やかに
美咲は完全に息を引き取った、哀れなアルラウネの骸を静かに地面に置きひとしきり泣いた後ある決意をする。
「……潰してやる……一人残らず」
「うあああああああああ!!!!」
自分への、そしてアルラウネを殺した原因であるデルタへの怒りが爆発し、勇者軍を討ち滅ぼさんと目にも止まらぬスピードで空へ飛びたった。
__バサバサ。
美咲が飛び立った衝撃波で木々が揺れ竜巻が起こり土煙が起こるほどの威力であった、怒りに身を任せた魔王美咲はもう誰にも止められない。
「「「おい、何が来るぞ!!」」」
勇者軍の兵士数人が上空から高速で接近してくる美咲を目撃する。
「……なんてオーラだ、逃げろ……皆」
「おい、何言ってんだ……!? ぐっ……まずいなこりゃ……凄まじいオーラだ……」
「お、俺もう……無理だこの場に立ってらんない……一人でも逃げるぞ、ヒッ!! ぐぁあ!!」
__スタッ!!
高速で移動してきた美咲が勇者軍の兵士を一突きで仕留める。
「あぁ……うざいうざい……貴方達全員……ぶっ殺すから」
大事な家臣を失った魔王の悲しみの大暴れが今始まる。
明日と明後日の分も書けてます!!やほー!




