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元人並み少女は身体能力が高すぎて〜空まで飛んじゃいました!?〜  作者: うわのそら
第四章 元人並み少女の行先は
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61話 sssランク勇者パーティ


美咲の攻撃により意識が無くなり、骸となったゼノスが魔王美咲の前に倒れ込んでいた。


そして、その魂の無い骸に対し美咲は一人語りかけた。


「ざんねんだったね、安らかに眠るといいよ」


そう告げると、美咲は優しい顔を浮かべ、ゼノスの骸むけ魔法を打ち放つ。


どこからともなく美咲の魔法により、火炎が巻き起こり、やがてそれがゼノスの骸を包み込み瞬時に跡形もなく彼を焼き尽くした。


「ちゃんと、魂も器も消してあげるからね」


これは美咲なりのゼノスへの敬意であった。


――そして、美咲が何者かの気配を察知した。


「そこに居るんでしょ? 分かってるよ」


美咲は念の為に内包された強大な魔力を監視カメラの様な形で身体の周りに展開しており、その展開されている魔力の近くに近ずいた『何者』かを察知した。


「あー君達だねー! アルラウネが感知した人間ってのは、ねぇ、隠れてないで出ておいでよ」

そう美咲が言うと、岩陰から2人の人間が出てきた。


――ザザ……

「く、この悪魔め……」

「よ、よくも!! ゼノスを……」


「あっはは☆」


岩陰に身を細めていたのは勇者ゼノスパーティの仲間である2人だった、美咲の強大な力を前に援護に出られなかった彼らは、美咲を前に自分達のしやるせない気持ちと、復讐に燃える気持ちをどうにか抑えようとしていた。


「この、よくもゼノスを」


「ゼカフィ!! 待つんだここでコイツに向かって行ったらゼノスの死が無駄になる!!」


「分かってる……分かってる……でも、トーレル俺、このままだと怒りでどうにかなっちまいそうだ……」


「耐えろ、今は耐えるんだ」


2人の巨漢が涙を流し、沸き立つ怒りと葛藤していた。


「へぇ、面白いねー!! 君達仇討ちしないんだぁ……ククク ねぇ、怒りを剥き出しにしてさ向かってきてよ……おバカな勇者のお仲間さん♪」


美咲の簡単な挑発にsssランク格闘家のゼカフィは居てもたってもいられず、美咲に対し接近攻撃を掛けてしまう。


「おーさっすがあ!! とてもいいジャンプじゃん♪」


ゼカフィは鍛えられた肉体から放たれるとんでもない跳躍力で美咲目掛け攻撃を放った。


「うぉおおおお!!! フルパワーアイアンクロー!!」


腕に付いた鋭い鉄の爪が美咲の瞳を捉え勢いよくゼカフィの攻撃が美咲に迫る。


「ふふ! でも、残念☆」

「貴方より私のが身体能力高いもんね♪」


――ザギン!!


美咲は二本の指でその鉄の爪をツマミ上げ、巨漢の動きを静止させ、二本指だけでその男の身体を支えた。


「な、なんだと!? コイツ!?」


『ゼカフィ!?!? 逃げろ!!』


仲間のトレールの逃げろと言う声がゼカフィの耳に届く前の一瞬で美咲は次なる一手を加えてしまう。


「遅い、つまんない、じゃあね」


――グサッ!!


美咲が静止させた彼をそのままの勢いで地面に叩きつけ、そこから相手の鉄の爪を奪い瞬時に彼の心臓目掛け目にも止まらぬスピードで突き刺した、突き刺した場所は正確であり、更に攻撃の威力も相当であり、それは一撃で彼を死に至らしめる。


「グハッ!!」

「ふふ、じゃーね、ゼノス君にあの世でよろしくーっ☆ あは」


『ゼカフィ!!!!!!!』


ゼカフィはその場で倒れ込み、魂の無い器だけの骸となった。


「へへ、戦闘は楽しめなかったけど きもちーなーこの感覚」


「貴様!!!?!? この悪魔ァ!!」

冷静沈着な魔法使いのトレールも声を荒らげ美咲に向け怒りを露わにする。

「ふふ、君も向かってくるの? さあ早く私を殺してみてよあはは!!」


「ぐっ……」


――しかし、トレールの心は強かった。


そして、乗らない。

美咲の挑発に『乗らない』決断をした。


「ふー……はぁはぁ……」

胸に手を当て必死に呼吸を整えるトレール。


「俺を仲間にしろ少女の魔王よ」


「へ?」


――彼の選択は『どんな手段を使っても、生きる事』だったそう、彼が何故こんなに冷静に居られるのかと言うと彼はゼノスが美咲と戦う際に一つ彼に告げていた遺言があった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「トレール、魔王(ヤツ)は全ての勇者軍を潰すつもりだ、もし俺が死んだらお前らは逃げるかどんな手段を使ってもいいとにかく生きて反撃のチャンスの眼を育ててくれ、それが俺の願いだ。」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※



そう、彼が下した判断はとにかく生きる事、その為にはどんな手段も選ばない例え、魔王の手先になろうとも、未来に可能性を託しいつか来る反撃の日を信じて。


……ゴクリ。

トレールは固唾を飲んだ。


絶対的な力を誇示する美咲からの返答を待っていた。



「あは! あははは!! 面白いねー!!君、そこまでして何で生に縋るのかな?」


「……」トレールは口を開けなかった、口が裂けてもいつか裏切りをして反撃したいなどと言えるはずも無かった。


「甘い、甘いよ」


――ズサァ!!


「ぐっ!? はぁっ、くっ……うぅおおお」

トレールの腹部からポタポタと血が流れる。


『君、失格。』


魔王美咲から下された、魔王軍加入への返答は()()()。つまり彼の死だった。


「あーあ。つまんない、ちゃんと企んでた事言ってくれたら考えたのになーまーもうむりだけどねバイバイ☆最後のsssランク魔法使いさん♪」


ゼノス率いる勇者パーティは美咲一人によって、壊滅させられたのであった。

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