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元人並み少女は身体能力が高すぎて〜空まで飛んじゃいました!?〜  作者: うわのそら
第四章 元人並み少女の行先は
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58 魔王軍総進撃。


美咲は身体能力のメーターをめいいっぱい強化し、神速のスピードでパルス海岸へ向け加速していた。


「まってて、アルラウネ」


__ドゴーーン!!


近くで大きい爆発音が聞こえ、一気に不安になる美咲。

「やばい、始まった持ちこたえてアルラウネ」

近くで聞こえた爆発音の正体はきっと、偵察に行っているアルラウネが敵に見つかり攻撃されているであろうと推察した美咲は、最悪の事態を想定しつつ『間に合って』と、そんな想いを抱え必死に自分を加速させていた。


「あ、そうだ転移魔法……くっ、この超距離じゃ私の転移魔法は使えない」


転移魔法を駆使しようとしたが、美咲の攻撃特化の魔法では、長距離転移魔法は使えなかった。


そして再び焦り、考える。

相手は百もの軍勢、孤立しているアルラウネの身を危惧した美咲は最大の速度で加速していた。


__ビュオオン!!

美咲の速度を持ってしても遥かなる、魔界の大地は広大であった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「ハァ……ハァ……こりゃあマズイのぉ……」


__ポタッポタッ……。


アルラウネの腕から紫色の血液が溢れ出す。

そう、先程の爆発音の正体は美咲の推察通り、勇者軍であり爆撃魔法を食らってしまったアルラウネは爆撃により腕に深い傷を負ってしまった。


「はは、偵察に来たはいいもののこやつら大分厄介じゃ、詮索魔法を使いよるのじゃ……」


岩陰に隠れ、バレるのを避け静かに偵察をしていたアルラウネだったが、相手の詮索魔法により場所を特定され、それにより天から魔法陣が出現、そして目にも止まらぬスピードの爆撃魔法が発動し空から火球が降り注ぎ、不意を突かれたアルラウネはそれを避けきれず傷を負ってしまった、敵ながらあっぱれである勇者軍の警戒心、そして虎の如き鋭い素早い先手。


「ハァハァ……友軍が来るまで絶対見つかる訳には行かないのぉ……ぐっ、ヒール……」

回復呪文を呟き、次なる攻撃を警戒するアルラウネ。


「困ったの……このまま空に高速で飛び、そこから転移魔法を発動するまでの時間少しの硬直や相手の目に映りやすい行動を迂闊に取る訳には行かぬのじゃ……」


場所を特定されたここから、素早く逃げる事が今のアルラウネの使命であったが迂闊に移動する訳にも行かず困った挙句、アルラウネはとある呪文を使った。

「インブル!!」

みるみるうちにアルラウネの身体は透明になり相手から目視で確認できないようになる。


「よし、これなら安心なのじゃ……はよぉこの場から離れないとなのじゃ」

透明になりゆっくりと岩陰から離れるアルラウネ。


しかし。


__ザシュッ!!

『そこかぁ!!!』


「くっ、」


__ガキン!!


「魔物の匂い……逃がさない」

青い瞳を持ち、神々しく光るオーラを纏いそして金色の髪を持った勇者が透明になったアルラウネを凄まじいスピードで襲った。


「ほう、やるのぉ……その金色の気配……お主が勇者、ゼノスじゃの? ククク」


「ああ、その禍々しい蛇の頭貴様が、邪帝アルラウネだな? ここで討ち取る」


アルラウネは自分の手を変化させ剣として用い勇者の刃を食い止める。

剣越しに、お互いの名を確認し、ついに四天王とsss勇者の戦いが不意に始まってしまう。


(美咲様……すまぬ、先手を取られてしまったからにはもう逃げる事は出来ぬのじゃ、妾は!!)


「引かぬ!! それが魔族のプライドじゃあ!! 勇者よ聞けぇい!! 貴様ら魔族の存在を脅かす者派妾が今ここで討ち滅ぼす!!」


「はは!! いい度胸だぜ、四天王、そっちもこっちも負けれねぇ覚悟(プライド)があるって事だよな?」


「フハハ!! こい、勇者!!」


「言われなくても、行ってやるよオラァ!!」


勇者が自分の身長よりも大きい大剣を大きく振りかぶりアルラウネへ攻撃した。


__ドスン!!


その破壊力は強大であったが、アルラウネに回避され大地に突き刺さった剣の衝撃で大地が割れる。


「ほう、やはり噂の通りの馬鹿力じゃのでも、パワーだけじゃ妾を倒せぬぞ」勇者の攻撃を交わし、転移魔法で勇者の背をとったアルラウネがすぐさま勇者へ攻撃を入れる。


『邪帝連撃!!』

__シャアァァァ!!!


自分の腕を毒蛇に変え物凄い勢いで勇者に攻撃を仕掛けた。


__カキンカキン!!

「……甘い」


勇者は大剣を地面に投げつけ、懐から秘めていたもう一つの細身の剣を取り出しアルラウネから来る無数の蛇による攻撃を無効化していた。


「くっ……」

(人間の視界では捉えられぬ筈のスピードで打ち放っている妾の攻撃を全て!? これはまずいの)

アルラウネの全ての攻撃が無効化され圧倒的な勇者の力にアルラウネは恐れていた。


「これで、『終わりだァァァ!!』」

__ザシュッ。


アルラウネの心臓を貫ける距離までに接近した勇者は最後の一撃をアルラウネへ向け、目にも止まらぬスピードで剣による攻撃を加えた、その剣の捉えた先はアルラウネの心臓ではなく、甲冑の様な金属であった。


__ガキン!

「むふーん! やーっと、神様に貰ったこの装備役にたったよー、めっちゃ丈夫、丈夫ー~」

美咲は神様より貰った鎧の腕当てで勇者の凄まじい斬撃をガードした。


「__!? 貴様何者!?」


「君、あっまーいね☆ 初めまして勇者様私、美咲」

「一応……新しい『魔王』やってます!!」


__ニコ。

自分で魔王と名乗る少女はこの緊迫した状況に対して興奮し、笑みを浮かべていた。


『の、のじゃ!! 美咲様!?!』

完璧なる魔王の登場に涙を浮かべ、一命を取り留めるアルラウネ。


「なんだと!? 君の様な少女が魔王!?」少女から繰り出される衝撃の言葉に動揺するゼノス。


「ねぇ、勇者くんそのリアクション、めっちゃイライラする」

__パァン!!

美咲が堪らず拳による攻撃をゼノス向け打ち放った。

ゼノスはいきなりの攻撃に咄嗟に剣をかまえそれでガードした。

ボロボロとゼノスの剣は砕け散り美咲がこんな言葉を続ける。


「ねぇ、勇者さん()()を思い出すから、その純粋な瞳を向けるの辞めてくんない?」



__美咲が鬼の様な形相でゼノスを睨み付けた。

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