53話 魔界グルメ、そしてアイデア
「もぐもぐ、もぐもぐ……」美咲はまだ、五番隊の打ち上げパーティで魔界のご飯を食べまくっていた。
__ジュー……
いい匂いを放ちながら肉が焼ける気持ちのいい音が美咲のみみに入った、料理を頬張りながら美咲の目線は次に食べるであろう料理の調理に目が行っていた。
魔族のシェフが調理済みのエビのよう甲殻に被われたな見た目の鳥をフライパンに乗せ、目の前で料理する。
フライパンに乗った肉の色がみるみるうちにかわり、肉の勢い良く焼ける姿に美咲は不思議と笑みがこぼれた。
「美咲様こちらを、どうぞエビリングバードの素焼きでございます、素材の味をお楽しみください」
「うっわぁ!! ちょー美味しそうじゃんこれ!! ありがとう!! いただきます!!」
「うっわ……まって、このエビリング・バードの料理美味しすぎない!? 見た目はグロテスクだけど、硬い甲羅も噛めば噛むほど味が染み出してきてちょぉおお美味しい!!」
先程までの美咲の魔界の人生は多難で、色々な悩み事に蝕まれ、顔色がくもっていた美咲だったが。
やはり卓を囲む宴会の席で仲間と酒を交し、そしてこの美味い料理達が美咲の心を救った。
「おお!! お気に召しましたでしょうか!! 今日朝一で取れた新鮮なエビリング・バードです」
「うん!! ちょぉおおお美味しい!! こんな美味しい料理生まれて初めて食べたよ〜ー」
「んーーっ お肉がプリプリで噛み締める度にジューシーな肉汁が……おいしぃいいい」
魔界料理のあまりの美味しさにニッコニコになる美咲。
「美咲隊長……そんなに喜んでもらえるなんて光栄です……そりゃあよかった、ん、美咲隊長?気のせいか顔色がだんだん良くなってきてませんか?」
ゼロルドが美咲のだんだん良くなる顔色に対して指摘をした。
「んーそうかな!!」
「ええ!! その……今の隊長めちゃその、その!!」
「ん?」
「可愛いです!!」ゴツイゼロルドには似合わない女々しい態度で美咲に「かわいい」とシンプルな賞賛の言葉を送った。
「はひっ!!」美咲はこう言うのに慣れていなくたじろいでしまう。
「はは、は!! でしょー!! 私ってば最強だしかわいーからね!!」
「ええ! 美咲隊長は魔界一、いえ!全次元一可愛っす!!」
褒めすぎ、と言わんばかりにゼロルドは美咲を褒めまくった。
「えへへ、嬉しいな」分に対して送られる褒め言葉を素直に受け取れる所も美咲のいい所であった。
「ありがと!」
「くぅ〜尊い」ゼロルドが限界オタクになりみさきの見えないところで濁流の涙を瞳から流しまくり、ガッツポーズを決める。
__ガシャン。
食べ終わった、食器が乱雑に机に置かれる。
「ご馳走様でした!!」
「ふぅ……」
満腹になった美咲は段々と眠くなってくる。
「ふぁあ……このまま寝たらきもちぃだろうなぁ……どうしよ」
「でも、皆も居るし、寝ちゃ、ダメ……だよね……」
美咲の睡魔との見当も虚しくその場でテーブルに倒れ込み、眠り込んでしまった。
__そして。
「グ、グギャアアア!! グギャアアア!!」
眠り込んだと思いきや、目覚ましの音の何倍もある、魔物の叫び声で美咲は起きてしまった。
「あわわわ!! え、なになに!? 敵!!敵が攻めてきたの!?」
「クギュイ!!」
「わっ!! 君はー!! やったー!!また会えたね! 絶対会うって約束したもんね!!久しぶり!」
「レグリス君!!」
その声の主は、美咲のお気に入りで専用ワイバーンのレグリスであった。
「わはー!! やっぱり目も綺麗だし 羽もカッコイイ!! えへへ〜元気してた?」
「グギュイ! グキュイ!!」
「そっかそっかー!」
「美咲隊長レグリスが言っていることが分かるのですか? 流石魔王!!」
ゼロルドが美咲とレグリスの戯れを見て率直な意見を述べた。
「うーん何となくだけどね〜」
「レグリス君と会話……会話……あ!! いいこと思いついた!!」
美咲はゼロルドとの会話で何かアイデアを思いついたようだった。
懐かしいキャラも出てモチベ最高潮ですー!!
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