52話 それでも、やっぱり私は魔界で生きる
美咲の唯一の仲間、五番隊の皆と再会を果たした美咲、戦死した魔族は居なく何も変わらぬ再会であったが、しかし違うところが一つだけあるとしたらそれは、『隊長』としての再会では無く『魔王』としての再会だった。
再会を祝し美咲と五番隊の皆は、場内で宴会を開催していた。
「ゴクゴク……くぅううう!! この一杯の為に魔王やってんだぁー!! って話ですよ!!」美咲はジョッキ片手に豪快なイッキを決める。
「ガハハ!!美咲隊長……いや、魔王様それ失礼っすけどコラルですよ、酒なんか幾らでもありやすぜ!! 是非飲んでくださいよ」
「いやぁ!! 私この、コラル?これ気にっちゃったからさ!! ぜんぜっん美味しー!!」
「ガハハ!! それなら安心しやした!! 魔王様!!そらコラルもう一杯言っちゃいましょう!!」酔っ払っているゼロルドは美咲が魔王と言えど容赦がない。
「やめてよー、魔王なんてーゼロルド君なら隊長でいいよ隊長で〜えへへそっちのが呼びやすいでしょ皆〜」
酒ではないコーラの様なコラルでさえこの雰囲気いわゆる場酔いで酔っている美咲もゼロルドの無茶ぶりに答える。
「っしゃー!! かんぱぁい!!」
「うぇーい!!」
「乾杯!!」
五番隊一同、乾杯を美咲、ゼロルドの一声で何度もする。
そして、何時間も経った頃ゼロルドの酔いも覚め、テレパシーにより共有した勇者撃破の件を口にする。
「その……ありがとうございやした……アルデ……いや、勇者の件」
「う、うん大丈夫」いつか来るであろうなと思ったこの話題にも美咲は覚悟しており冷静に返答を返した。
「美咲隊長にだけ勇者の処罰を任せちまって、その……」
「やめて……ゼロルド君……もう、私は大丈夫だから……そんな謝罪やめて」
「す、すいやせん」不器用なゼロルドは不用意なことを言ってしまったと、一人反省をした。
「ううん、もう大丈夫」
「だって今の私は『魔王』だよ!! それに勇者だって倒しちゃって私最強なんだから!!」
「ふふ、ですね」
「うぉおおおお!! 美咲隊長!!さいきょぉおお!!!」暗くなってしまった空気を察してか、ゼロルドはいきなり雄叫びを上げ美咲を鼓舞する。
それに続いて隊の皆も雄叫びを上げた。
「うおおおおぉ!!」
「美咲隊長いや魔王最強!!」
「ちょ、ちょ、みんなー〜」いきなりの皆の圧に少しタジろぐ美咲。
「皆、美咲魔王をどあげしろ〜!!」
ゼロルドの一声で隊のみんなが集まり美咲を持ち上げ度揚げする。
「う、うわぁーっ!! えへへ……やっぱりいいな」
「仲間と居るの」
一度、悲しみの倦怠に沈んだ美咲であったが魔族の皆との友情を深める事によって自分はここに居ていい、魔王であり、特別であると言う証明を今得て美咲はまた奮起した。
__スタッ。
美咲は着地する直ぐ様、隊の皆向け手を掲げ、口を開いた。
「聞け!! 五番隊!! 今の私は、この魔界の魔王であり、君達の希望だ!! 魔族に仇なす人間は全て敵だ!!」
「今後は前、魔王アルカディオンを継ぎ私が魔王となりこの魔界を総べる!! 異論は無いよね?」美咲がニコッと笑い可愛く隊の皆へ質問する。
皆、心の底から美咲への忠誠を誓っており裏切り者は誰もいない様子だった。
「へへ!! 皆最高!!」
「はいはーいそんで皆にサプライズ!!」美咲は軽い口調にもどり隊の皆へお知らせを告げる。
「五番隊はこれより美咲親衛隊として、一番隊へ昇格する!!」
「ま、マジかよ……」隊の皆とゼロルドは皆、同じ言葉を発した。
「うぉおおおお!!」
「万年五番隊だった俺らが!?」
「ヒャホー!!出世だ出世!!」
「みーさき!! みーさき!! みーさき!!」
五番隊全体から自然と美咲コールが巻き起こる。
「えへへ!! 皆これからもよろしくね!!」
2日以内に次話投稿しまーす!!
ゼロルド君たち久しぶりに出てきて私も嬉しいです(まいる)




