40話 アルラウネちゃんと魔王の元へ飛んじゃいましょう
四天王の一体である獣はアルデの繰り出した技によって跡形もなく蒸発しそれと同時に次の部屋へのゲートが開放された。
「アルデくんアルデくん!!目を覚まして!!」
美咲がいくら大きな声を出そうとアルデからは一切返答がない。
「そんな……」
もしこのままアルデが一生目覚めなかったらどうしようと悲しみにくれる美咲であったが戦闘で疲弊したアルデをまじまじと見つめた結果ここで一つ嬉しい発見をする。
「あっ!? でもゼロorインフィニティーが成功したからアルデくんの身体に傷一つないよ!!」
胸に耳を当てると鼓動も聴こえる。
「良かったアルデくん生きてる」
美咲は安堵した本来倒すべきである勇者そんな彼の事を魔王軍の美咲そんな私がいたのだ。
「はは、こっち来てから普通じゃない私が色々起こしちゃってるなあ」
「よぉし!!美咲頑張りなさい」
ペシペシと自分の顔を叩きそう自分に告げると美咲ある決心をする。
アルデを絶対に魔王公認の自分の部活であり仲間にすると。
「その為にはまず魔王様に会わなくっちゃ!!」
「でもあと3体ボスを倒さないと!!でも好きな人の為ならそのくらい5秒でおわるでしょぉ!!」
そんな調子で適当な事を言う威勢のいい美咲。
「よし、じゃあ次のステージいっちゃうよぉ!!」
ダウンしたアルデを身体能力強化で軽々担ぎあげながら次の扉へ進む美咲。
――……ザッ
誰もいない筈のこのステージ内で物音が聞こえた。
「誰!?」
美咲はその物音の正体が上空にありすぐさま目をやった。
「ほぅ…… やはりお主であったか騒ぎは聞き付けたぞぉ美咲何をしておる」
「げっアルラウネちゃん!?」
その物音の正体はアルラウネであった。
「ここここれはそのっ」
勇者を拷問部屋から逃がし果ては四天王の一体である獣を跡形もなく消し飛ばしている美咲にアルラウネは鋭い目をやった。
「ヤバい……これ絶対私殺されるよぉ……」
魔王軍へ入ったばかりなのに反逆行為をしてしまった美咲はアルラウネに睨まれ背筋が凍った。
「軍の仕事をこなさず、美咲男遊びかい?いい度胸じゃの」
痛い所を疲れる美咲。
「げっ!!いやあこれは……そーなんですよ今拷問が仕上がって魔王様の所へ運ぼうかと……てへへ」
若干無理に笑った顔が引きつり嘘を隠せず態度に出てしまう。
「美咲そち、嘘をついているな……」
当然アルラウネを騙せることなく、美咲は追い詰められる。
「ごめんなさい!!私めっちゃ嘘ついてます!! アルデくんほんとにいい子なんでどうか仲間にしたいんです!!情報は聞き出せませんでした……」
「今の彼は記憶喪失で……」
「なんじゃと!?!?――……」
色々情報量が多くて司令塔である博識なアルラウネでも頭がパンクし美咲とアルデ間の事が正常に把握出来ないのであった……
3日間内に次の話投稿したいと思います!!
できれば明日に投稿したい!!




