39話 ぶっ飛ばしちゃうの?賭けスキルゼロorインフィニティー再び
〜―ゼロorインフィニティー発動!?―〜
「賭けのスキル発動……それしかないんです今の僕に出来ることは」
「でもアルデくん……」
困り眉で倒れているアルデを美咲は見つめる。
「私との戦闘の時は上手くいったかもしれないけど今度は……」
「美咲さんとの戦闘?」
「あっそっか、うんなんでもないなんでもない」
アルデが記憶喪失だった事を忘れていた美咲があたふたする。
「美咲さんの慌てる様子を見て何となく分かりました……僕が記憶を失う前の話ですねその話はまた後で聞かせてください」
「いいえ大丈夫です美咲さん今度も絶対成功させて見せます」
そう言うとアルデは落ちた剣を拾い上げよろよろと立ち上がる。
「行くぞ、もう僕は一歩も引かない見せてやる僕最強のスキルゼロorインフィニティー!!」
そう魔物に勢いよく放つとアルデは両手で剣を力ずよく握り身体全身に力を貯める。
「はぁあああ」
「アルデくん!!」
「うぉおおおおおおおおおおお」
アルデの身体が不思議な力によって輝き始めるそれと同時に闇の力のような目視で確認する事ができる禍々しいオーラも身にまとい光と闇が混在する輝きを放っている。
「グルアアアアア!!」アルデの圧倒的な魔力に惹かれたのか獣の眼光が光だしアルデ目掛け最後の一撃を繰り出すべく鋭く頑強な爪で攻撃を放った。
――……スピィン
「遅い」
「グォア!?」四天王の一体であるにも関わらず間抜けな声を上げる獣。
そしてアルデは獣の視界にも映らないくらいのスピード正に光の速さで瞬間移動し背後に回った。
「ややや!!ヤバい!!ヤバいよ!!アルデくん何そのスピード成功したんだね!!ゼロorインフィニティー!!」
美咲がアルデの圧倒的なスピードに興奮し鼻息を荒くする。
「これで終わりです」
「定められた運命の揺り籠の中混沌とせし我が魂を解き放ち今剣に全てを込める」
勇者のみに許された呪文を詠唱し剣へアルデの魂を分け与え剣の本当の力を解放する。
「行くぞ我が魂インフィニティー・ブレイク」
「はぁああああああああ!!」
剣の力を解放したアルデが放った一撃はアルデの告げた通り相手の生命を終わりにした。
「す、凄いよアルデくん……相手を一撃で」
ワンパン少女の美咲も覚醒したアルデの一撃を前に驚愕する。
「……ちゃんと約束は守りましたよ美咲さん」
そうアルデが告げるのを最後に倒れ込んでしまった。
――……
「アルデくん!!」




