35話 ぶっ飛んじゃいましょう!!!
「私が君の隊長なんだから安心して!!」
そう語彙力の無いセリフを呟きアルデを引っ張る美咲。
「そうと決まったらこの扉を壊して外に出るよ!!」
「えぇ!? どうやって…さっき言ってたじゃないですか!?僕が死なないと解けない魔法が扉にはかかってるって!」
何も考えて無さそうな美咲を心配するアルデ。
「うっさいうっさいうっさい!! そんな魔法私のぶっ壊れ物理攻撃で適当に何とかしてやるわよ!!」
美咲が自信満々でそう告げる。
「えぇ!?そんな無茶苦茶な」
「アルデくん!!男の子なら細かいことは気にしないの!!」
「えぇい!!リミッター解除ぉ!!!!」
ブォン__……美咲がそう言い放った瞬間身体から凄まじい気が溢れ出し彼女の周りを風が覆いだした。
「……これが……美咲さんの力……」
アルデが本気を出した美咲をただ傍観する。
「にひひっ!!行くよっ!!」
「せーーのっ」
「どりぁああああああ!!」
___ドゴーン!!___……
拷問室の中、凄まじい轟音が鳴り響き固く魔法で閉ざされていた拷問室の扉が美咲のチート級の怪力で勢いよく開いた。
「えっ………」
「ええええーーー〜!!」
先程の美咲が出した轟音に負けぬ程の叫び声を記憶喪失勇者アルデは叫んだ。
「私!! やっぱり最強なんです!!」
トンデモ脳筋チート少女はさわやかなドヤ顔で想い人アルデを見つめた。




