33話 2人でイチャコラ喧嘩しちゃいましょう!!
アルデは先程の美咲とのやり取りで美咲の膝上で軽い眠りに入っていた。
……「ポッ」っと美咲の顔が火照りだし、膝上に異性を乗せている事を再自覚しまた顔を一人赤くする。
「あぁー!! もぅ……初めて膝の上に乗せた男子がアルデ君なんて!! もうっ!!」
美咲は火照った赤い顔で少し眉毛をへの字に曲げながら自分の太ももをつねり誰に言っている訳でもない独り言を呟いた。
「ダメダメこの人は敵の勇者軍の勇者アルデなんだから!!」ブンブンと顔を振り、膝に乗っているアルデを地面へと丁寧に退けた。
「もぅ……手のかかる勇者君だよ全く……」流し目を勇者を視界に入れつつまた独り言を呟いた。
「……んっ、 うぅん………」ひんやりした地面が余程苦痛だったのかアルデはパチリと目を覚ました。
「あっ!! アルデ君!」美咲が待ってましたと言わんばかりにアルデの元ヘ駆け寄った。
「えっ!?」アルデがビックリして全力のリアクションする美咲がアルデの急接近し覗き込む。
「おはよおはよおはよーっ!!」嬉しさからわちゃわちゃとうっとしいくらいに勇者アルデ絡み付く美咲。
「うわうわ!何ですか!! こっちは頭ぼんやりしてるんですよ!! 距離を取ってください距離を!!」
えいえいと、近づく美咲をアルデは手でおしのけて美咲を突き飛ばした。
「きゃあっ」美咲は勢いよく倒れてしまった。
美咲は即座に立ち上がり「こんのぉおお!!!」と勇者へ叫びながら立ち上がった。
「わ、わわわわわっ」っと、勇者はもたつき動揺する。
倒れた衝撃の痛みのせいか美咲は少し涙顔で勇者の目をじっと見つめる。
「アルデくん!!!」
「はいっ!!!」
アルデはびっくりして反射的に「はい」と、返事をした。
「ばか!」照れながらそう、美咲はアルデへ言った。
「えええ、ばかってなんですか!!謝ってください!!」と、美咲の口から盛れだした好意の悪口を真っ向から立ち向かう勇者。
「ばかなアルデくんはばかなアルデ君なんだもんっふんっ!!」 と美咲はそっぽ向いてプンプンと口輪を膨らませ子供のように怒り出す。
「は、ははは」とアルデは美咲の可愛い怒り顔を見てしまった。
……「あにみてんのよぉ、、、」テンションがおかしくなった美咲にダル絡みされる勇者。
「くっ、、、話してくださいーー!!」美咲に襟の方を捕まれそこで、バタバタするアルデ。
……ふたりの拷問部屋でのささやかなちちくりあいはしばし続いたのであった。




