31話 昔の記憶が全て飛んじゃいました!?
「あわわわわわわ!!!アルデくん!! アルデくん!!」美咲が気絶してしまったアデルを激しくゆり動かした。
「…………」
「ちょっとおぉおおおおおアーールーーデくーん!! 君が起きないと私尋問が出来ないでしょ!!」
やっと決心した尋問役をやり遂げる為に美咲はアルデを激しく顔を高速ビンタした。
「………っ………んっ……」アルデは美咲の激しいアラームビンタで飛んでいた意識が元に戻った。
「ア、ア、アルデくん!! 良かったー目覚めたんだね!! むふふふ流石私!!意識も飛ばせるし戻しもできるもんねー!!」
なんなんだその自己肯定感の高さはと自分の心の中で自分にツッコむ。
「………」
「失礼ですが……あ、貴女は誰ですか?……」
「……え?」
先程までのハイテンションな美咲を裏切るかの様に予期もしないアルデの返答が帰ってきた。
「……」
「………」
変な空気が2人を包みアルデと美咲はまじまじ見つめあってしまった。
(結構アルデくんて美形なのね………)「ってそんな妄想してる場合じゃない」自分の頬をパチパチ自分で叩いて気を引き締め直す。
「アルデくん!! もしかして……もしかしてだけど記憶が飛んじゃった?」ゴクリ……
美咲は帰ってくるであろう返答に恐れながらこの質問をアルデに投げ掛けた。
「えっと……そ、そうですね……貴女が誰なのかとこの物騒な部屋が些か気になりますが……正直に申しますとここ数年の記憶が全くありません」
「なっ!?」ガビーンと美咲の全身に電流が走り、口元に指先をつけて白黒のバックスクリーンで稲妻が走った少女漫画の様なリアクションを1人とる。
「うっうう……なんて事なんてことなのぉぉぉおお」「ちくしょーーぉおおおお!!!!!」美咲はキャラ崩壊の癇癪まで起こしorzのポーズで絶望に打ちひしがれる。
何故こんなに落ち込むかと言うと彼女は尋問役なのにも関わらず情報を聞き出す所かその聞き出したい情報までも消し飛ばしてしまいましたとさっと……
「ほんとバカ美咲……」
「ちょちょちょ!! 急にエコーのかかったナレーション入ったと思ったら神様だったんですか!? もー!天界からわざわざそんな事をエコーかけて言わないで下さいよ!!」
「うるさいお前が馬鹿だからだろじゃあな……」
「えぇ……」 「この性悪神様!!ぶー!!」美咲は胸に両手を当てた格好で天に向かってそう実態が見えず声だけの神に向けて放った。
「全く……」
「ん……? 情報、消し飛ばした?」
「……神様のナレーション通りじゃん私なにやってんだぁああ!!!!」




