14話 対峙……勇者軍!!
美咲、ゼロルドその他魔王軍五番隊が総出でノルダムの谷めがけ美咲の指揮の元、進軍を開始していた。
__……一方美咲はというと。
「あぼーーん」………
……………シーーン
「ピギィイイイイ!」 「ピギュイイイイ!!」ワイバーンのレグリスの声だけが魔界の森の空上でこだまする。
「あ、あ、あぶくぶくぶく……」美咲は気絶していた。
いくら身体能力が強化され、痛覚を遮断していたとは言え、精神は強化されないのでレグリスの本気の加速の恐怖から失神していたのだ。
「グルルルルルギュイイイイ……」レグリスは目的地にそろそろつく為気を利かせて気絶している美咲を自慢の咆哮で美咲を起こす。
――……「はひっ!!」美咲は突然のレグリスの大声で意識を取り戻し勢いよく飛び起きる。
「はわ〜あ! もうノルダムの谷だ!!」美咲はアルラウネを魔王城へ送り届ける時に見た、邪悪な谷をレグリスの背から見て恐怖の感情と共に勇者にそろそろ会えると興奮する。
「あー!! え!? あれもしかしてあれが勇者パーティじゃない??」美咲がレグリスの上から5人で魔物と戦闘中であろう勇者を確認した。
「レグリスくん! きっと私を勇者さん達の前までわざわざ送ってくれたんだね!!」ニコニコ柔らか表情で感謝の言葉を言いながらレグリスの頭を撫でる。
「いい子いい子〜レグリス君ほんと賢い!!」
「ピギュイイイイ!!!」きっとレグリスも喜んでいる、私はそれを何となく元気のいい鳴き声から感じ取った。
「じゃあ私行くね!!色々ありがとう!!」
美咲は、ここまで連れてきてくれたお利口なレグリスを撫でて、お礼を言う。
「あ、レグリス君ここは危ないから先に帰るんだよ!! じゃあね、絶対会いに行くからお利口にして待ってて!!」
「グギャアアア!!グギャアアア!!」
美咲の言ってる事が分かるらしく、レグリスは可愛くペットの様に反応した。
「ふふ……じゃあ私、行くね」
「ふぅ……よし!」「メーターブースト、とうっ!」
美咲は身体能力メーターを念の為、100まで上げレグリスの背中から飛び降りた、地上までの距離は高層マンションの屋上から、飛び降りる位もある、中々のダイブを美咲は勇者と対峙出来るという、好奇心から飛び降りた。
「ビュオオオオオ」凄い速さで美咲は滑空する。
「アルデ、アルデ! なんかヤバい! 女の子が空から仁王立ちでどんどん近づいて来くるよ!!」アルデの仲間の召喚士リンリンが魔物と戦ってる最中そうアルデに告げる。
「空で仁王立ち? リンリン変な冗談はやめろ」
彼の名はSランク勇者アルデこのパーティーのリーダーであり、魔王を倒そうとする勇者の一人である。
額に金色の宝具を付けマントを羽織り正義の剣を持った正真正銘の勇者である。
そして髪色は漆黒の黒色に長髪切れ長の目が中性的で美しくも気高い勇者アルデ。
「リンリン!! だから、ふざけているのか目の前の戦闘に集中しろ!」全くリンリンの言うことを信じない勇者アルデ。
「ぶー!! あるでのバカバカバカ〜」ポカポカとリンリンはムキになって怒る。
そんな言い合いをしている内に美咲が空より、地上に到着した。
「およ?……アレが勇者さんとその仲間かな?……てか勇者さんの格好まんま勇者でアガる〜」
ザッ……「お待たせしました勇者さん!!」
「……!?」
美咲がそう勇者に言い放つと戦闘中だが、次の美咲の一言に硬直するアルデ。
「魔王軍五番隊新隊長……神尾美咲……魔王の名で貴方の首取っちゃうぞ☆」……決まった。心の中でそう思う美咲であった。
「君、君みたいな人間の少女が本当に……魔王が使わせる隊長なのか!?」
「おー勇者が勇者、勇者してる格好してて面白いですね!!」
「……」アデルは謎の少女に絶句した。
「いひひ…そーですよ!」
………次の瞬間勇者が次の言葉を発することなく美咲は勇者に挨拶の一言ボディブローを繰り出した…………。
__勇者危うし!!




