13話 ワイバーンでGO!!
電車じゃないよワイバーンだよ!!いざ!ノルダムの谷へ!!
隊の手練隊員をワンパンで仕留め、五番隊の新隊長として無事着任した美咲、そして美咲はこれより攻め入るSランク勇者。
「それじゃあしゅつぱーつ!!」素っ頓狂な声を上げ、約20体程の魔物を引き連れ美咲はノルダムの谷へ向けて初進撃を開始した。
移動手段は、言語能力さえ取得していない下済み魔族の下級飛龍「ニアワイバーン」や四足歩行型の馬のような「ニアドラコ」を用い谷へ進軍する事となったそれに興味津々な美咲。
「おー!! 凄い! 凄いよぉ! 私も乗っていいの!?(自分で飛べるけど)」
「乗りたい、乗りたい!」駄々を捏ねて魔物に乗りたがる美咲。
「当たり前じゃないですか!! 隊長お好きな魔物を選んでください」
隊長と言う重要なポジションで気持ちよく指揮してもらうために新隊長ファーストで、好きなのを選べとサービスするゼロルド。
「んーとねこれ!」美咲が指さす先にはライトグリーンがかった艶めき瑠璃色の瞳が綺麗なワイバーンに乗りたいとゼロルドへ向けて発言した。
「……美咲隊長……」ゼロルドが険しい顔をして美咲に近づく……
「そのワイバーン、『レグリス』を選ぶとはやはり貴女はこの隊に来るとこを神に運命付けられていたようだ。」
「え?どうして?」と美咲は疑問げに不思議がる。
「そのワイバーンレグリスは先代の隊長が気に入って乗っておられた名ワイバーンなのですよ……」
「ほうほう! それは、なんと運命的な!!」美咲も運命を感じ更に明るい顔になって興奮する。
「さあ、乗ってくださいませ、レグリスは気性が荒い故、乗りこなすのが大変だと思いますが。美咲様ならきっと大丈夫でしょう」
そう言うとゼロルドは美咲を担ぎあげワイバーンの冷たくて硬い背中に優しく美咲を載せる「え、わっ、ちょちょ……」
美咲は困惑しながらもワイバーンに乗った。
「ギャオオオオンピィギュイイイ!!!」大きな鳴き声を上げ突然飛翔するワイバーン
「え、どどどうしたの? レグリスくん!! ちょっとまっ、うわーーーっ!!!」
美咲を乗せ、レグリスはノルダムの谷めがけ勝手に待機質のワイバーン用の出撃口の滑走路から高速スピードで発進する。
「おー!!いつも怠惰で旧隊長が乗った時しか働かないレグリスが、あんなにはしゃぐとは美咲隊長の底知れぬ力を感じとったようだな……面白い」……「皆の者! 美咲隊長に続け!! ワイバーンとドラコで我らも発進だ!! 遅れをとるなよハアァ!!」
そう言ってゼロルドや五番隊の皆は、下級魔物の背中に乗り滑走路、魔王城の門から勇者討伐の任でノルダムの谷めがけ進行を開始した。
「フッ…やっぱりお主らしい面白いスタートじゃのミサキ 」
出はからって誰もいない五番隊の待機室でアルラウネはそう呟きを残し自分の仕事へ戻る。
一方その頃美咲は……
「うあああああぁああ」「ぴえええん止まらないよぉおおおお止め、止めてぇええ」めちゃくちゃワイバーンで加速していた。
美咲の乗った、飛龍の向かう先は、ノルダムの谷。先代隊長のお墨付きワイバーンのレグリスは足に使われる、飛龍の中でも特に優秀で先程のゼロルドと美咲の会話から美咲の進軍したい谷へ命令なしに加速していた。
「あびゃびゃびゃー〜寒い、速い、とまらなぃいい」
美咲はレグリスの加速力に耐えかね、身体能力メーターを60まで上げ痛覚を無くすことで何とか耐えていた。
ピッ__▼
「ふぅ……これでよし……40パーでも、なかなか痛み感じないんだけど若干感じるからね……60だと麻酔みたいに完全に痛覚ない 凄ッ! 〜ってか風が痛いってレグリス君本気出しすぎ!!!」
美咲がそう怒るとレグリスは速さを褒められたと勘違いしたのか大きい咆哮を上げる「ピギュィイイイイ!!!」
こうレグリスが鳴き声を上げ興奮した途端更にレグリスは調子に乗り急加速した。
「にゃにぃい!? ひゃああああああああああ」私はレグリスの尋常じゃない速さに涙をこぼした。
「ワイバーンも急に止まらないのぉお??????」
……………私ノルダムの谷着く前に失神しちゃうかも。
「ピギュィイイイイ!!!!!」
お調子者のワイバーンレグリスにも気に入られてしまった最強身体能力少女であった。
「いやぁあとめてぇええ」
ワイバーンも急に止まらない。




