皿の蟻
角砂糖にたかる蟻
緩やかに崩れていく
平面に加工された部分は
凹凸が目立ち始め
下には粉になった砂糖粒が
少しづつ溜まっていく
小さな黒い体は
幾重にも並び歩き
金欲しさに
何でもやってしまうような
生きる為に
仕方がないことだと
言い切ってしまうような
生命の煩さがある
列の先端は分かるのに
列の後ろは分からない
人間の歴史観みたいな行列は
軽やかに
所々で個体のタイミングを
見せながら
それでも変わらぬ
行進を続ける
角砂糖は角砂糖であるが
角砂糖とは呼べない形へ
変わってきている
人間の技術力みたいな形で
その形にした理由があるかのように
そこにある
一種のアートでもある
日向に並び歩く意味が
全く分からない人間は
一つの物事を
一つのことと捉えたり
その一つとは
別のことと捉え
何かに並び立ち
歩こうとしている
現実だと思う世界では
分からなくとも歩ける
それに意味があるように感じて
人間は歩いている
心情は出すだけでは無く
吸引しているのだが
それも人間は分からない
分からないでいることが
正しい形に近いからである
角砂糖は無くなった
あれだけ居た蟻は消えている
巣に戻ったのだろう
本当の行き先は分からない
分からないことが無くなったら
人間はどうするのだろう
ここまで理解したんだ
それが全てだよ
他惑星の生命に言われたなら
それ以降は
何を目的として
活動するのだろうか
意味があったことが
変わるのである
勉学に対しての印象も
研究に対しての印象も
今とは違う物に変わる
予算が付くのか
分からない物が
出てくるかもしれない
それ以上の意味が無いからだ
そうなったら
意味を研究し始めるのだろうか
細分化しながら
同じ場所で削れるのだろうか




