ローランド・テクスチャその4「エピローグ?」
ローランド・テクスチャの企みによるお見合いから1週間後、まだ少しイラつきを残しながらもアルヴィスは普段の業務に戻っていた。
「今回のお見合いも失敗…ですがいつもに比べてシャーロット様が落ち込まなくてよかったです」
今回のお見合いに関してはローランドが一応アルヴィスの身内だったからか他に色々(アルヴィスのマジギレ)あったからかいつもより落ち込んでいる様子はなくてそこだけは安心していた。
「しかしローランド…もう二度とあの男とは会いたくないものです…」
「呼んだかな?」
「!!」
突然目の前にローランドが現れた。アルヴィスは反射的に注射器を取り出したがローランドはその手を止める。
「おいおい、普段からそんな物騒なもん持ち歩いてるのか?」
「ここ数日はお前がまた出てきそうで持ってたんですよ」
ローランドは以前と違い老人の見た目をしていた。といっても人間年齢で考えると60代くらいの見た目でイケオジといった感じだ。それなのに1000歳以上歳が離れたアルヴィスを余裕の表情で止めている。
「なんでお前がここにいるんですか?どうやって侵入したのです」
「人聞き悪いなぁ、お姫様に直々に招待されたんだよ」
「嘘をつくな」
アルヴィスのイライラが怒りに変わり始める。それを察したローランドはふざけるのをやめた。
「はぁ、冗談だよ。本当はシャーロット様に捕まったんだよ」
「なに?」
アルヴィスはローランドを放して続きを聞くことにする。
「あのお見合いの3日後にレーヴ・アムールから出ようとした寸前で見つかっちゃってね、見た目と気配を変えていたのにあのお姫様を侮っていたよ」
「シャーロット様なら当然です」
「そうかい、まぁそれで今日改めて呼ばれたわけだ。側近の2人と両親に謝罪して、投獄されそうになった」
「1000年くらい檻の中で暮らしはていかがです?その異常な性欲も落ち着くでしょうよ」
「断る!まぁ本当に嫌だったからいくつか私の発明やらなんやらを提供してなんとか許してもらったよ」
「何を提供したんです?」
「うん?えーっと、『普通の鉱石を魔鉱石に変える錬金術』、『電力の効率的な収集方法と利用方法』、『今この世界で確認されている病気に対する特効薬』とか…まだ発表してない“もしもの時”金に変えようと思っていたものを5つくらいこの国に提供したよ」
「…」
ローランドが提供した技術はこの国をさらに良くするであろうものばかりだった。くしくもシャーロットのお見合い失敗が国益に繋がってしまった。
「天才的な能力があるのが本当に腹立たしいですね」
「誉めるなって、あ、あと『とっておきのモテ術』も教えて…」
アルヴィスが無詠唱で炎の魔法をローランドの顔面めがけて打ち込んだがローランドに当たらず弾け消えた。
「やれやれ、あの側近カリンちゃんも同じ反応だったなぁ」
「そのまま潰されればよかったものを」
「まぁそう怒るなって、さすがの私ももうシャーロット様には手を出さないから」
「本当か?」
「あぁ、お見合いの時にも言ったが私ではあのお姫様には敵わないよ」
「ではこれからどうするのですか?」
「しばらくは技術指南もしなきゃいけないからこの国にいるよ、というかお姫様直々の命令さ、私の監視の意味合いもあるんだろうね、まぁそんなことよりも、アルヴィス」
「なんですか?急に真剣な顔になって」
ずっとへらへらしていたローランドが急に真顔になったので警戒を強めながら聞く。ローランドは腕組みをし1つ咳払いをすると単刀直入にある問いをぶつける。
「アルヴィス、お前あのお姫様…シャーロット様の事が好きだろう?」
「ぐぶっ!?は??なにを!!?」
アルヴィスのいい反応にローランドの顔は元のへらへらに戻る。
「やっぱりかぁ~わかりやすいなあ」
「な、ふふふふざけるな!」
「おっと」
慌てたアルヴィスの咄嗟の攻撃をなんなくいなしアルヴィスと距離をとる。
「恥ずかしがることじゃないさ!それにこの国は能力があれば身分に関係なく結婚できるんだろう?」
「う、うるさい…」
「まぁ安心しろ、可愛い息子のためだ。今後は私もお前のために尽力してやろう!」
「な!余計なことはするな!!」
「遠慮するな、それじゃあまたな!」
「あ!おい待て…く、消えた…」
ローランドに会いたくないと思ったのも束の間、今後しばらく顔を合わせなくてはならなくなるかもしれないと思うと胃が痛くなってくるアルヴィスだった。
今年も仕事が忙しい時期がやってきました。もっと投稿できるように努力します




