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おもいつくままに  作者: 真澄
9月
35/43

読後感想

 少し前のこと、娘が本が欲しいと言い出しました。最近の学校の図書館は私が学生のころとだいぶ変わってきています。私が読みたいと思っていた流行の小説の話をすると、学校の図書館で借りて読んだといいます。うらやましい。それでも学校の読書の時間に読む本が欲しいというのです。何が読みたいのかと聞くと、特に何が読みたいときことでもないようです。

 その頃、ローカル新聞の一面に『時給300円の死神』の広告がたびたび掲載されていました。「時給300円の死神のアルバイトを半年勤めれば何でも願い事が叶う」そんな文面に興味が引かれて娘用にと購入しました。

 それからしばらくして娘が、

「なんだかラスト、予想出来て面白くない」と言い出しました。またしばらくして

「予想した通りの結末だった」だそうです。

 せっかく買ったのですから、私も読んでみました。親の借金と自分の足のけがのために鬱々とした気分で生活している高校生男子。死神のアルバイトをすることになります。死んでいるはずなのに、なぜか生きている「死者」をあの世に送る届けるアルバイト。青年期の恋愛あり、家族の話があり、涙を誘ういい映画になりそうなお話です。娘にそなん話をすると

「あの話で、泣くとこあった?」えっお前の感性壊れちゃってるのか。どこかで育て方間違えた?と心配になってきました。

 年齢を重ねると人は涙もろくなるといいます。それは今までの自分の人生経験と重ね合わせて共感できる部分が多くなるからだそうです。平々凡々の生活を送て来た私でも、娘よりは長いこと生きているわけで、それなりに人生経験があるのでしょ。娘よりも数倍も長く生きているわけですし。人生経験の少ない娘にとっては、恋愛や自分がいつかいつか消えてしまうなんてことは実感のないものに感じたのかもしれません。

 私が『時給300円の死神』を手にしていた時

「その本読み終わったら、『僕の妻と結婚してくださ』読んで。面白かったから」と娘が言ってきました。いやいやいや、題名聞いただけで泣けちゃうような話は読む気ないから。うっ?泣かせるための話を面白いって、やっぱり娘の感性はおかしいのか心配になるのでした。

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