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おもいつくままに  作者: 真澄
8月
32/43

扇風機

 7月の下旬夏休みに入る少し前のこと、娘は部活動がほとんどできませんでした。なんでも、格技室の室温が36度以上になると部活停止だとか。体育館の西の二階部分にある格技室。夕方になると西日が当たってそれはそれは室温が高くなります。周辺の学校の格技室がほとんど一階にあるのに、またどうして娘の学校だけ二階にあるのか不思議です。1階で日の当たらない、バレー部やバスケ部は巨大扇風機を使っているのに、なぜに格技室には扇風機がないのか。やっぱり活躍していない部活は見捨てられちゃうのかねぇ、なんて保護者で話していたこともありました。全く稽古をしないというわけにもいかず、体育館の裏で素振りだけする日が続きました。

 格技室の入り口にある室温計が運動危険の数値を指していても、剣友会の稽古は関係なしです。熱中症で稽古を抜ける子がいても、稽古自体が中止なることはないんですよねぇ。

 でぇ、保護者が考えたのが扇風機の持ち込みです。初めて持ち込んだ日は、厳格な指導者の先生に怒られるかもしれないとびくびくしていたんです。さすがにねぇ先生も熱中症で死人が出ても困るとでも思ってくれたのですが、扇風機については何も言いませんでした。体当たりで小学生でも女の子でも吹っ飛ばす先生なんですけどねぇ。学校の方でも夏休み中の部活で死人が出ても困ると思ったのか、格技室用に大きな扇風機を一台と、木工室から業務用の扇風機を一台用意してくれました。

 格技室の壁一面に並ぶ扇風機たち。これって親の愛なんだろうなと思いながら、シュールな稽古を見守っていました。ところでまさか、扇風機だけで格差が出るなんて思ってもみませんでした。我が家が持参した扇風機は、もう何年も前にホームセンターで買った格安品。そこに息子の落書き付きです。ないよりかはマシ程度に使っているものです。剣友会の中には高所得の方もいらっしゃるわけでしてねぇ。そんな方が持参したのが、最新のちょっとお高い扇風機。それも子供が必要ならとわざわざ買って持参したとか。扇風機で生活水準がわかるなんてねぇ。

 

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