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おもいつくままに  作者: 真澄
7月
28/43

半夏生

 夕方スーパーをふらふらしてると顔見知りから声がかかりました。

「どうしたの?」

「今日、蛸を食べる日らしいんだけど、違うスーパーで蛸飯の素が売ってなかったから買いに来た」と私。

「へぇ~、今日蛸の日かなんか?」

「半夏生っていって、稲が蛸の足みたいに根が張りますようにって願って蛸食べるらしいよ。絶対にここいらの風習じゃないよねぇ。きっと蛸だから関西かどっかの風趣なんだろうけどねぇ。スーパーの売らんかなだと思うんだけどねぇ。ここ数年だよねぇ、半夏生に蛸食べましょうって」

「で、その売らんかなにのっちゃうんだ」

「うん、夕飯の献立考えるのめんどいし」こんな話をして別れました。


 夜亭主殿が帰ってきてからのこと。

「今日の夕飯炊き込みご飯?」

「半夏生に蛸食べるっていうから、蛸飯。ババがお父さんの植えた稲、ちゃんと育ってるから安心してって言ってたよ」

「そりゃ、浮苗じゃなければ育つでしょ」

「イヤイヤイヤ、ちゃんと分げつしているって話」

「そりゃ、植わってれば普通そだつでしょ」だめだこりゃ。田植えをすれば秋になればお米がとれると思ってるよ。天候やその他もろもろの要因で稲が育たないなんて、考えたこともないんだねぇ。

 季節食に稲に生育を願う物があるってことは、昔はそれだけ大変だったってことでしょうねぇ。そんなこと、考えたこともないんでしょうかねぇ。


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