はしか
『恋煩いははしかにかかったようなもの』なんて言葉があります。「誰でも経験する」とか「若気の至り」とか「年を取ってからなると始末に悪い」とか「一気に熱が上がってすぐに熱が下がる」とかそんな意味合いが慣用句だそうです。ですから情報番組ではしかの流行にご注意くださいと言われても、なんでまた大騒ぎなと思ってしまうのです。
呑気に考えていたら、この逆を行くような『痘瘡は器量定め、はしかは命定め』なんて言葉もあるようです。痘瘡とは天然痘のことだそうで、びょきの後に痘痕が残ることで見目麗しくなくなるという事らしいです。ついでにその痘痕が笑窪(笑窪)に見えたら、恋煩いですねぇ。江戸時代には天然痘を軽く見ていたのしょうか。それに引き換え、はしかは命定めですって。でも死亡率を単純に比べると、天然痘の方が高いんですけどねぇ。
実は日本では、2015年の3月に世界保健機関西太平洋事務局によって、はしかの患者はいないことになっていたのです。それなのになぜ今、沖縄県ではしかの流行がニュースになっているかといえば、台湾の旅行者がホテルにウイルスを置いていったそうです。そこからホテルの従業員に感染し、春休みに家族で沖縄旅行にいっていた高校生に感染。この高校生が品川の学校に通っていたところ4月7日に体調不良。寮生活をしていたらしく、新幹線に乗って名古屋の実家に帰宅。名古屋の病院で診察したところはしかと判明したとか。はしかは、飛沫・接触だけではなく空気感染もあるとか。潜伏期間が10日ほどですから、同じ車両に乗っていた人とか学校で発病する頃ってことで、朝の情報番組で紹介されていたんですかねぇ。なんだかこんな状況を見ていると、パニック小説の冒頭部分みたいに感じるのはSFすぎますかねぇ。
情報番組では、予防接種を呼びかけていました。そこで疑問。今の日本ってさぁ、新生児に山のように予防接種受けさせますよねぇ。出産から2年ほとはいつどの予防接種を受けようか、まさにパズルを組むみたいに計画立てないとすべて接種終わらないんじゃないかと、戦々恐々していたような記憶があります。だって行政から、期間内に接種しない場合には実費になりますとか脅かすような言葉が書かれているし。小学校の入学説明会の時に、予防接種の接種歴も提出させられるし。その中に、麻疹ワクチンもあったと思うんだけどなぁ。
情報番組によると、今の27歳以下の人の場合行政の指導の通りだとすると2回接種しているはずだそうです。20代から40代の人では1回接種しているはず、だとか。50代ではかかった方が多いとか。私自身は子供の頃かかったって母が言っておりました。
用心に越したことはないでしょうけれど、あまり大騒ぎしすぎるのもどうかと思ったのでした。