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春のリンゴ畑にて
「ねぇ、この木誰が去年剪定したの?」と私。
「これか、俺がやった。何でだ?」と父。
「だってさぁ、枝ぶりがいろいろ謎なんですけど」
「ツガルと秋映えはなぁ、フジよりも木が弱いから強く切って沢山枝を出そうと思ったんだけど、思ったように枝が伸びなかったんだ。大体この木は、花粉をとるために植えたもんなんンだ」
「えっ何それ」
「同じ種類の花粉だけあっても受粉しないの。だから受粉しやすいように違う種類のリンゴの木を植えてあるの。あれだぞ、大きな梵天みたいなのを使って受粉するとき、わざと違い種類の花粉を買ってするんだぞ」
「えーでもさぁ、我が家の家庭菜園の長ネギさぁ、松本一本ネギと下仁田ネギかってに交配しちゃってなんだかわかんないネギになってますけど」
「野菜と、果樹を一緒にしないの」
猫の額のようなリンゴ畑。とはいっても、ちゃんと手を加えてやらないと自家用でもちゃんと食べられるリンゴにはなりません。剪定をして消毒をして摘果をして。そんな作業の中の一コマでした。
ツガル・秋映え・フジ
りんごの品種です